Firebase update summary 2021
この記事は Google Cloud Japan Advent Calendar 2021 の 4日目の記事です。2021 年の Firebase のアップデートの中から個人的に気になったアップデートを紹介して行こうと思います。昨年の内容が知りたい場合は、ぜひ Firebase update summary 2020 もご覧ください。
それではいってみましょう!
開発関連のアップデート
App Check (Beta)
Google I/O で 新しいセキュリティー サービスとして App Check が発表されました。簡単なステップを踏むだけで、意図しないアクセスや悪意のあるアクセスからバックエンドを保護することができます。
リクエストは Verified / outdated client / unknown origin / invalid に分類され、App Check の保護を有効にしたサービスは Verified のリクエストのみを受け入れるようになります。
- Verified : 有効な App Check Token をもつクライアントからのリクエスト
- Outdated client : App Check が実装される前の古いバージョンの SDK からのリクエスト
- Unknown origin : Firebase SDK ではないクライアントからのリクエスト
- Invalid : 不正やクライアントや無効な App Check Token を持ったリクエスト
Web / iOS / Android それぞれ本当に簡単に実装でき、効果も非常に高いのでぜひお試しください。
Firebase Extensions に多数の機能が追加されました
Firebase Extensions は2019 年に数クリックで簡単に機能を追加できるサービスとして公開されました。今年はさまざまな企業のパートナーシップの追加により、Firebase だけでは難しかったユースケースにも対応してきました。例えば Stripe による支払い機能や、Algolia 連携による全文検索、MessageBird と連携したメッセージ配信なども追加されています。EC 向けに特化した機能なんてのもあったりします。
自分で実装するまえにまずは Extensions を探すと、実装がより早くなるかもしれません。今後もどんどん追加されそうなので、楽しみなサービスです。
ゲーム開発 や Apple TV など、対応プラットフォームの拡張
- Firestore の Unity & C++ サポート
- Firebase SDK の tvOS と macOS のサポート (Beta)
- Crashlytics の Unity & NDK のサポート
品質向上関連のアップデート
Crashlytics のレポートの改善
- ANR エラーを報告する機能が追加されました。
- クラッシュのトラブルシューティングのために3つのシグナルが追加されました。 Early Crash (アプリ起動直後に発生するクラッシュ) / Fresh Issues (過去7日間にあたらしく発生したクラッシュ) / Repetitive Issues (繰り返し発生しているクラッシュ)
特にANR (Application Not Responding )は、Android 上の意図しないアプリケーション終了のほぼ50% をしめており、クラッシュよりも品質に悪影響を与える可能性があります。今回の ANR 対応で、影響を受けるスレッドに関する情報を表示できるようになったため、ANRの原因特定が可能になります。
シグナルについては すでにCrashlyticsダッシュボードに表示されていますのでぜひチェックしてみただくさい。
Performance Monitoring の大幅な改善
スピードとパフォーマンスはユーザー体験に大きな影響をあたえることは有名ですが、Performance Monitoring を利用することで簡単にアプリのパフォーマンスに関する情報を収集、可視化してくれます。サーバー側でやる性能テストとは異なり、実際のユーザーが体験しているパフォーマンスをモニタリングできるところが特徴になります。今年はこのサービスに大きな改善が加わり、アプリの状況を把握しやすくなりました。
- データをリアルタイムに表示することが可能になりました
- ダッシュボードをカスタマイズすることができるようになりました
- パフォーマンス アラートが追加されました
データをリアルタイムに表示することが可能になったため、アプリローンチ直後にダッシュボードをウォッチすることで予想外の事態が起きていないかを確認することができるようになりました。また、パフォーマンス アラートを設定すると、ユーザー視点でのパフォーマンスの低下をすぐに検知できるため、すぐに問題の調査、対応が可能になります。簡単に設定できますのでぜひやってみてください。
分析関連のアップデート
Remote Config Personalization β
全体のユーザーに最適な設定を見つけるような A/B テストと異なり、Personalization では 目標を設定した上で、機械学習により各ユーザーに最適なパラメーターを動的に選択します。
現在は3つの目標の設定が可能になっています。
- ユーザーエンゲージメント時間
- 広告のクリック
- 独自指標 (アナリティクスのイベントに基づいたカスタムメトリクス)
まとめ
いかがだったでしょうか。個人的には Firebase Extensions がお気に入りで、便利すぎていろんな Extension を試しちゃいました。今回はあまり紹介しませんでしたが、コチラ にも実験的な Extension がたくさんあります。
他にも簡単に設定ができて、効果も高いような機能が盛りだくさんなので、気になるものがあったらサクっと試してみると面白いと思います。
The Firebase Blog にはこれ以外にもFirebase の最新情報が公開されています。もし興味がでてきたかたはそちらもチェックしてみてください!