0x Community Japan Meetup #2 参加レポート

Takuya Fujita
HashHub
Published in
8 min readJul 11, 2019

こんにちは!HashHub エンジニアの藤田です。今回は5月30日にHashHubで開催された0x Community Japan Meetup #2の参加レポートになります。

0x のremcoさん、0x Japanの中村さんの方から、0xのスケーラビリティをえ解決するstarkDEXとはどういうものなのか、0xが今後どういうロードマップに沿って開発を進めて行くのかという話をしていただき、その後BlockBaseのookimakiさんをゲストに迎えてパネルディスカッションが行われました。

0xとはEthereum上で、分散型取引所(DEX)を作成するために用いられるプロトコル、またそれらのプロジェクトのことを指します。0xのプロトコルを用いることによってそれぞれのプレイヤーはDEXを立ち上げることができます。

まずは、0x Japanの中村さんから、0x Japanの活動、0xの概要や今後のロードマップについて説明していただきました。

当日の中村さんのスライドはこちら

登壇する中村さん

0x Japanは、中村さんとCoffee Timesさんが中心となって0xプロトコルの技術的なノウハウや、0x周りの情報を共有するためのコミュニティであり、2,3ヶ月に一度、今回のような形で活動しています。0xのオフィシャルのdiscordで日本語チャネルもあるのですが、過疎化してしまっているので是非参加して、意見や疑問があればなんでもいいので投げてみてくださいとのことでした。興味のある方はこちらから参加してみてください。

0xとは
0x Japanの紹介の後に、0xの紹介、今後のロードマップについて紹介していただきました。0xとは「ERC20やERC721などのトークンをトラストレスに交換を行うためのプロトコル」であり、「全ての価値がトークン化された未来を作る」ことをミッションとしているプロジェクトのことです。
中村さん曰く、「よく勘違いされるが、0xはDEXを作っているプロジェクトではなく、DEXを成り立たせるためのプロジェクト」とのことでした。

0xのロードマップ
今年に入って0xの公式Mediumより2019年のロードマップに関して4つの記事が出ています。1つ目がZEIP(0x Improvement Proposal)に関してであり、ZEIPとはBitcoinのBIPやEthereumのEIPのように0xをオープンソース的に開発を行い0xの改善案を皆で管理しようというものです。その中で0xの次の大幅なアップデート、v3.0を2019年Q3で行うという発表もなされ、多くのZEIPをこのアップデートに取り入れ、柔軟なマッチングのシステム作り、メタトランザクションの実装などを可能にするという旨が示されました。

2つ目が0x自体のスケーラビリティをどう解決するかという話です。この記事を書いたのが、今回登壇してくださるremcoさんであり、この記事に関しては、中村さんがこのイベントに合わせて翻訳記事を用意してくださりました。詳細は以下より確認することができます。

3つ目と4つ目が、Networkの流動性の問題で、マーケットメーカーに対してインセンティブを与えることによって、流動性を確保しよういう提案であり、トランザクションを発生させる側からプロトコル全体でfeeを取って、それをマーケットメーカーに返す新たなトークン設計がなされたという話でした。

ゼロ知識証明について話をするRemcoさん

0xのスケーラビリティ

Remcoさんからは、主にスケーラビリティを0xがどう解決していくかという話をしていただきました。一般的なスケーラビリティ問題とはどういうところかという基礎的なところから、Layer1, Layer2のスケーラビリティの問題は解決のアプローチが異なるということなどです。

分散型取引所が今後どれほどスケールさせることが可能と思われるか、それにはゼロ知識証明を利用することが必要であり、ゼロ知識証明とはどういうものなのかという順番で話がなされました。

Remcoさんはもともとstarkwareというチームで開発を行なっていたエンジニアであり、starkwareはZKsnarkを開発したBen-Sasson らが立ち上げた会社です。現在、新たにZKstarkという技術を開発しており、それを用いて、0xとstarkwareが現在PoCを共同開発しているものがstarkDEXというスケーラビリティエンジンです。starkDEXにより、スループットは約20倍になり、gasコストの効率が95%改善されるというものです。

0xとはDevcon 4で話をしたところから、starkware一緒にDEXのスケーラビリティの解決を行うことになったとのことでした。

イベント参加者からも、gasコストの効率性に関する質問や、マーケットメーカーがフロントランニングを行うことが可能かどうかなどの質問が飛んでいました。それぞれの問題がトランザクションの秘匿化によって解決する糸口があるのではないかという話がなされていました。

パネルディスカッション
現在日本で0xを用いたNFTマーケット、Bazaaarを運営しているBlockbaseのookimaki氏にゲストとして参加していただき、中村さん、Remcoさんの三人でパネルディスカッションを行いました。

主にookimakiさんからRemcoさんに対し質問をし、それにRemcoさんが答えていくという形でした。

「0x内で他のリレイヤーやマーケットメーカーと差別化をさせるためにはどういう施策が考えられるのか」、「トークンの法規制において、良い成功例のある国とかどこかありますか?」など実際に事業者として0x、トークンを扱っている方ならではの質問が出ていました。

当日は、Ethereum上でDappsを開発しているブロックチェーンエンジニアから、0xの仕組みに興味がある個人投資家の方など、様々な人が会場にいらっしゃっていました。どちらかというとエンジニアの方が多く、0xの今後のロードマップや秘匿化に興味がある方が多い印象でした。

今後、ミドルウェアプロトコル上でdelegateを行う新たなトークン設計も含め、v3.0のアップデートは注目しておくべきでしょう。今後、BlockBaseさんが中心となって0xのハンズオン勉強会など6/26日にHashHubで行う予定となっていますので、興味のある方は是非ご参加ください!一緒にこれからの0xを追って行きましょう!

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