やっぱり、経営者はいちばんのPRパーソンであって欲しい〜伴走型でPR広報を支援しているモノとして悔しくも嬉しかった話〜

広報PRを広げていこう。

Kayo Matsubara
Hamonia
8 min readFeb 27, 2019

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経営に広報PRの概念をインストールしていきたい。

独立したときに、PR代行じゃなく、組織に根付かせることを事業にしようと決めました。つまり、根付いたり、ちゃんと伝わったら、私自身は不要になるわけです。それが組織にとっても、私にとってもハッピーと考えていました。

そうは思っていたのだけど、いざ直面すると、なかなか悔しさとうれしさが入り交じったという出来事がありました。正直に吐露しようかなと。

プロダクトが世の中に発売になる前から3年ほどご一緒している企業がありまして。Kickstarter(クラウドファンディング)で資金調達を開始するタイミングからのおつきあいです。米国ボストンで創業した日本人男性による、エネルギー関連のスタートアップ。

インターネットとセンサー技術を用いた、家庭の電力の需給調整により、現代の電力問題に貢献しようとしているオリジナリティのある思想にひかれて、そして創業者の人間味がなんとなく気に入ってはじめた仕事です。

クラウドファンディングで100%達成をして、そのあとMakuakeでも達成、そして製品開発へと舵を切り、1年以上の紆余曲折を経て製品リリース。間にはセンサーの初期不良による返品対応などもあって、ものづくりの大変さを一緒に味合わせてもらいました。

わりと専門性の高い話になるので、かいつまんで話すと、最初のプロダクトは、家庭のリビングにある、エアコン、テレビなど赤外線リモコンで動く家電製品であれば何でも、屋外から操作が可能になる、スマートリモコン&デバイスです。

エアコン消し忘れた!という事によるムダな電力消費を抑えたり、家族が全員家庭から10メートル離れたらエアコンをオフにする(スマホを個々が持っていることが条件になります)、といったルール設定も可能となり、電力のコントロールができます。

また、GoogleHomeなどと連携すれば「OK!Google!エアコンつけて!」のひと言でエアコンがつく、なんでも音声コントロールが可能になる、近未来感あるリビングがつくれるデバイスでもあります。

この近未来感も手伝って、ここ1年ぐらい、ちょっと新しいもの好きなご家庭で使っていただける機会も増えていまして、この手の商品としてはわりと売れています!(GoogleHomeとセットがおすすめですw)。

前段はさておき、本題に。

ひっぱりましたが、ここまで紹介した商品はNature Remo。こちら。

3年経って、第2シーズン開幕!という大事なリリースがやってきた!

基本、会社の広報のひと、いない場合には経営者自らPRやって欲しいスタンスなので、私は求められない限りは特に実務は動きません(笑)。

今回、このNature Remo、次世代といいますか、会社としては一大事の新プロダクトをリリースすることになりました。

https://nature.global/nature-remo-e

いままでは、使用電力(家電の)を外からコントロールできて省エネできるよ、という事がウリのプロダクトだったわけですが、このスタートアップのビジョンは「インターネットとセンサー技術を活用し、分散型で再生可能な電源を普及させ、エネルギーを自給自足出来る未来を創造」すること。

つまり省エネは第一歩。あくまでも分散と再生で効率のよいエネルギー消費により、私たち、家庭のエネルギー消費に新しい価値をもたらすことです。自給自足という。

ちょっと専門的になりすぎる事業領域なので詳細は割愛(PR的にはわりと難しいんですw)。

新プロダクトは、省エネに加えて、自分たちが家庭で消費している電力の可視化、さらには電力を生み出せる家庭の蓄電の可視化をおこなうというものになります。

(ここからちょっと宣伝タイム)

皆さん知っていました?自分の家で、いまどれだけ電力を使っているかをリアルタイムで見られる状況になっているっていうことを。でもそれを見られるアプリや環境はあまりありません。

このNatute の新デバイス&アプリを使えばそれがわかります!(ついでに家電コントロール機能は前述の第1フェーズで組み込まれているので風呂のお湯を沸かす電気が足りないと出先で気づけば、エアコンをオフにすればいいわけです) ※お風呂やIH系はその機器が対応していなければなりません

さらに、蓄電池や太陽光発電を家庭にもっていれば、その蓄電量もわかる優れものだったりします。

(ここまで)

と、こんな商品をリリースするから、という話がリリースの前週末に代表本人から来たわけです。

もっと早く言えよ!よりも、スゴイという第一声。

リリースまで1週間もないときに、これリリースしたいから記事にしたいんだ、というお題いただくと、まあPR広報としては、「おい、もっと早く言えよ!」と思いますよね(笑)。えーこのタイミング!!と私も思いました。正直。

でも、できていたリリースが、まあ商品情報がコンパクトにまとまっておりました(一般の人には分からないかも?という要素はあったけど、そもそもToB業界向け発信ということで)。

思わず、誰かに頼んだ?と聞きました(笑)。自分がつくったと代表の解。

そして、代表自ら、その時点でしっかりと関係のある記者の皆さま、これまでに繋げた、応援してくださった記者の皆さまにコンタクトを済ませていました。

そこまで経営者自ら、プロダクト開発、関係者との調整、社内コントロールをしながらPRもおこなっていた。そこで最後にもうちょっとと思って連絡してくれた感じです(忘れられていたという事実はあるかもしれないけど・・・考えないようにしようw)。

概要を把握して、このメディアに興味持ってもらいたいよね、みたいな会話をして、私からもあたりますーという話をしたわけです。

そしてリリース2日前。結果、私は「いまいち魅力を伝えられなかったかも、力になれずごめん」という回答になりまして。すると彼が「関係のあった(そのメディアの)記者さんと話して、取り上げていただけることになりました!」と。

これ、広報形無しな状況ですよね。いや笑えないw なんとも言えない悔しい気持ちもありつつも、かたや非常に嬉しくもあったんです。この経営者、すごいな、と思った瞬間でした。

PRの大切さや、中長期的なコミュニケーションによって社会と関係性を気づいてメッセージを発信する、というまだ全方位ではないにしても、少なくともメディアやユーザーとの共に歩いて行くというスタイルをちゃんと自分のものにしていた。

これからプロダクトがもっと普及して話題になって、多くの人が関わるようになったら、経営者には他にも多くの仕事があるから、広報PRは委譲すると思います(広報PRに限らずですが)。でも、きっと誰かに広報PRを任せるとき、その採用や指導や、その会社のDNAやブランドを反映した広報をつくることがこの人はできるんだろうなぁと思った出来事でした。この会社の広報になる人は、楽しめるんじゃないかなって。PRの大切さをわかっていてそこに投資する覚悟もある経営者だから。

ちなみにマーケPRも絶賛募集中とのことです!

広報支援という仕事は、やはり、その会社やサービスの広報が目的やゴールになってはいけない(プレイヤーでいると結果出したくなるんですがw)、広報が組織に根付くことこそ、意義あることなのではなんだよな、と改めて想い、わかっていたはずだけど悔しく感じたジレンマのある自分もいたり、でも間違っていない気がすると実感した思いで深い日となりました。

今日そのNature Remo E のリリースがされています。発売は秋。興味が湧いた人はぜひ、チェックしてみてください。

https://nature.global/nature-remo-e

そして、さっそくメディアで取り上げられています(いっさい私は関わっておりません!)

日経産業新聞

ASCII.

impress Watch

家電ウォッチ

私自身、いま自分の会社と、カヤックLivingの経営者を兼任していて、後者のほうは「広報業」ではなく経営者であり事業家です。ただ、『経営者たるものいちばんのPRパーソンであって欲しい』という思いがあって、私自身の名刺にはこのように入っています。

広報PRがもっと、経営とリンクしていきますように。

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Kayo Matsubara
Hamonia

(株)ハモニア代表取締役 兼 (株)カヤックLiving代表取締役。広報、Webメディア編集、ライティング、Web事業開発が主戦場。コンサル→編集→面白法人カヤック→独立 そして 縁あってカヤックLiving(現在地) http://www.hamonia.jp/