ラノベの次は作れるかーーKADOKAWAから新たなエンタテインメント小説レーベル「NOVEL 0(ノベルゼロ)」が創刊

junyamori
JUNYAMORI
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4 min readFeb 21, 2016
novel-zero

主にアニメ化が決まった作品から、原作となったライトノベルへと手を伸ばし読むことがあります。

原作となるライトノベルは、大手小説投稿サイト「小説家になろう!」で人気を博していることも多く、webから生まれた小説が書籍化され、アニメ化されるケースも珍しいことではなくなってきています。

「ライトノベル」と呼ばれる小説の形態が登場してから、実に20年以上が経過するそうです。その間、色々なジャンルやタイプの作品が生まれ、ライトノベルはレーベルの乱立により飽和状態であるとも言えます。

ライトノベルの作品は文体やテーマが基本的に若者向け。そのため、読者は年齢を重ねるほどに少しずつターゲットから外れていってしまいます。その一方で、ヒロイックな要素やファンタジーな要素など、少年が憧れるような世界観はいくつになっても人を惹きつける、と僕は思います。

少し世代が上になった人に対して、先述の世界観を強く打ち出す作品はまだあまりないように思います。KADOKAWAが新たに創刊した小説レーベル「NOVEL 0」は、そうした読者の欲求に応える作品を送り出すことを目的として生まれました。

novel-zero lineup

読者は、30代の男性を中心にしながらも、ライトノベルの次を探している若年層や、かつてヤングアダルト小説に親しんだ熟年層も想定しているそう。

プレスリリースにも書かれている「NOVEL 0」の編集部が発表したコメントは、とてもアツく中二病をくすぐられます。

「その背中を追い続けていたい」

そう思える人物がどれだけいるだろうか。
少年時代、憧れたヒーローは今、どこにいるのだろうか。

「その姿を見つめていたい」
「こんな人生を歩んでみたい」

そう思わせるキャラクターを我々は創出したい。

今、逆境に直面している、立ち向かっているあなたに問いたい
今、憧れの矛先を失った、熱を失った日々を過ごすあなたに問いたい。

「まだ胸に残る熱い牙はあるか――?」

大人になった、男達へ――
立ちはだかる壁へと立ち向かう、
エンターテインメント小説文庫 新レーベル

「NOVEL 0/ノベルゼロ」

レーベルのコンセプトは、「大人の生き様」。ライトノベルの延長線上に、新たな小説のスタイルが確立されるかどうか、楽しみですね。僕はひとまず、「皿の上の聖騎士」という作品を買ってみました。

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余談ですが、ラノベといえば、「灼眼のシャナ」「魔法科高校の劣等生」「とある魔術の禁書目録(インデックス)」「ソードアート・オンライン」など、アニメ化やゲーム化された人気作品の編集を担当した編集者であり、「電撃文庫」の編集長・三木一馬さんが、自身の仕事術をまとめたビジネス書「面白ければなんでもあり 発行累計6000万部 とある編集の仕事目録(ライフワーク)」も面白かったです。

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JUNYAMORI

Catalyst, Mediator, Futurist, CEO of inquire Inc.