Google Analytics for Firebase でカスタムパラメータを使おう

Rnrn
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Published in
Jun 15, 2021

こんにちは、Google Cloud Support の Rnrn です。今回は時々お問い合わせを頂くGoogle Analytics for Firebase (以降 GA4F) でカスタムパラメータを使って分析を行う方法をご紹介します。

概要

GA4F を使うと様々なイベントが発生した時にログに記録を残して後々分析に使うことができますが、その際に規定のパラメータ以外にも独自のパラメータを設定してイベント分析に活用することができます。

custom_param の集計結果が表示されている Events ページ

実は、このように結果をイベント分析ページに表示するには LogEvent メソッドに好きなパラメータを追加するだけでは不十分です。そこで、この記事ではカスタムパラメータの実装からレポートでの確認までに必要な手順と上手く行かないときの確認ポイントをまとめて紹介します。

コードの準備

最初は直感的にわかりやすい操作です。LogEvent メソッドを使ってイベントをロギングするときにカスタムパラメータを設定します。以下のサンプルは Androind アプリのコードで、ItemId などの規定パラメータの他にカスタムパラメータ custom_param を設定してイベントを記録します。

Bundle bundle = new Bundle();
bundle.putString(FirebaseAnalytics.Param.ITEM_ID, "item_id");
bundle.putString(FirebaseAnalytics.Param.ITEM_NAME, "name"); bundle.putString(FirebaseAnalytics.Param.CONTENT_TYPE, "image");
bundle.putString("custom_param", "custom_param_select_content");
mFirebaseAnalytics.logEvent(FirebaseAnalytics.Event.SELECT_CONTENT, bundle);

GA4F の準備

ここで準備したコードをデプロイし、select_content イベントを発生させ、翌日 Firebase コンソールの Events ページから select_content をレポートを表示するとイベントの発生を確認できますが、まだこの段階ではレポート画面にカスタムパラメータは表示されていないはずです。

最初に見た画像のように Events ページにカスタムパラメータを反映させるには、カスタムパラメータをカスタムディメンションと紐付ける必要があります。Firebase コンソールのカスタム定義のページから、以下のような設定で新しくカスタムディメンションを作成してみます。

作成後のカスタムディメンションの設定

作成できたら、新たにイベントを発生させて反映を待ちます。カスタムパラメータベースのレポートは過去に遡ることはしないので、ここまでのすべての準備が完了した後に記録されたイベントだけが集計結果に反映されます。ということでイベントの反映を待って翌日確認すると、以下のように custom_param のセクションが表示されているはずです。無事カスタムパラメータの集計結果が確認できましたね🎉

custom_param の集計結果が表示されている Events ページ

上手く行かないとき

最後に上手く行かないときに確認すると良いことをご紹介します。

1 つ目は十分待つことです。Google Analytics にデータが送信されてからレポートに反映されるまでは通常少し時間がかかります。ひとまず全ての準備が終わってイベントを送信してから 24 ~ 48 時間ほど待ってみることをおすすめします。

2 つ目は上限の確認です。カスタム定義には例えばイベントスコープのカスタムディメンションは最大 50 個までしか作成できないなどの上限があります。こうした制限にひっかかっているかどうかはカスタム定義のページ右上の「割り当て情報」のボタンを押すことで確認ができます。もしも上限いっぱいにディメンションが作成されている場合は既存のディメンションをアーカイブすることで新しいディメンションが作成できるようになります。

3 つ目はイベントがカスタムパラメータ付きでロギングされているかの確認です。この確認には Debug View を使うことが有効です。デバッグモードにすることで、ほぼリアルタイムで実際にイベントがどのようなパラメータを伴ってロギングされているのか確認することができます。(デバッグモードのデータは通常のアナリティクスレポートには含まれません)

DebugView でのカスタムパラメータの確認方法

もしこの 3 つを確認してもまだ上手く行かないときにはサポートの出番かもしれません。サポートに問い合わせる際のコツとして、自分で確認した内容と DebugView のスクリーンショットを添えると調査がスムーズになります 🕵

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Technical Solutions Engineer for Cloud Support