学校再開にあたっての工夫

Junon
Happy Mom, Happy Family
8 min readMay 16, 2020

フィンランドでは,5/14より学校やプレスクールが再開されました!

子供たちは久しぶりにお友達に会えて,本当に嬉しそうです.

再開の根拠としては「国内外の疫学的な評価により,子どもが感染源となっている可能性は低いことが分かってきた.そのため,学校閉鎖する法的な根拠がもはやなくなった」とのこと.

しかし,学校再開=コロナ感染は心配しなくて良い,と言うわけではなく,感染拡大予防のために色々な工夫がなされています.日本で学校再開となった場合の参考になるかも?とのことで,子供たちの小学校・プレスクールの対応をまとめておきます.

Valkovuokkoというフィンランドの母の日の花.

1.再開発表前

☆4/24(再開20日前)に子供向けの政府のコロナ会見がありました.

首相,教育大臣,文化情報大臣がコロナウィルスの現状と,なぜ隔離が必要なのかなど,インターネットを通じて集った子供達からの質問に丁寧に答えてくれました.英語の記事はこちら

子供向け会見のサイト When will you get to school? Yle’s special broadcast and government info on the coronavirus for children on Friday

☆4/27~ヘルシンキ市では希望者に給食orランチの配給が始まりました.(もっと前から昼食提供を行っている自治体もあったようです)

学校と家庭の連絡ツールに利用されているWilmaというWebツールを通して,「毎日の給食」・「週2回の配給ランチ」・「昼食は不要」のWeb調査が来ました.

Webによる昼食申し込み(この写真は5/6からの分)

我が家は「クラスのお友達に会えるかも?」ということで,「毎日の給食」を選びましたが,実際に給食を食べに来ていたのは他学年も合わせて,10名程度だったようです.毎日11時に学校に行くと,温かい給食が出され,距離を空けて食べていたようです.

2.学校再開の発表~学校再開まで

☆4/30(再開14日前)に政府より「5/14~学校再開するので,各学校は,安全対策を十分に行うように」との発表がありました.

首相と教育大臣の会見

安全対策の例としては,大人数で集まらないようにする,授業時間をずらす,手洗いの徹底,スペースを広く使う,不必要な身体接触は避ける,学校スタッフは他の学校間を行き来しない,給食は食堂で大勢で食べるのでなく自分たちのクラスで食べる,春のパーティーのようなイベントはしない等.また,リスクのある子供の通学に関しては,医師の判断を仰ぐようにとのことでした.

☆5/4(再開10日前)には COVID-19流行時の教育およびケアへの指針も発表されました.前述した例と一部かぶりますが,概要は以下のとおり.

・風邪症状があるときは通学してはいけません.

・自身や家族に持病があるなどのリスク群は,医師に相談し,通学が可能か否か評価してもらいましょう.

・不必要な身体接触は避けましょう.

・手洗いと咳エチケットを守りましょう(マスクの使用は推奨しません).

・清掃・消毒をこまめに行いましょう.

・COVID-19と診断された生徒が出たら,14日は検疫が必要です.診断された生徒は症状発症から少なくとも7日間は休み,症状がなくなって2日間は休みましょう.

☆5/8(再開6日前)には学校からWilmaを通して,注意事項のメールが届きました.

・学年ごとに使用する教室を分けること(スペースを広く使う).

・学年ごとに始業時間と終了時間を分けること(分散登校).

・昼食は食堂,体育館,教室で分かれて少人数で食べること.

・低学年の朝の学童保育はなし(今までは10時から開始の曜日もあったが,今は毎日8:15もしくは8:30からスタートとなるため)

・特別な移送が必要な生徒は通常スケジュールで.

☆5/10(再開4日前)にWilmaを通して,Distance learningに関するアンケート依頼.

Webアンケートの一部.フィードバックシステムがしっかりしてる.

☆5/12(再開2日前)17~19時には学校でMeetを使用したオンラインの保護者説明会が開催.

フィンランド語による説明だと思われたため,私達は参加しませんでしたが,最初の1時間が学校全体の説明,後半1時間はクラスごとの説明だったようです.

☆5/12(再開2日前)には担任からも,保護者説明会の概要説明と,何か不安なことがあれば何でも連絡をください,という旨のメッセージがありました.

4.いざ学校再開!

☆長男(小3)の小学校では・・・

・一番大きな変化としては,1教室に14名までに制限する,とのこと.そのため,20名程度のクラスを,2つのグループに分けて別々の教室で授業.実際には,2つの教室をZoomでつないで担任の先生が授業を行ってくれたそう.学位を持つ補助スタッフも各クラスを支援.

・長男の学年は毎日8:15~12:15で,2限授業+休憩(10:15~11:00)+昼食(11:10~11:30)+1限授業というスケジュール(通常より少し短縮)

・朝は通常の「教室前に集合」ではなく,校庭にある岩の上で8:15に集合.クラスごとに集合場所は違う.そこから各教室に移動する.

・昼食は,一日おきに,温かい給食を食堂や体育館で食べる日と,配給されたランチ(サンドイッチなど)を教室で食べる日がある様子.

・トイレは自分の教室のある階のトイレのみを使用.

・工芸クラスは中止(道具が共用となるため).

・学校のナース・カウンセラーとは電話やオンラインで相談できる.

☆次男(年長)のプレスクールでは・・・

以下のことに気をつけます~との連絡がありました.

・手洗いの徹底

・No hugging — just smiles and hearts♡(ハグでなく笑顔とハートでね♡)

・部屋遊びはクラスごとに分かれて,それぞれの教室で行う(今までは2クラス合同だった).

・トイレの使用もクラスごとで特定のトイレを

・外遊びも少人数でクラスごとに時間をずらす

・廊下に並んで受け取っていた給食は,1人1人部屋に入って配られる

・昼寝にベッドは使わない.「床で両腕を広げて,お友達と手がぶつからないくらい離れてお昼寝するんだよ」と次男が教えてくれました.(様子を想像するだけで可愛い・・・♡)

次男がかいたお昼寝の図(両腕を広げて寝てる図らしい・・・笑)

・You don't need to be scared, let's be smart and safe!(怖れる必要はないですよ.賢く安全に!)

5.学校再開にあたって感じたこと

学校閉鎖の時は発表から2日後,あっという間に閉鎖されちゃいましたが,学校再開の時は,学校再開に対する不安などへの配慮がしっかりしているなーという印象を受けました.

学校閉鎖中も毎日のように担任の先生からWhatsAppメッセージやEメールが届く等,学校と家庭の連絡がとても密であったため,保護者としても放置されている感じはなく,「ちゃんと考えてくれているんだな~」と安心して過ごせた気がします.

学校閉鎖中の昼食にしても,すべて一律に提供する,というわけではなく,アンケートをおこなって「これらの選択肢があるけど,あなたはどうしたい?」と自主性を尊重する姿勢が垣間見られて,すごいなーと思いました.

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以上,気づいたことをおもむくままにまとめてみました.

フィンランドでは5月末で夏休みに突入します.それまであと2週間,お友達との時間を無事に楽しめると良いなぁ~と思います.

Moi moi!(モイモイ!=バイバイ!)

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Junon
Happy Mom, Happy Family

2019年夏に,夫の海外転勤に同伴して家族でフィンランドにやってきた女性医師.男の子2人を子育て中.