「Blockstack 」次代のDappsプラットフォーム 勉強会 参加レポート

Takuya Fujita
HashHub
Published in
7 min readNov 19, 2018

今回は11月18日にHashHubで開催された「次代のDappsプラットフォーム『Blockstack』 — その可能性を理解する」にて、ゲストにBlockstackのLarry Salibra氏にきていただき、弊社の東と共に登壇していただきました。このレポートでは勉強会の内容や様子について紹介します。

まず弊社の東から、「Blockstackの概要とStackトークンの仕組み」というテーマでBlockstackの歴史や特徴について話をしました。

Blockstackの概要

・ 2014年から始まっているプロジェクトで、Namecoinを発端としている。NamecoinはBitcoinをもとに作成されたトークンであり、ブロックチェーン上にドメイン名、IPアドレスを登録することができる機能を持ったもの。アイデンティティの管理という仕組みから、データを分散的に管理するアプリケーションプラットフォームの方向に変わっていった。

・ハッシュ値のアドレスではなく、ユーザーが管理しやすいアカウントの形をとるアイデンティティシステムを使える。一度Blockstack上に登録してしまえば、Facebookアカウントで別サービスにログインできる仕組みのように、いろんなサービス上で使うことができるようになる。

EthereumのDappsとどう違うのか

・Dappsプラットフォームといっても、スマートコントラクトとも方向性が違い、アプリケーションのデータ保持を分散化させるという考え方のプラットフォーム。あるアカウントから許可をもらったアカウントがAWSなどのクラウド上に置いてあるデータにアクセスすることができるようになる、ユーザー権限を管理できるようになるシステムである。

・Dapps開発者としては、データの保持・管理をする必要がなくなり、法的な責任からも解放され、認証機能等を作る手間もなくなる。

東個人としては、「トークンの設計が面白く、ちゃんと公平にやっている感がある」とのこと。

そのStackTokenの特徴としては、

・StackTokenの機能改善に投票することができる

・開発者にインセンティブをあげる仕組み(アプリケーションレイヤー)。一番評価されているところは月に約50万円ほどもらっているらしい。将来的には、どのアプリケーションがStackTokenの経済圏に貢献してるかも、トークン所有者の投票によって決定する形を考えているとのこと。

・namespace(ドメイン)を購入することに使える

・BitcoinのProof of Burnである。

などがあげられました。

現在だと、Bitcoinのセカンドレイヤーとして機能していますが、独自のトークンを発行していることで、Bitcoinが何かの障害で機能しなくなった場合に、他のブロックチェーンに移行しやすい設計になっているところも特徴として上げられていました。これは後述するThe Virtual Blockchainに繋がります。

後半は、BlockstackのLarry SalibraさんとOmarさんから、「Blockstack Name System: Blockstackの技術アーキテクチャと変遷」というテーマでBlockstack上のアプリケーションの紹介や、技術的にどう成り立っているのかという話をしていただきました。

デモンストレーション

Larryさんと東のBlockstackアカウントを使って、マルチウォレットの管理を行うアプリのデモンストレーションを行いました。Blockstackを使って、Bitcoinを譲渡するような使い方もできます。

Blockstackはグローバルな分散型webコミュニケーションプラットフォームを目指しており、現在私たちが日常的に使っているアプリが、私たちの情報を大量に保持している現状に異を唱えようとしています。 確かに友達との旅行の写真をFacebookが持っているのはおかしい気もする。(Enigmaと思想が似ている気がします。)

私個人としては、Bitcoinに限らず、様々なブロックチェーンのトランザクションに情報を記録し、そこから必要な情報のみを取り出して、仮想的なブロックチェーンを作成し管理しているという考え方が面白いと思いました。ブロックチェーンをさらに分散化させるという考えがいい。

Q&Aセッションでの質問

Q:Blockstackが分散的に管理しているデータは、大量のデータを使ってそれを都度検索しなければアプリケーションを維持させなければならないが、どうさせるつもりか

A:インデックスをして、どこにどのデータがあるのかのサーバーを立てることになる。そこが中央集権的だと思われるかもしれないが、あくまでもデータ自体はユーザが保持している。

Q:Blockstackアカウントに紐付けるBTCアドレスが一つだけとなると、そのトランザクションやアプリの履歴が残り、プライバシーが守られないのでは?

A:今後、そこは暗号化させて他の人に見えないようにするため検討しているところ。

感想

後半英語を聞きすぎて耳から煙が出ていましたが、ブロックチェーンをさらに分散化させるという思想が面白く、また個人的に作っているDappsにも活用できるシステムだったのでとても興味深く聞くことができました。本格的にアプリケーションが動くのが来年以降ということでしたので、今後もBlockstackに注目していきます。

本日のスライドは下記よりご覧いただけます。

HashHubでは、このように他にはない良質なイベントを継続的に実施していく予定ですので、興味がある方はぜひ遊びにいらしてください。

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