わが家がしている「ホームスクールらしいこと」

【第3回:ホームスクール保護者会 by HSJ】

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ホームスクールジャパン(以下HSJ)ではホームスクール家庭が集まり、毎回テーマを決めて、カジュアルにリアルトークをしていく「ホームスクール保護者会」を連載しています。

今回のテーマは、わが家が行っている

「ホームスクールらしいこと」です。

ホームスクールは何はともあれ孤立しがち。正解はないにせよ、「みんなはどうしているの?」は気になる部分ではないでしょうか。

現役ホームスクーラーたちが話し合ってみました。

佐々木:

皆さん、今回もお忙しいところありがとうございます。それでは、始めていきますね!

今回のテーマは「わが家がやっているホームスクールらしいこと」です。

今回もホームスクールのリアルを発信していけたらいいと思います。あとは、お互いの情報共有といいますが、「こんなことやってる!」が知れると刺激になるかと。では、お願いします。

小田:

プロジェクト的なことで近日中に実践してみたいことは、私が用意したレシピに添って子どもたちだけで買い物から料理を完成させることで、私はあくまで安全面の付き添いと見守り役に徹しようと思っています。

あとプロジェクト的なことではありませんが、子どもたちの公園なども含め外出はなるべく平日の昼間に済ませるようにしています。

秋山:

わぁ!子どもたちだけで買い物から料理まで。それはおもしろそうですね!普段の生活の中で出来るし、我が家もチャレンジしてみたいです。

佐々木:

料理いいですね!「料理」みたいなテーマだと、「切る」「よそう」など手先のことから、栄養、火加減、味など色々な幅がきいていいですね。親子の距離感も近いし。最近だとポップコーンやったな。あとは炊飯。

秋山:

子どもって、野菜切ったり、火を使ったりすることが、とても好きですよね。ワイルドな感じがするのでしょうか。

小沼:

確かに、お料理はいいですよね!

うちもやりたいのですが、私が家にいるとなかなか子ども達がやる気にならないんです。

なので、材料だけ用意して簡単に説明して、私が出掛けている間に兄妹で協力して作ってもらってます。

皆さん、なんとなくプロジェクトベースの学びを「ホームスクールらしさ」と認識しているようですね。中でも料理は総合科目として評価が高いようです。外での活動についてはどうでしょう?

佐々木:

外出に関してはここの所ハードル高いです。そもそも僕も長男も外で遊ぶより家の中でゆっくりしていたいので室内にいがち…最近は寒いし、おかげで太りました~笑 いやー運動は課題。

秋山:

土日は混む公園も、平日だと貸切で思う存分遊べますよね。とはいえ、私もなかなか連れていけてないです。

小田さん、外出はなるべく午前中というのは何か理由があるのでしょうか。

小田:

昼間に外出するのは、なるべく空いている方が楽で安全だからです。
学校や幼稚園が終わるとお店も混んできて、車の運転に関しても家の周辺は歩道のない道路が通学路になっているので、学校が終わる前に帰るよう心がけています。

秋山:

なるほど〜。都会の事情ですね。我が家は田舎なので、どこに行っても平日はたいてい空いてます。むしろ賑わいが羨ましいです。

小沼:

うちの子ども達も家が大好きなので、少し太り始め…。

娘はそれを気にして、毎朝早朝散歩に行っています。どうせなら、と私と旦那も一緒に三人で毎朝散歩に行ってます。かれこれ半年続いていますね!

朝の散歩は気持ちいいですよ♫その日、一日が充実したものになります。

秋山:

親子で朝の散歩・・・!素敵ですね!!

佐々木:

早起きは三文の得ですよねほんと。早起きでなくても午前中に外、というのはわかります。どこも空いてますし、清々しいし、頭も冴えますよね。頑張らねば・・・。

ただ一方で僕は子どもの自然な生活リズムに合わせて活動するのは大事にしています。早起きは大切とか思いつつも、眠いなら寝たいだけ寝る、みたいな。(笑)

秋山:

我が家も、朝はゆっくりです。夏場は涼しいうちに公園など行かねばと思いますが、最近は寒くなってきたので、午前中は家でのんびりすることが多いですね~。

小沼:

早朝散歩は行ってますけど、皆それぞれ昼寝はよくしてますね~。

眠いときに寝れるっていうのは、本当にホームスクールの良いところですね。

小田:

朝活、素敵ですね。私も子どもたちと早朝散歩がしたくて早く寝るよう呼びかけているのですが・・・。
眠いときに寝られるのはいいですよね!娘には勉強中に眠くなったら遠慮せず寝るように言っています。
もし私が学校の先生だったら、寝ている生徒は起こさず寝かせてあげたいなぁ。

皆さん、意識としては朝の時間は有効活用したい様子。しかし、現実的には、こどもたちと自分のペースに合わせてゆっくりとした毎日を送っているようですね。

Rivera:

みなさん時間を自由に使われていていいですね!自由に使うことができるから、本当の意味で時間を効率的に使うことができるんだと思います!

佐々木:

そうですね。ある意味で自由に各々のペースで過ごす事自体がホームスクールらしいこと、といえますね。

Rivera:

うちはまだ年長なので、プレホームスクーリングですが、美術館に行ったり、家族でご飯を食べに行ったり、コンピューターで何か作ったり、普通に勉強したり、ドキュメンタリーを観たり、読めるだけ本を読み聞かせたり(私のチャレンジみたいなものです。笑)、料理をしたり…しています。

これから娘が大きくなるにつれてしたいことは、私たちは四国に住んでいるので、四国八十八ヶ所のお遍路巡りです。

私たちにとってはそれは宗教的な意味は無くて、歴史や文化の学習、地域の人々との交流を目的としたものです。もちろん、宗教として大切にされている方々への敬意も忘れません。

一度に回るわけではないので、四国を一周して最後に高野山までたどり着くまでに何年かかるかわかりませんが、高野山に行くころには歴史や文化はもちろん、地理的なことや天候について、交通機関の使い方、調べ学習の仕方、レポートを書く力、動画を作成する能力、情報を発信する能力、計画的なお金の使い方や計算方法…数えあげればきりがありませんが、ありとあらゆることの勉強ができると思うのです。

このように、うちのホームスクールでは1つのプロジェクトを通して、教科をまたいで色んなことを勉強したいと思っています。

歴史の時間に歴史の話だけというのではなくて、読み書きはもちろん、地域のことばや風習、地理的なこと、食べ物について、産業について、そして論理について教えることができると思います。

教室の中からはほんの少ししか見えない外の世界に出て、本当の世界で学んでほしいと思っています。

佐々木:

やはり、子に合わせた「体験ベースの学び」ができることはホームスクールのひとつ大きな「らしさ」ですね。

「時間を自由に使って、各々の好きなことを」「自分たちでプランをたてて、それを実行していく」など、こういった自発的な生活ができることっていいなぁとつくづく感じます。

社会から与えられた「あなたはこうしなさい」「これをやりなさい」といった受動的な生活から1歩外に出て、自分で選ぶことができることは今後子どもたちにとっての力になるのではないかと思いますね。

ちなみに私は周りの方に

「ホームスクールでしていることって放課後や休日にでもできない?」

と言われることがあるのですが、皆さんはそういった経験はありませんか?

学校に行かない強い理由を抜きにして、「ホームスクールでしかできない」と思っていることはありますか?

秋山:

やはり、時間の制約がないことは大きいです。せっかく没頭して取り組んでいることを妨げないで済むというのは長所だと思います。また、いつでもネット検索で調べごと出来るのも効率がいいかな。

小田:

そうですね。時間が自由だと何をするにもベストな状態で挑めることや、チャイムを気にせず自分が納得いくまで追究できるなど利点がたくさんありますよね。
逆に気分が乗らない日はのんびり過ごしてエネルギーを蓄えたり、暇な時間をどうにかしたくて新しい閃きが生まれるきっかけになることもあると思います。

Rivera:

ホームスクールでしようと思っていること全部、放課後や休日にでもできると言われます。笑。

でも、それは忙しすぎると思うんです。不健康です。学校では有意義な時間もあれば(本当の意味で)無駄な時間もあると思います。

ホームスクールだと、なるべく無駄な時間を取り除くことができるのではないかと考えています。そう言うと、ずっと勉強漬けみたいなイメージを持つ方がいらっしゃるのですが、有意義=机に向かって勉強をする、と必ずしもそういうことではなくて、外に出て行ったり、絵を描いたり、プログラミングを習ったり、編み物を習ったり、料理を習ったり…それから、好きなことを見つけるために(一見無駄に見えるような)時間を過ごしたり…有意義な時間というのはそういうことだと思うんです。

学校で、ひたすら誰かがやったことで全体が怒られるお説教を聞いたり、もうわかることを授業でずっと聞いたり、全然わからないことを授業でずっと聞いたり…そういう時間は無くてもいいのではないかと思います。

世の中にはしてもいい「我慢」としなくてもいい「我慢」があると思います。

何でもかんでも我慢をさせていると、子ども達は扱いやすい「いい子」にはなりますが、納得していない我慢のしわよせはあらゆる所に出てくると思います。それもまた不健康です。

小沼:

私も時間の制約がないことが、とても良いと思っています。

うちの娘は絵を描いたり、本を読み出すと凄く集中して、止まらなくなります。そして、中途半端なところで終える事は彼女にとってとてもストレスがかかる様子です。

保育園の頃は、皆がお絵かきを終えて外遊びしているなか、うちの娘だけ気がすむまで部屋でお絵かきしていた、という話を先生からよく聞きました。

それが、学校へあがると、各授業毎、本人はなんとなく中途半端なまま毎回終えることになり、そのストレスがどんどんたまってしまった様子でした。

ホームスクールを始めた今は宿題もありませんし、親も余裕を持ちながら、思う存分、絵を描いたり本を読んだりさせてあげられるとので、親子共に快適です。

秋山:

ごはんもゆっくり食べられますしね(^^)

Rivera:

学年が上がるにつれて、全教科まんべんなくできることが求められ、例えば、数学が好きだから数学ばっかり勉強していると、数学はいいから国語をやりなさい、社会をやりなさいと言われたりします。視野を広めるために色んなことを勉強することは大切だと思いますが、好きでやっている勉強を止めてまでしなくてはいけないものなのでしょうか。

佐々木:

僕は親と教育者の両方の立場で考えることが多々ありますが、 教育的な観点から言うと色々なことを幅広く触れておくということはとても大切なことのように思います。前の保護者会でも話した通り基礎学力や基礎知識のあるなしで興味の幅も変わってくるでしょうから。

一方で親としては好きなことを極めてほしい、そのためにたくさんの時間を使ってほしい、と思うことがたくさんあります。

このバランスを子どもの体調などに合わせて見極めていくことが ホームスクールをやってる上で最も意味があることでかつ最も難しいことのように感じています。

また低学年ではいくらすごい強い興味が一時的に発生したとしてもそれが持続するとは限りませんしそういった観点では 小さいうちは子どもの興味有無にかかわらず色々なものに広く浅くふれていくことは大切なのかもしれませんね。

小田:

せっかくホームスクールをしているのだから、子どもに選択肢を幅広く与えられるような環境を作りたい、子どもが必要とするサポートを惜しまずできる自分でありたいと思う気持ちと、親としてホームスクールの他に家族の衣食住を整える役割があったり、体力の問題や自分の好きなことをしたり一人で過ごす時間もほしい。

その辺のバランスを皆さんどうされているのかも、今後話し合っていけたらいいなと思います。

佐々木:

そうですね。ホームスクールは何においてもバランスが命、と言ったところでしょうか。

親の時間の作り方何かについても今後話していけたらいいですね。

皆さんありがとうございます。

まとめると、ホームスクールらしいこと、というのは「時間に制限されずに子どもたちの興味関心に寄り添い、体験ベースで学びを進めること」といったところでしょうか。また「個人のペースで」というのもまた、ホームスクールらしいですね。

個人的には全員がプロジェクトベースを意識しながらホームスクールをされていることに驚きました。教育的にも皆さんとても意識高く、、すばらしいです。

ぜひ今後とも情報交換、よろしくお願いいたします。

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