現地レポートVol.2

港区エリア

Hiroko Koike
オーガニックスーパー探訪
11 min readAug 10, 2020

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東京の梅雨明けた同時に、シェアバイクで港区のオーガニックスーパーを巡って来ました。少しずつ見えてきたオーガニックスーパーの特徴を交えながらレポートします。

調査日:2020年8月2日(日)
店舗数:7店舗

目次

  1. Bio c’ Bon(ビオセボン)
    ①.外苑西通り店
    ②.麻布十番店
    ③.アトレ竹芝店
  2. ナチュラルハウス
  3. クレヨンハウス
  4. ナチュラルマート
  5. 自然食品F&F
  6. 現地調査振返り
  7. 次回予告

1.Bio c’ Bon(ビオセボン)

沿革

  • パリ発のオーガニックスーパーマーケット。ヨーロッパで140店舗以上展開している
  • 2016年に日本初上陸
  • 現在東京・神奈川に18店舗

コンセプト

私たちがめざすもの
「日常使いができるカジュアルな価格」をモットーに、お客さま一人ひとりとの対話を重視し、気軽に楽しめる身近な店舗を目指しています。

調達・取り扱い基準

明確な調達・取り扱い基準はHP上に記されていないが、海外のオーガニックラベルが付いた商品やイオンのプライベートブランドの商品を基本に取り揃えている。

3店舗間で共通している特徴

・イートインスペースがある
・輸入品を多く取り揃えている
・Bioのアルコール類の取扱い数が豊富
・生鮮食品のコーナーがきちんと確保されている
・化粧品等の日用品の取扱いをしている

立地や売り場面積による違いを、各店舗の現地調査レポートで記していく。

①.外苑西通り店

外観

1.基本情報

オープン年

2018年

2.現地調査レポート

  • スーパーよりは品数が少ないが、コンビニのように生鮮食品や冷凍食品など必要なものは一通り揃っている印象
  • 男性が一人で入店してふらっとアルコールを買いに来ていたのも、コンビニ感覚で必要なものを買いに来ているのと似た行動だと思った
店内の様子
(左)魚介類の認証マークの説明書き、(中央)ヴィーガンワインの手書き説明のポップ、(右)イオンのプライベートブランド「グリーンアイnatural」を取り扱いしている

②.麻布十番店(第一号店)

外観

1.基本情報

オープン年

2016年

2.現地調査レポート

  • 売り場面積が130坪と広めで、ゆったりとした空間
  • 野菜の品揃えが豊富で日常的に通えるスーパーという印象
  • カウンターキッチンが設置されており、出来立てのお惣菜や多種多様なチーズの提供を行っている
(左)生鮮食品の品数は一般的なスーパーと変わらない、(右)環境と共生することを意識させるポップ
(左)カウンターキッチンで買ったものをイートインスペースで飲食できる、(右)キッチンカウンターでチーズやお惣菜の販売を行う

③.アトレ竹芝店

外観

1.基本情報

オープン年

2020年6月

2.現地調査レポート

  • 野菜の割合は少ない
  • 商業施設利用者との相性が良くなるような、商品の配置(商業施設の屋外スペースで飲食が出来るように、テイクアウト商品や冷えたドリンクやアイスが充実していた)
  • イートインスペースがあり、コンセントも利用できるようになっている
(左)サンドイッチ等テイクアウト可能な食事が充実している、(右)冷えたアルコールを販売することで屋外スペースですぐに飲めるようになっている
(左)窓際にあるイートインスペース、(右)オーガニックのたまごの説明書き、文章がわかりやすい

2.ナチュラルハウス

外観

1.基本情報

沿革

  • 1978年ナチュラルマートとしてオープン
  • 直営店12店舗/フランチャイズ店1店舗

オープン年

1978年オープン、2011年リニューアルオープン

コンセプト

ストアコンセプト
Organic, 自然と調和しながら生きる。
Local, 地産地消で身近な地域をささえる。
Sustainable, 環境や資源を守りつづける。

◆商品コンセプト
WHOLE TRADE, 野菜・果物・穀物などの原材料
WHOLE DEAL, 収穫物をむだなく使った加工品
WHOLE CULTURE, 地産地消で身近な地域をささえる。
WHOLE BEAUTY, 栄養補助食品・化粧品・エコ雑貨

引用:ナチュラルハウス HP

調達・取り扱い基準

食品取扱基準とビューティー取扱基準が設けられている

2. 現地調査レポート

  • ナチュラルハウスの旗艦店なので、Vol.1で訪れたアトレ吉祥寺より売り場面積が大きく、商品の品揃えが豊富であった
  • パンや加工品など商品毎に、一般的に流通しているものとオーガニックの比較表が店内に掲示されている
  • 洗剤やコスメなどの日用品だけでなく、オーガニックコットンの取扱いをしている
  • 野菜、果物の値段が高い
  • 鮮魚は取扱い基準はないものの、販売している
オーガニックがなぜいいのかを説明した看板が10個店内に配置されている
(左)柑橘類に付いている黒い斑点(サルベストロール)に関する雑誌の記事、(右)一般に流通しているパンとオーガニックのパンの比較表
、(右)洗剤や靴下等の日用品も多く取り扱う、(右)オーガニックコットン専門ブランドMADE IN EARTHの商品
(左)REAL ORGANIC NATURALの推奨マークが付いた化粧品の販売、(右)有機JASだけでなく海外のオーガニック認証が付いている加工品

3.クレヨンハウス

(左)外観、(右)地下に食品売り場、レストランがある

1.基本情報

沿革

  • 1976年に東京にお店をオープン
  • 現在、直営店2店舗(東京・大阪)/オンラインストアを経営
  • 2018年9月に、有機野菜・オーガニック食品の卸売事業やオーガニックレストラン運営のコンサルティングを主な業務として行う、オーガニックフーズ普及協会を設立させている

オープン年

1976年

コンセプト

◆【社是】
子どもの視点・女性の視点・オーガニックな視点で文化を見つめ創造する

調達・取り扱い基準

有機JASマークのついた野菜やお米、有機の原材料を使用した調味料、安全な飼料と豊かな自然で育てられたお肉など、オーガニック食材がひと通りそろいます。

クレヨンハウスの定期宅配「西からの旬菜便」の野菜は、東日本大震災での原発事故による農産物への放射能の影響を配慮し、西日本で生産されたものが取り扱われており、女性や子供目線を大切にする会社のコンセプトが反映されている)

2. 現地調査レポート

  • 生鮮食品の陳列方法がマルシェのよう
  • 農薬使用回数の表示はなかった(他のスーパーでは扱っている特別栽培農産物ではなく、認証取得している野菜のみを取り扱っている可能性がある)
  • ダイコンの部位毎の食べ方のポップやワインの説明書きが詳しくされている
  • 野菜が欠品・品薄になっている原因を説明しているポップがあるのは、特徴的
野菜・果物・ワイン売り場。外にあるため、マルシェのよう。
(左)ポップの横に有機JASラベルが提示してある、(中央)大根の部位毎のおすすめの食べ方、(右)加工品のポップ。丁寧に書かれているものもあれば、説明書きが無い商品もある

4.ナチュラルマート

外観

1.基本情報

オープン年

2002年

コンセプト

アクティブな生活のためのオーガニックフード

2. 現地調査レポート

  • 野菜、果物の取扱いは小規模。加工品中心。

従業員の方にお話を聞くことが出来た。

  • 野菜を元々クレヨンハウスグループから仕入れていたが、東日本大震災をきっかけにクレヨンハウスだけでなく、関東・東北の野菜を取り扱っているビオマルシェからも仕入れるようになったそうだ。
店内の様子

5.自然食品の店F&F

外観

1.基本情報

沿革

  • 19927月8日
  • 日本レストランシステム株式会社の100%子会社
  • 都内に14店舗

オープン年

不明

コンセプト

◆Our Policy
「主役は人と自然。食の選択の提案をいたします。」

「自然とオーガニックな暮らしの案内人として、みなさまへ。」

(引用:自然食品の店 F&F HP

調達・取り扱い基準

「F&F安全基準(化学合成の添加物使用無し、農薬控える)」

「農家と直接契約(約200軒と契約し、産地直送で仕入れ)」

「オリジナル商品(厳選素材で加工品製造、商社を通さず有機食材を仕入れている)」

2. 現地調査レポート

  • アルコール類の取扱いが少ない
  • 他地域の店舗と比較すると店舗毎に商品の割合異なる
(左)大通りに面しており、小規模な面積、(右)野菜・果物販売コーナー

6.現地調査振返り

以下に今回7店舗回って気付いたことを示す。

  • ナチュラルハウスのサブ要素(生産者のこだわり、自然環境との関係等)の見せ方が弱かった。細かい情報は提示されているものの、情報過多でメッセージが弱い。
    ビオセボンは「自然と友だち」というキャッチフレーズの下、生産者の顔は見せてないが、よりピンポイントでメッセージを提示している。
  • ナチュラルハウスは価格設定の理由を説明してくれた方が価格に納得できるんじゃないか?じゃないとただ高いだけな気がする。
  • ビオセボンで男性(一人や複数人でも)がアルコール類を購入している姿を見て…

→ビオセボンは海外の輸入品を多く扱っているという希少性が故に、気軽に入って一品買うというスタイルが成り立ちやすいのではないか?(海外のビオのアルコール類が集結しているという希少性で男性も来店するようになっているのではないだろうか)

→気軽に一品買うという消費行動でも、知らない間にビオに巻き込まれているという循環が生まれれば、ゆくゆくはオーガニック農産物の普及に繋がる…

7.次回予告

現地調査二回目を終えて、特に印象的だったのはビオセボン。豊富な品ぞろえとつい見て回りたくなる店舗はどのように生まれたのか?フランス発のオーガニックスーパーならではの視点や戦略、取扱商品の特徴などから探っていきたい。

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