【第一回 のびのび新卒研修記】クラウドとは?

Winny
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12 min readNov 15, 2018

みなさんこんにちは。HDE で新卒研修中のWinnyです。

新卒研修生という肩書きのもと、3ヶ月かけて社内の全ての部署を回っています。

さて、「のびのび新卒研修記」と題した今回のシリーズでは、HDEのビジネスや各部署の仕事について、新卒研修で学んだことを連載方式で発信して行きます。

特に今回の連載では、普段はIT業界とかかわり合いの少ない学生のみなさんに向けて、HDEでの仕事を紹介出来ればいいな、と考えています。

HDEはIT業界の中でも、BtoBのビジネスを展開しているため、学生のみなさんにはイメージが掴みにくいかと思います。

「HDEがクラウドセキュリティの会社なのは知っているけれど、あまりイメージが持てない。。」
「どんな仕事をしているんだろう?」

この連載では、特にそういった疑問にお答えできる内容となる予定です。
(ざっくりとした説明が中心となるため、ITに詳しい方からはお叱りを頂くかもしれません)

さて、HDEはクラウドセキュリティのサービス・HDE Oneを販売しています。

HDE Oneが提供しているクラウドセキュリティを理解するために、第一回目の今回は、クラウドとは何かを説明していきます。

この連載の後半では、HDEの各部門の仕事についても取り上げる予定ですが、各部門の仕事を理解する為にもクラウドとはなんなのか、HDE Oneとはどんなものなのか、それらを理解しておくと、仕事内容もイメージがつきやすいと思います。

目次

・クラウドの定義
・コンピューター資源とは何か
・保有せずに利用するとは
・クラウドの特徴
・まとめ

クラウドの定義

HDEのビジネスを理解する上で欠かせないのが、クラウドという概念です。みなさんはクラウドという言葉をご存知でしょうか?

まずは、クラウドの定義を確認してみましょう。

クラウドとは、クラウド事業者が提供するコンピューター資源を保有せずに利用する仕組みのことです。

クラウドがわからないのに、クラウド事業者と言われても想像がつかないと思いますが、ひとまず「クラウドをサービスとして提供している会社があるんだ」程度の理解で大丈夫です。

クラウド事業者が提供する「コンピューター資源」を「保有せずに利用する」のがクラウドです。

以下の二つを順番に確認していきましょう。

・コンピューター資源とは何か
・「保有せずに利用する」とは

コンピューター資源とは何か

コンピューター資源とは、ざっくり言うと、コンピューターの構成要素だと思ってください。

コンピューターが処理を実行する際は、このコンピューター資源を使用します。

コンピューター資源は、物理的に触ることができるハードウェアと、無形で触ることのできないソフトウェアに分けることができます。

ハードウェアはコンピューターの物理的な部分です。

ハードウェアには、コンピューターの処理を行うCPUや、データを一時的に記憶する為のメモリ、データを保管しておく為のストレージなどがあります。

みなさんもPCを購入される際に、PCのスペック表を眺めて、CPUやメモリ、ストレージといった言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。

これに対して、ソフトウェアはコンピューター上で動いているプログラムです。

ソフトウェアには、コンピューター全体を管理するオペレーティングシステム(OS)や、オペレーティングシステム上で特定の処理を行うアプリケーションがあります。

有名なオペレーティングシステムには、WindowsやmacOSといったものがありますね。

代表的なアプリケーションには、Microsoft WordやGoogle Chromeなどがあります。他にも、世の中には無数のアプリケーションがあります。

普段、私たちがコンピューターを使用している時、コンピューターはこれらの構成要素を利用して処理を行っています。

この状態を「コンピューター資源を利用している」と言います。

例えばみなさんが、お使いのPCを使って大学のレポートを書いている時も、「コンピューター資源を利用している」状態です。

上記の例の場合は、一つのコンピューター上で処理が完結していますが、複数のコンピューターを接続することで、コンピューター資源をサービスとして利用・共有することができます。

「コンピューター資源をサービスとして利用する」と言われてもイメージが掴みづらいかもしれません。

「サービス」という言葉には、「他者の代わりに、何かを行うこと」という意味があります。

今回の文脈では、「あるコンピューターの代わりに、別のコンピューターがコンピュター資源を使って、処理を実行している」と考えてもらうとイメージしやすいです。

例えば下記の図のように、ストレージをサービスとして提供するコンピューターを一台用意し、他のコンピューターと接続することで、ストレージを複数のコンピューターで利用・共有することができます。

この時、コンピューター資源をサービスとして提供している側を「サーバー」といい、コンピューター資源をサービスとして利用している側を「クライアント」といいます。

さて、私たちがコンピューター資源を利用・共有する用途は、ストレージの利用だけではありません。

ウェブサイトを閲覧する際も、私たちはウェブサーバーのコンピューター資源をサービスとして利用し、他のクライアントと共有しています。

お使いのPCのウェブブラウザでURLにアクセスすると、ウェブサイトが表示されますよね。この仕組みは、実は以下のようになっています。

  1. クライアントがウェブブラウザでURLにアクセスすると、クライアントはURLに対応するウェブサーバーに対して、ウェブサイトを表示するようにリクエストを送ります。
  2. リクエストを受け取ったウェブサーバーは、自らのコンピューター資源を用いてリクエストを処理します。
  3. ウェブサーバーは処理結果のウェブサイトをクライアントに送り返し、クライアント側にウェブサイトが表示されます。

URLが同じであれば、どのクライアントからアクセスしても、やり取りを行うウェブサーバーは同じです。

つまり、私たちがウェブサイトを閲覧している時、私たちはウェブサーバーのコンピューター資源をサービスとして利用し、他のクライアントと共有しているのです。

このように、私たちは日々様々な用途でコンピューター資源を利用・共有しています。

特に、企業がビジネスを行っている裏では、様々な用途で、多数のサーバーのコンピューター資源をサービスとして利用しています。

保有せずに利用するとは

コンピューター資源をサービスとして利用するには、サーバーが必要です。

この時、企業が自社でサーバーを保有し、管理・運用する仕組みを「オンプレミス」といいます。

これに対して、自社でサーバーの管理・運用をせずに、クラウド事業者のサーバーのコンピューター資源をサービスとして利用することを「クラウド」といいます。

クラウドでは、クラウド事業者のサーバーにアクセスする為に、インターネットを経由することが一般的です。

このように、サーバーを自社で保有せずに、クラウド事業者のコンピューター資源をサービスとして利用するのがクラウドです。

クラウドの特徴

さて、クラウドについてなんとなく理解できたでしょうか?

オンプレミスとクラウドにはそれぞれ特徴があり、よく対比されます。

3つの項目を順番に見ていきましょう。

①サーバー導入・管理の手間

オンプレミス: 多い
クラウド: 少ない

自社でサーバーを保有するオンプレミスでは、サーバーの導入・管理の手間が発生します。それに対して、クラウドではその手間がかかりません。

そのため、クラウドではオンプレミスと比べて、より手軽にコンピューター資源を利用することができます。

クラウドを利用することで、企業はサーバー導入・管理の手間から解放され、その分本業のビジネスに集中することが可能です。

対して、自社でサーバーを保有するオンプレミスでは、クラウドと異なり、サーバーの導入・管理する手間がかかります。

しかし裏を返せば、オンプレミスはサーバーを扱う自由度が高く、カスタマイズがしやすいということでもあります。

カスタマイズがしやすいため、自社特有のセキュリティ対策を行うなど、自社に最も適した管理を行うことができます。

②使用量の増減への対応

オンプレミス:難しい
クラウド:簡単

オンプレミスにもクラウドにも共通することですが、企業が利用するコンピューター資源は常に一定とは限りません。

コンピューター資源を多く利用する時期もあれば、あまり利用しない時期もあります。

しかし、サーバーを自社で保有するオンプレミスでは、利用できるコンピューター資源のキャパシティが決まっています。

サーバーを1台保有していれば、利用できるコンピューター資源はサーバー1台分です。

自社が持つサーバーのキャパシティを超えて、コンピューター資源を利用することはできません。もしキャパシティ以上のコンピュター資源を利用したければ、サーバーを増設する必要があり、追加の手間とお金がかかってしまいます。

同様に、自社のサーバーが持つコンピューター資源を使い切らなくても、サーバーの導入・管理の手間が減ることはありません。

サーバーを2台保有しているけれど、ある時期は1台分しか使わなかった。そのような場合でも、導入・管理の手間は2台分です。

つまり、オンプレミスには使用するコンピューター資源の増減に対応しにくいという特徴があります。

一方クラウドでは、コンピューター資源の使用量の変化にも、柔軟に対応出来ます。

というのも、クラウド事業者は膨大なコンピューター資源を準備しており、利用者はコンピューター資源の上限を気にする必要がありません。

加えて、クラウドの料金体系は、一定期間内に利用者が利用した分だけ、料金を支払う仕組みです。

利用量が少なくなれば、支払う料金も少なくなります。

つまりクラウドでは、利用するコンピューター資源の増減に柔軟に対応できるという特徴があります。

③セキュリティ の管理

オンプレミス:自社次第
クラウド:クラウド事業者に部分的に依存

自社でサーバーを保有するオンプレミスでは、セキュリティの管理も自ら行います。

そのため、自社の都合に合わせて自由にセキュリティ対策を行うことが出来る一方で、セキュリティの脅威にも、自ら対応しなければなりません。

セキュリティ対策に手が回らない企業であれば、オンプレミスはセキュリティのリスクを抱え込むことに繋がります。

それに対して、クラウドを利用する場合は、セキュリティの管理を部分的にクラウド事業者に任せることになります。

というのも、クラウドを利用する企業は、クラウド事業者が保有するサーバー上にデータを預けているからです。

もしクラウド事業者がサイバー攻撃を受けた場合、利用者は自ら対策を打つことはできません。利用者にできるのは、クラウド事業者のセキュリティを信頼することだけです。

このように、クラウドを利用することは、セキュリティをクラウド事業者に部分的に依存することでもあります。

もちろん、利用者がクラウド事業者にセキュリティを依存するのは、あくまでセキュリティの中の一部でしかありません。

利用者側が行うべきセキュリティ対策については、次回「クラウドセキュリティとHDE One」で取り上げたいと思います。

まとめ

さて、クラウドについて、ざっくりと概要をつかめたでしょうか?

ポイントをまとめてみます。

  • クラウドは、クラウド事業者が持つコンピューター資源をサービスとして利用すること
  • コンピューター資源には、CPUやメモリ、ストレージなどのハードウェアと、OSやアプリケーションなどのソフトウェアがある
  • コンピューター資源をサービスとしてクライアントに提供するコンピューターをサーバーをいう
  • コンピューター資源を利用するために、サーバーを自社で保有し、管理・運用する仕組みをオンプレミスという
  • クラウドは、サーバー導入・管理の手間が少なく、必要な時に必要な時だけ利用できる
  • クラウドは、セキュリティを部分的にクラウド事業者に委ねる

次回は、クラウドセキュリティとHDE Oneについて取り上げたいと思います。

それではまた!

(この記事は、諸々の概念を簡略化して説明しています。詳しくは、是非書籍などをあたってみてください。)

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Winny
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新卒のWinnyです。のびのびと働いてます。