「その外出」本当に必要ですか。
1月、新型コロナウイルス発生の報道がちらほらと目に入るようになった。
2月、中国や韓国、その他留学生の友達と顔を合わせる度に「状況どう?」と聞く毎日を過ごす。
3月、アメリカでも感染が本格化し、ニュースは毎日新型コロナウイルス関連。大学でも誰かと顔をあわせる度にコロナについての情報を交換した。
3月11日水曜日、大学から夕方5時頃に一通のメールが届く。
· 3月18日までに全員退寮すること。ただし、やむを得ない事情により寮に留まる必要がある場合は大学に申請をし、許可が出れば留まることができる。
· 春休み明けの授業は全てオンラインへ移行となる。
前日に春休み以降の予定についてのメールが来ることは知らされていたものの、わずか1週間の猶予での退寮命令、そしてそれが学期末まで有効ということは誰も予想ができなかった。
本当に突如決まったような感覚。そこからは大混乱。泣き崩れる人、飲んで騒ぐ人、パッキングを始める人、とりあえず日向ぼっこする人。
私も私で大忙し。来週からどうするのか決めなければ。
散々悩んだ末、日本へ帰国することを決定。決め手としてはビザに特段影響がないこと、時差の影響があまりなさそうであること、そして何よりアメリカでの状況悪化が想像以上に急速であること、だった。秋学期にアメリカに入国できない等不安は残るものの、これが最善と判断。
3月19日木曜日、成田空港に到着。
今日(3/29)に至る。
日本の状況が安定していることは家族や友人の話、SNSの投稿から知っていた。だからこそパニック状態に陥っていたアメリカにいるよりは安全だと考え、帰国したのだ。だがいざ日本に帰国してみると、それは落ち着いているというよりは危機感がない、といった方が正しいようなもの。春休み中なのをいいことに、レストランやカフェ、旅行等、普通に外出を続けている。それに加え三連休に人で賑わっている鎌倉、K1グランプリの強硬開催、そしてお花見の人で溢れかえる公園がニュースで映し出された時は流石に唖然とした。
確かに日本では今のところ爆発的な感染拡大はおきておらず、医療崩壊にも至っていない。じゃあもう危険はさったのか、といえば別にそうではないだろう。むしろ日ごと増している。特に東京都ではオーバーシュートの危機と言われており、だからこそ小池都知事は週末(3/28、3/29)の外出自粛要請を出している。
感染者は毎日増えていて、医療崩壊の危機も迫っている。NYC Healthが公開しているデータをもとに、ニューヨーク州のCOVID-19の日別の感染者数のグラフを作成してみた。3月28日、東京では感染者が60人を超えた。もしこのままニューヨーク州と同じ感染拡大が続くと2週間後には新規の感染者が3,500超えることに。
医療崩壊が起これば新型コロナウイルスの致命率は一気に1%程度から10%近くまで跳ね上がるほか、救急車の受け入れ先を探すのが困難になったりと、大変な事態になる。
SNSの(日本の友達の)投稿は今日もレストランやカフェの写真でいっぱいだ。
なんで?
なんでアメリカとその他各国の人が家で謹慎中の中、日本の人達は平然と宴会をしているの?
なんでこんなに世界と日本で乖離があるの?
私がおかしいのか。
私が気にしすぎなのか。
いや、そんなことはない。ニュースを見れば、日本もかなり危ない状況であることは分かる。
じゃあなぜ?
確かに完全に外出を自粛するのは無理だろう。仕事、学校がある人は外へ出なきゃいけないし、家にずっと籠っているのはつらい。
だが、今外出している人はそこまで考えた上での外出なのか。恐らく自己満足のための外出だって多いはず。カラオケ、大規模イベント、宴会は本当に避けられない外出なのか。
必要な外出だとしても密閉、密集、密接を避けるぐらいの努力は最低限するべきだ。
それらの努力をせずに、そして別に大した用でもないのに、危機感をもたず、外をほっつき歩いている人は、もう一度自分の行動の影響を考えてほしい。
中には無症状の人もいるから、どこで濃厚接触しているかなんて分からない。
もしかしたら今日ご飯を食べる約束をした友人かもしれないし、電車の中で右隣にたっていた人かもしれない。
そしてあなた自身感染者となる。
無自覚のまま。
あなたが外を歩き回ったせいで、他の人に感染が拡大。
高齢者や持病を持つ人も含まれる。
あなたが外を歩き回ったせいで、感染者が急増。
医療崩壊。
あなたが外を歩き回ったせいで。
人が死ぬ。