デジタル機器との付き合い方改革

画面を見ると気持ち悪くなる僕。子どもたちは大丈夫なのだろうか?

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「スクリーンタイム」について考える。

最近スマホ画面を見ていると気持ちが悪くなる。車酔いのような状態になるので、眼精疲労やら何やらを色々調べて対策をしてみたのだが、どれもあまり効果がない。

単純に「画面を見ない」ことが最も効果がある。

具体的にはプライベートで画面を見ている時間(スクリーンタイム)を1日1時間以内に減らし、画面の光度を下げた。また、目薬なども使うようにして、夜も良く睡眠をとるようにした。

なので、僕が目にかけている負担は現代人としてはかなり低い方だと言える。

しかし、ここまでしてもスマホ画面を覗き込んだ途端に舌の付け根から唾液が分泌される感覚を覚える。車酔いのように頭もクラクラしてくるのだ。

プラシーボ効果もあるのか、一旦気になると画面を見た途端に気持ち悪くなる。

ただ、「画面を見ないで生きていく」というのはこの先どう考えても現実的ではない。困った。

ちなみに気持ち悪くなるのはスマホなど片手で操作できる小型の端末であることがわかった。iPadProやPC画面は今のところ大丈夫そうだ。(仕事で使っているが特に気持ち悪さは感じない。)

子どもたちは大丈夫なのだろうか?

我が家の子どもたちは全員男の小学生だ。ご多聞にもれず、日常的にYouTubeを始めネットゲームなどオンラインメディアで遊んでいる。

今回自分自身がスクリーンタイムと健康について考えていると子どもの健康も見直さないといけないと感じ始めた。彼らは大丈夫なのだろうか?

小学生のスクリーンタイムの増加は時代がそうさせている。故にネットやゲームは避けては通れない媒体であることから、除外せずむしろ肯定的に付き合っていきたいというのが親としてのスタンスだ。

一方で健康管理面でスクリーンタイムは少ないにこしたことはないと思っている。

諸説あるが、個人的には心身の発育と健全なコミュニティの形成はオフラインの方が行いやすいという意見だ。

なぜか。

単純にスクリーンタイム中は身体的な活動は行っていない。YouTubeなど受動的なコンテンツでは頭も使っていないことが多い。

学習動画などはどうか?能動的ではないのか?

これはケースバイケースだが、我が子を観察している限り、「画像認識欠如効果」が邪魔をして、リアルで教えられれば一瞬で理解できることも動画や画像を介することで理解力が落ちるなどの弊害(むだ)も多いように感じる。折り紙の折り方を説明する動画を見ながらやっていても、「そんなに何回も見ないとわからない?」と言いたくなるレベルでなんども見返している。頭に入っていないのだ。

こう言った場合、大人が見て覚えて子どもにリアルで教える方がネット情報の賢い使い方だと思っている。

ここで子育てにおけるデジタルデバイスの是非について論じるつもりはないのだが、いずれにせよスクリーンタイムの増加と反比例する形で身体的活動機会や子ども同士の肉体的な体験の共有機会が減少するのは事実だろう。

そして、このリアルライフでのコミュニケーション力はこの小学校時代(7歳から12歳程度)までにしか育めないものであると考えている。

こういったリアルでの人間的交友機会は「フェイスタイム」とも言われる。フェイスタイムとはその名の通り顔を見ている時間だ。現代は赤ちゃんの顔を見ないでスマホ画面を見ている親が多いなどとして揶揄される。「だからなんだ」という意見もあるが、我が子が人の顔を見る機会に恵まれずに成長していくのは親としては心配だ。

遠隔で仕事をする時代になるとは言えど、人と人が顔を合わせるのは無くならないし、人の表情や視線から気持ちをきちんと汲み取れる高い共感力をもった大人になってほしいと親としては思うのだ。

大きな話で言えば、他者との社会的な活動が生活の基盤である以上、こういったフェイスタイムの保持を通した、人間通しのコミュニケーション機会、空気を読む経験などは小学校時代に親が意図的に提供しなくてはいけないものであると考えている。

前置きが長くなったが、前述の自分への予期せぬ健康障害(?)も相まって、子どもたちのスクリーンタイムは削減されるべきなのだと、改めて感じている。

スクリーンタイムの削減に向けて。

今回自分の健康とスクリーンタイムの関係性を分析していたことで、子どものスクリーンタイム(特にネット使用)の削減や制限を検討するに至っている。

ちなみに僕はオンライン推進派だが、見境なく子どもの自由にすべきではないと強く思っているタイプだ。

理由は子どもはデバイスとの使い方や付き合い方がわかっていないからだ。

大人は距離感を伝える必要がある。

この距離感はスクリーンに向かう頻度でもあり、物理的な依存度の大小である。

我が子には、向かう頻度が多いことによるリスク(前述のような健康障害や睡眠への影響、他の身体的活動時間の減少など)をきちんと話し合っている。

また、依存度についてもネットは情報取得先の「一つのチョイス」でしかないことを伝え、顔の見える他者の意見や出版物も見ることや、ネットニュースの信頼性の低さについても話している。ウェブ上に散らばる情報やトレンドを信じ込まずに自分の頭で考えることの重要性を親として伝えたいのだ。

そうすれば自然とスクリーンとの距離感の取り方は上手くなるだろう。

今のところ子どもたちは利便性やエンタメの裏にあるリスクを理解してくれている。実際に我が家のスクリーンタイムは今までの3分の2程度(1人1日1時間程度)にまで減った。身体活動時間の確保については学校でも友達に伝えたとも言ってくれているから頼もしいものだ。

デジタル機器との付き合い方は、各家庭で親が管理するほかない。

今のところ、親が自警団として家族のスクリーンタイムを制御するしかないだろう。

健康面はもちろん、ウェブ上のリスク、ネット・ゲーム依存などの二次障害についてもきちんと考えなくてはいけない。

子どもたちは子どもたちであり、楽しいものに惹かれていく。

惹かれるように作られているゲームやネットに関してはなおさら純粋にハマっていく。

そして、これらを今の子どもたちから取り除くことはできない。(取り除くべきではない。)

親にできることはこういったスクリーンとの距離感をうまくとる方法を教えることだ。

「近いと目が悪くなるよ」だけではなく、その先に潜むもっと大きなリスクや影響について子どもたちと一緒に考えてみることをオススメする。

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