南房総台風15号後レポ④

3月9日 — 館山市富崎地区 —

Okamawari Yukiko
HEAD Journal
3 min readJun 14, 2020

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少しずつ修理は進んでいますが、被災エリアにはブルーシートのままの家が未だ多く残っています。応急処置としてかかっているブルーシートや土嚢ですが、太陽光による劣化があり、やはり長くは持ちません。

今日は防水メーカーさんの防水補修を施工実験現場を見に行きました。

<シュリンクラップ施工>

シュリンクラップ施工された住宅

上の写真のものは熱によって伸縮する素材を利用し雨漏りを防いでいます。触ってみるとブルーシートよりはしつかりとした質感で10-20年もつらしいです。端部は防水屋さんの粘着テープを利用して固定しているそう。こちらもまだ実験的な利用が始まったばかりなので試行錯誤を繰り返しながら行っていると。長期的にみて住宅をしっかり直ししたい家には接着剤など利用することはあまり良いと思われていない方法ですが、部分的な利用やこの先10-20年程度家を使えたらいいという考えの住宅には安く、ボランティアでも行えるこの方法も一つの選択肢となりそうだと感じました。

<防水施工実験>

本題の実験ですが、一般の住宅ですと長いスパンでの防水仕様を研究開発されているのに対し、災害後のボランティアの手で施工できるような施工方法の実験をしました。

既存屋根の防水施工実験

既存の屋根の上にアスファルトルーフィングを貼り付ける実験では、出てきてしまっている釘を戻したり、できるだけ凹凸ができないようにし、上から防水シートを貼り実験をしていました。

瓦屋根の棟の防水施工実験

瓦屋根の棟をカバーする納まりを実験ではシート端部を凹凸のある瓦に止めるのが大変そうでしたが、伸長するテープを利用し固定していました。

どのような納まりがベストかを見極めていくのかはこれからですが、復旧工事を前提に撤去がしやすい工法や、中期的なスパンで防水性を保つことのできる方法となることができればと思いました。

実際安く、早く住宅を修復することができるに越したことはないですが、高齢化の進んでいる地域ではこの先20年、30年先に住宅を引き渡す先がいないのに大金をかけてまで修復してもという考えの方もいるようです。今後引き継がれて残していくものもある中で、住宅として利用される期間だけ持てばいいという考え方も有効かもしれないと思いました。
(岡廻由貴子)

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