創業期のブロックチェーン企業としてやったこと、やっていること

Junya Hirano
Jan 15, 2020 · 9 min read

弊社HashHubは、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペースとして2018年にスタートして、その後2019年に経営体制を変更して、業界全体・コミュニティを推進する機能を維持しながらも、ブロックチェーンを使ってビジネスする企業としての色を強めています。

ブロックチェーンのスタートアップ企業は持続性が難しいと思われることもあるようです。可能性がある技術と知っていても、黎明期と呼ばれる今の段階ではビジネスモデルをどう成立させるか難しいと考えている人も多いようです。

この考えは一定程度間違いないと思います。スタートアップの強みは実装と戦略を同じベクトルに向けられることではありますが、ブロックチェーンにおいてはスタートアップが苦労をする場面も多いです。技術の難しさ、協業の座組作り、ビジネスと開発の一致、そもそもそこに至るまでの調査能力など、いくつかのハードルがあり、これらを越えられないスタートアップも少なくありません。

この記事では、HashHubは経営体制を変更してから1年、これらにどのように向き合ってきたかを10項目に分けて書きたいと思います。

それらは創業期のブロックチェーン企業として実施したことで、現在進行系でやっていることでもあり、これから創業する企業やプロジェクトにとっても役に立つかもしれません。またHashHubは具体的な案件やどのようなビジネスをしているか一般にあまり公開していないですが、どのような姿勢で運営しているかも知ってもらえる機会になればとも思っています。

1. 死なない体制をつくること

まず、死なない会社にすることはとても大事だと思っています。

会社としてはブロックチェーンを長く大きいテーマであると捉えています。その長い期間の中ではマクロ的な不況もあるでしょうし、それ以前に毎日コストもかかりますし、新しい技術領域であるからこその不安定さもあります。

そういった前提のもとで、ステーブルなキャッシュフローを初期からどう作り上げるかは意識して、自分たちの売れるもの、その適切な売り方は何かをよく考えたり、加えて細かいコスト管理もかなり徹底していました。1年くらい回した結果、HashHubは今後数年は死なないだろうキャッシュフローが回っています。

2. 調査を続けること

ブロックチェーンを使ってどういう事例があるのか、その事例の先のビジネスモデルは、トークンモデルは、というような話は世界中で進んでいます。これを十分に調査を続けること、また、調査しやすい環境、情報が入りやすい環境を作り上げています。

僕たちはブロックチェーンのプロフェッショナルであり、それであれば様々な事例に精通しているべきであるし、社内には相当量の知見が溜まっています。結果、その知識量が他社から頼ってもらうきっかけになりえるし、自分たちの事業選定にも役立ちます。

3. 最高のチームを作ること

ブロックチェーンで何かを世に出すには、ビジネスだけでも成立しないですし、エンジニアリングだけでも成立しません。それぞれが一致することが必要条件であり、チームワークが前提条件として必要になります。それを前提としていることから、HashHubはまだ小さいチームですが文化の醸成や、これから入ってくるメンバーにも妥協をしたくないと思っています。別ポストで触れる機会があればいいと思っていますが、所謂経営状況がオープンであったりなどの基本整備から様々な工夫をこれまでもこれからもやっていきます。

会社としては、目指すべき組織像と空きポジションとその優先順位を精査して、人の募集をしています。その精査の上で、このポジションを上期までに採用をしたいという話が社内であったのですが、メンバーの一人から「人数や期限を目標設定するのはやめたいです」という声が上がり、これは正しい指摘であり、正しい指摘をするメンバーが存在する程度にはHashHubは良いチームです。

Airbnbでは最初の従業員を5カ月かけて面接し、雇ったのはたった2人だったというストーリーがあるそうで、少なくとも今の私達はそういった姿勢であるべきだと思うようになりました。

4. 信頼を積み上げること

ブロックチェーンはその性質から協業を前提にするケースが多くあります。ブロックチェーンに限らず、スタートアップと大企業が協業をするような事例はトレンドでもあり、オープンイノベーションという言葉があるらしいですね。

HashHubは長く暗号通貨・ブロックチェーンにコミットメントすることを前提に立てられた企業です。その協業を前提とするような技術領域で信頼を損ねることは最悪なアンチパターンと言えます。縁があり、一緒に仕事をさせてもらうことになった企業様、パートナーとは、何かしらの成果物またはお互いに意味のあるものを作り上げたいと常に思っています。

5. 手数を多くすること

手数を多くすることと、手数を多い会社に自分たちが慣れることも大事だと思っています。

スピードが早い業界なので、会社の方針や行動計画がそれに伴って変化できること、および変化に慣れるチームでいることを大事にしています。

チームもそれに合わせて、このチームなら何でも出来るよねというメンバーを今は集めていますし、一度立てた仮説を躊躇なく捨てる勇気みたいなものも結構意識することが多いです。

6. ポジションの定期確認や、自分たちが持つ経営アセットの棚卸し

自分たちは小さなスタートアップです。それでありながらどうやって防御性の高いビジネスを構築出来るかや、今からできることが何かをよく考えています。それと合わせて今の経営アセットを棚卸しして、大企業と比べて自分たちの強みは何か、および後続のスタートアップが自分たちに追いつくのは難しい点はなにかを整理したりしています。

7. 長く一緒に戦うメンバーを前提にしたインセンティブ設計

既に述べているように、HashHubはブロックチェーンを長く大きいテーマであると捉えています。社内のインセンティブ設計もそれに基づいて、長く一緒に戦うメンバーを前提にしたインセンティブ設計を準備しています。

資金調達をしていないことによる外部株主への割当がないので、その分最も長く時間を過ごすメンバーに将来のリターンを共有したいという基本的な考え方があります。

また全社員にストックオプションではなく、べスティング付きの現物株式付与とストックオプションを使い分ける方針です。

8. 焦燥感と冷静さのバランス

前提として自分は、業界のスピードに対して会社経営全般においてとても焦燥感を持ってますし、その焦燥感は正しいとも思っています。

一方で、最近は、物事は早く進めることはとても難しいし、早く進んでいるように見えることも実際にはゆっくり動いていることもあると考えたり、早く動くことと成熟までかかる時間は別であると認識することがよくあります。焦燥感を全面に出すことも時に必要な気がしますが、それはときにガバナンスの欠如や その他の欠点を浮き彫りにもします。それを前提にしてでも、焦燥感を優先する場合にはそうすれば良いのであって、まだそういう時は来ていない気がしています。いずれにしてもそのようなバランスを大事にしています。

9. 熱量や楽しいと思うものを大事にする

私達の創業のルーツは、Bitcoinやブロックチェーンがとても楽しいものであったから、それが大きいものであることも理解できたからという根源があります。

個人的には、数学者や科学者が良い理論・証明を美しいと表現したり、美術家が良い作品を美しいと表現する感覚と同じように、クリプトの世界で美しいというようなアイデアは存在すると思います。Bitcoinは確実にそれにあたり、より最近のブロックチェーンのプロトコルでもそう感じるものがいくつかあります。そういった感覚や熱量を大事にすること、結果的にそれが自分たちのユニークさになると思っています。

10. ムーンショットを探し続ける

HashHubは今の延長線にある未来で売上が数億円や10数億円の規模の会社になることは確実に出来ますが、今のところ、例えば時価総額一千億円の規模というような世界へは道筋も見えていません。

AmazonではStill Day 1という言葉がよく使われるそうですが、そういう世界への道筋も見えていない今の状況は、Still Day 1どころかStill Day 0である、つまりまだスタートすらしていないと社内でよく話していて、本当にそう思っています。

今の延長線にはそういった時価総額千億円やそれに伴った影響を社会に与えられるプロダクトを生める世界は見えておらず、そういう世界に行くにはブレークスルーが必要だと思っています。ただし、その世界を真剣に探し続けていますし、探しながらその道筋が見えた未来に大きくアクセルを踏めるような土壌も作っている最中です。

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以上です。自分たちがこれからも続けることがほとんどですし、多くの創業期のブロックチェーン企業が通る道のような気もします。

さて、Still Day 0であるHashHubでは、メンバーを募集しています。名実ともに創業期メンバーであり、一緒にこの領域にべットできる仲間を探しています。そもそもあまり何をやっている会社か、何を生業にしている会社か外からは見えにくいですが、候補者にはオープンです。今回の記事やこれまでのブログから少しでも気になった方はお問い合わせ下さい。

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