ブロックチェーンゲームはこれまでのゲームと何が違うのか

ブロックチェーンゲームの可能性について自分なりに整理してみた。

ブロックチェーンゲームいわゆるdApssゲーム・アプリについて、その可能性を説くと必ず「それはこれまでのゲームと何が違うのか?」「現状ブラウザー向けにWebで提供されることが多く、ネイティブアプリと比較してエンドユーザー向け訴求ポイントがどこにあるのかよくわからない」「そこには広大な領土が存在するのか」という声が大きい。

これは、一昔前、スマートフォン向けにゲームやコンテンツを提供し始めたときに、ブラウザーゲーム全盛の時代に「なぜ高いコストをかけてネイティブアプリを提供しなければならないかよくわからない」「ガチャ型のゲームにおいてはネイティブアプリ提供する必然性がまったくない」と言われていたときとよく似ている。2010年〜2012年のパズドラが登場する前によく言われた話である。

当時のネイティブゲームアプリの場合、画面がリッチ化して音・画面・挙動含めたインタラクティブな体験の提供が実現された。

アプリストアのユーザー集客による実質インストールコストがブラウザー単体で行うよりも容易となった(ネイティブアプリの場合インストールのハードルはあるにしてもインストールさえさせれば不正は防ぎやすいし余計な登録作業は必要ない)。

アプリの触り心地や気持ちいい動き方といったもののコンテンツ提供社の経験値がパズドラの提供が開始された2012年ぐらいを境に大きく進化したことが大きかったように思う。

まとめると、

  1. ガラケーからスマホへのユーザー流入構造が逆転し(iphone4をKDDI取扱い開始2012年秋以降スマホ優位が決定的)、アプリストアからの流入が急増した(スマホos内におけるアプリストアの影響力、アプリストア+TVCMなどの成功パターンが樹立)
  2. 先行していたスマートフォン向けウェブゲームでの競争激化(GREE モバゲー)を避けたプレイヤーが、新天地でのスマホならではのリッチコンテンツを確立した(リズム感や触り心地)

という感じかな。

とはいえ、googleやappleがスマホ黎明期からせっせとアプリストアを整備し(googleがandroid MarketからGoogleplayに方針展開して以降)、スマホユーザー向けにもともと広大で肥沃な領土を用意していた部分が最も大きかったように思う。

それでは次にブロックチェーンゲーム・アプリの場合はどうなのかを考えてみよう。

gumiの国光さんのインタビューが一番この問いかけに際して親しいところなのではと思う。彼の言う2つの要素を突き詰めた「ブロックチェーンならではのコンテンツの成功パターンを誰が作るか」という話は、過去にはソーシャルゲームらにおける成功パターン(ガチャ+カードバトル)、スマホアプリのパターンを考えれば想像しやすそう。

僕がブロックチェーンじゃなければできないことで見ているものが大きく分けて二つあり、一つ目は「トラストレスで自律的でDecentralized(非中央集権)」なネットワークです。

途中省略

もう一つブロックチェーンじゃなければできないこと、面白い特徴だなと考えているのが、「デジタルデータがコピーできないからユニーク、つまり唯一性を持ち、かつトレーダブルなものになったことから資産性を持った」という点です。

これまでオンラインゲームにおいて、ゲーム提供者とユーザーとの関係は、あくまで提供者が「国」「神」みたいなもので、その上で何をするのかはすべて提供者が作る「世界観」に影響を受けていた。MMORPGにおいて「神」にとって些細なことのみがユーザー同士で繰り広げられる程度であった。

それがブロックチェーンゲーム時代になると、ゲームの様々なアイテムやアセット(達成したステータス含む)自体が、ブロックチェーン上で流通するから、中央にあるゲーム提供者が介在しなくても(自律的に動くのだから必要ない)、ユーザー同士が勝手にやりとりを始めることができる、その「やりとり」自体に可能性があるということが言いたいのではないかなあと思っている。

これは突き詰めて考えると、ゲーム自体の面白さの寿命(LTV)において、提供者の重要度が下がり、ユーザー同士が勝手に二次流通を始めたり、サードパティのりアプリケーションが登場したり(いわゆる二次創作的なものに近い)コンテンツの寿命が伸びることが究極的にはもたらされるということが、ゲーム提供者にとっても、参加プレイヤーにとっても双方の価値なのかなあと思う。

ゲームとゲームをつなぐためのゲームが登場したり、ゲームをするためのゲームが無数に登場したり、そうしたゲーム同士をつないだりするゲームが登場していくような世界の中なのかなあ、と。

ユーザーに対して提供する「唯一無二の価値」があれば、換金性も高まる。換金性が高いのが最初にきているわけではないというのがポイントなのではと思う。(とはいえ「ゲームで稼ぐ」はわかりやすい!)

その他、ゲームIPそれ自体の中で参加するユーザーの存在自体がそれぞれ固有の価値を持ち(ブロックチェーンゲームに参加する全ユーザーの存在がvtuber的な世界)、「唯一無二の価値」だから価値が時間の重みと共に複利的に変化するという部分も興味深い。そういう性質を生かしたゲーム(時空間を超えるようなゲーム?)がそのうち生み出されることだろう

しかしながら、上記のことよりもまず、Dappsにおいてこの肥沃な領土(膨大なユーザーの流入導線)が決定的にかけているというところが、UXの問題よりも何よりも問題なのである。

私はそれを担うのがブラウザー搭載型ウォレットなのではと強く思っている。(端末バンドルさせて配りまくる、AirDropをもっと進化させる、ゲーム会社と組んでどんどんインストールにお金出すとかこれまでの経験値を生かした無数のアイディアがあるんだけど)

そしてこういうキチガイみたいなことを大手がやらない、というのがかつてのガラケーコンテンツビジネスにおける勝手サイトの世界に酷似しているというのが何とも興味深い。

モバゲータウンが2006年に登場したとき、一般のユーザーは、imodeのブラウザーでわざわざURL入力してモバゲータウンのサイトに行く必要があった。当時はまだimenuトップは検索BOXが存在しない時代。同じSNSであるmixiはimenu公式サイトだったにもかかわらず勝手サイトだったモバゲータウンに人は殺到した。(公式メニューでDowango.jpは月額課金者数が300万人いた時代である)

そこでモバゲータウンの誘引を助けた初期のユーザーは、ほぼ招待招待インセンティブの仕組み、

そしてそれを活用してポイントを獲得しようとした一般ケータイユーザーの招待URL宣伝の各種スパム的行為

だった。間近で見ていたからよくわかるのだが、

ここに湯水のようにインセンティブ原資としてのお金を投下していたのがモバイル業界においては異色のエリート集団、マッキンゼー出身&東大出身者連合であるDeNAだった。

彼らは、アバターコンテンツの収益性を生かして湯水のようにお金を使い、ユーザー規模が200万人規模を超えたタイミングでその後TVCMを展開しキャズムを突破したのは懐かしい。

このキャズムがブロックチェーンゲームにおいて、いったいどれぐらいの数値のタイミングになるのだろうか。そうした時代が来ることを信じて事業モデルを組み立てたい。

今日ブロックチェーンにおけるウォレット事業は収益モデルがないと、切り捨てる識者も多いが、ユーザーを集めることさえできれば、それを生かして収益モデルは必ず考えられる。そんなことよりもユーザーを継続的に集められる仕組み(極端に言えばスパム的な仕組み)を考え抜くこと、それがなによりも近道である。

それには、まずはdApssプレイヤーの方々と共存共栄のトラフィックネットワークを構築していくことなのかなあ、今はなんとなくそう思っている。

decentralizedな世界であることは尊重したいが、ユーザーの集客構造を効率的に提供するたに、ある種中央集権的な仕組みを活用し、計画的に市場を作る、みたいなところは多少はあっても良いような気がする。それともそういう仕組も、decentralizedに徹底的にこだわった新しい何かを生み出せるのか。

ぶっちゃけウォレットビジネスは、秘密鍵の安全性にこだわる話よりもそちらが事業化の結果に大きく影響しそうだ。技術力からマーケティング構想力の部分に焦点が移ってきそうである。

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