保護者有志によるオンライン勉強会の取り組み( 新小1)
Moi!Junonです.
前回の記事「フィンランドの新型コロナ対策」で取り上げたとおり,フィンランドでは3/16に非常事態宣言が発令され,その2日後の3/18から学校やプレスクールが閉鎖されることになりました.
当初,「学校閉鎖=休校」と思っていた私ですが,実際は対面式の授業でなく遠隔授業を行う,という判断だったようで,毎朝,長男の担任の先生から送られてくる,工夫が凝らされた課題に,フィンランド教育の底力を見た思いでした.
一方で,長男と次男が毎週土曜日に通っていたヘルシンキ日本語補習学校では,政府の発令より一足早い3/7より休校となり,その後,3/30には「1学期は休校」との判断になりました.
日本語で話せるお友達との交流を毎週楽しみにしていた我が家としては,3月末で帰国するお友達と直接お別れの挨拶ができなかったことが残念でしたし,我が家自体,7月下旬には帰国予定のため,このままお友達と会えずに帰国するのが本当に残念でした.
そんな中,「1学期は休校」というアナウンスのあった翌日の3/31に,次男(新小1)と同学年の保護者の方から,メーリングリストに「本来なら新1年生として新しいことをたくさん学ぶ時期なのに,お友達と一緒に学べないのはとても残念なので,有志でリモートの集まりを開きませんか?」というメールが投稿されました.
なんて素晴らしい提案なんでしょう!!
その提案に賛同した有志11名で,4/4(土)からリモート勉強会を開催することになりました.まだ開催開始して1ヶ月も経っていませんが,休校が続く日本の小学校の先生/保護者にとっても,参考になる内容かと思いましたので,記録として残しておきます.
1.オンラインのツール
第1回目の4/4(土)はGoogle Meetを使いました.Google Meetを使ったのは「補習学校の会議で使われており,操作が簡単だったから」という理由でした.
しかし実際に使ってみると,11人のお友達の顔をいっぺんに見ることが出来ず,お友達の画面がコロコロ切り替わるため,一定人数以上の勉強会には適さないことが分かりました.
そのため,「全員の顔がいっぺんに見えるZoomを使ってはどうか?」と提案し,翌週の4/11(土)に操作方法や勉強会の進め方について,保護者で話し合いの時間を持ち,4/18(土)より,Zoomを使用して勉強会を行いました.
2.Zoomを利用した勉強会の実際
毎週土曜日10時からの40~50分間ほどです.
Zoomの有償アカウントを持っている保護者がいてそれを利用しているため,1回40分という時間制限はないのですが,新小学1年生の集中力を考えると,40分程度が限界だと思います.
授業の進行は,先生役をして下さる方が,まず出席を取り,子ども達は名前を呼ばれたら,元気よくお返事をします.第3回目からは,当番の子どもが「これから勉強会を始めます」といった挨拶もするようになりました.
挨拶・点呼の後は,教科書の音読を行い,ひらがななど字を書く時間,お友達に発表する時間を取っています.
授業の進行は光村図書のホームページにある,年間指導計画を参考にできます.
第2回目の4/18には,音読・教科書の書き取り・お友達の好きなことを聞いて発表する
第3回目の4/25には,音読・物語の内容の確認・「かきくけこ」から始まる単語を家の中や本の中から探し出して書いて発表する・早口言葉を練習する
といった内容を行いました.
最後は当番が「今日の勉強会は終わります」と挨拶し,次回までの宿題(主に音読)が出されます.
これらの内容は,先生役をして下さる方が大枠を考えて下さり,他の保護者もアイディアを出していく形になっています.
3.小さく始めてみることのススメ
フィンランドはICT先進国ではありますが,保護者が皆,ICTに長けているわけではありません.それでも,「とりあえず始めてみる」「始めてみて,うまくいかなければ他の方法を試してみる」「試行錯誤を繰り返しながら改善させていく」という前向きな姿勢は,本当に素晴らしいと思います.
また,大人がそういう姿勢を見せることは,子どもにも良い影響があるに違いないと感じています.
実際に始めてみたことで,ヘルシンキ日本語補習学校の先生からも「一度,オンライン勉強会を見学してみたい」というお話があり,今後,他の学年でも導入される可能性が出てきました.(Zoomにはレコーディング機能もあるため,勉強会の様子をレコーディングして,先生や役員に見ていただく案も出ています)
こういう非常事態では,「最初から完璧に」「以前と同じように」というのは無理です.何が自分たち/子ども達にとって大切なのか?の優先順位を見極めて,優先順位の高いことから始めること,自分たちが今の状況でも利用できるツール(たとえば保護者のスマートフォンなど)を使って,創意工夫を凝らしてみること.その「試行錯誤の過程」自体が,大きな学び/喜びにつながると考えます.