小田 恵
ホームスクールジャパン【公式】
12 min readAug 11, 2018

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ホームスクーラーへ20の質問 / 7

ホームスクーラーのリアルを伝える連載企画

第7回目は、茨城県に在住の 母みやさん(娘さん・みやこさん)にお話を伺います。

①ホームスクールを知ったきっかけを教えてください

保育園(登園拒否、病弱)での様子から年長児にインターネットで調べていました。

ホームスクーラーのブログ、フリースクール、支援団体のホームページで情報を得ました。仕事上、学校に行くことが義務ではないことも知っていました。

②考察期間について(どのくらい時間をかけて考えたか、どんな気持ちでいたか)

半年ぐらい。

どんなことをしようか。娘の体調が戻ったら(車で30分以上の移動も出来なかった。)旅行をしたりイベントに参加したりして学ぼうと考えていました。

③ホームスクールについて

*どんな情報を探しましたか?

認知特性にあった教材を探す。ワークショップなどの体験、同じ環境の友達を探しました。

*どのように情報収集をしましたか?

特性にあった遊び、学習、運動、体験イベント、ホームスクールをしている仲間を探すことができました。

*得られて役立った情報・探しても得られなかった情報など

得られたことは、ホームスクールをしている仲間の活動やイベント。

得られなかったことは、学校との関わりで出席について、通知表、給食費、PTAなどの具体的な対応。又、代償手段での備品への理解をどう求めていくか(ほかの事案等もふまえて話をすすめるが受け入れ態勢がないときなど)

近くに不登校やホームスクールの子を探せず、気が向いたときに小学生一人でも行ける場所がない。

④学校や周囲とのやり取りについて

*学校に通ったことがあれば、その間のお子さんの様子など

学校をやめたい、もう楽しくない。お腹が痛くて休んだり、気分転換に休んで出掛けたり。

朝は何も言わず登校しようとしては足が動かず吐いたり、したことがない失禁をして動けないまま泣いていました。

それでも行かなければいけないと行こうとしていました。

学校については音がうるさい、文字がよく見えない、他者が怒られているのが怖いなど話していました。

担任の先生が若かったため、子供は先生になれるのか?自由時間に保育園のように先生がいない学校ってへん。先生が毎回のように授業中に物をわります。と言ってくるのがこわい(これで終わりますの間違え?)、女の子たちは話がどんどん変わるので遊べない。基本的に年長児から男の子と遊んでいました。

このことでクラスの女の子に「友達やめる、臭い」など言われたそう。

私が担任に確認相談して先生が当人たちに事実確認を行ったそうです。いつ?どこで?何て言われたか?お互いに同じ質問して時間が経過していて曖昧なことはなかったことに。

普通級では全体指示が入ること、自分から意思を伝えられることが前提とされていることを後から知りました。

どんどん体調が悪くなり医師から療養を進められました。

その後も一時間だけ授業に参加する、放課後や早朝に提出物を届けるなどの提案が続きました。

一部授業に行けた時も「問題がない」との担任の判断でもう少し参加するように話され「精一杯の努力を軽くうけとめられている」と車内に戻るなり吐くことがありました。

適応教室の発達検査で少し特性があることがわかり担当の先生たちが学校に説明に行くが理解を得られているようには感じられませんでした。

適応教室からの提案で別室登校、時間外登校、イヤーマフの使用を希望するなど助言を受けましたが、学校では保健室はけが人病人の居場所です。図書館は他の子も使います。イヤーマフは必要がありません。など話が通じることはありませんでした。

娘も提案を受けてはそれなら頑張れると期待し結果を聞いては学校へは行かないという気持ちが強まっていきました。

スクールカウンセラーと話すよう適応教室から提案され二度目ぐらいでお話を聞いてもらえました。

私が着席するなり「私はここに来たら仕事をしていて教室も回る、この子はみたことがないから問題はない。」「一年生になり戸惑ったりする子まだまだ親に甘えたい子はいるものよ」と、家事の手抜きをしても時間を作れるように「あさりの酒蒸ししってる?すぐできるわよ。」とのことでした。
青白くなり抱っこされたまま寝入っている娘には聞かせられないと早々に終わらせました。

もうこの頃は家でも食事らしい食事もとれず、横たわり流れるテレビを眺めているような状態でした。

病院の診察を受けるにも必要がないのでは?障害は境界くらいでしょう。

ちょうど運動会の日に診察でしたが運動会が大切であることの話ばかりで学校とは平行線。

好転して登校刺激がなくなったのは年を明けて2月医師の診察で登校できないこと、登校刺激は禁止など対応が指示されました。

*特に心に残っているエピソード

死にたい、保育園バスなら大きいから死ねる?あんじぇ(犬)とはっち(室内遊具の乗り物)に乗ってみんなが寝たら家を出ていく。遠くに行けるようにあんじぇに引っ張ってもらう。

自分だけ違う。先生がいう友達は遊ぶだけの人、友達ではない。

初めてお母さんと呼ばれ『お母さん、私のお母さんでしょ。死にたいの、死に方を教えて。大人ならわかるでしょ』(解離現象のようだった)と言われたこと。

「ママ嫌い」など人の嫌がることを羅列したり、軽くたたいたりしてくる。半ば呆れてあしらっていると、ママもやり返してと私の手を取り自分を叩く。

何度か繰り返されわかったのは私に嫌われること、怒られることが娘にとってとても傷つくことなので自傷行為のために行っていることが分かりました。

⑤学校への説明や報告の際に「ホームスクール」という言葉は使いましたか?

校長先生には今週報告します。

*学校の反応や対応について先生方からかけられた言葉や、それに対してどう思ったか・答えたかなど。

適応教室、二年から支援級になり支援級の先生には話しましたが、適応教室やフリースクール以外の考えがなかったようで驚いていました。娘に合った教育であることは伝えました。

*PTAはどうしましたか?

退会希望でしたが継続中です。

⑥教育委員会や民生委員、児童相談所とのやり取りはありましたか?

適応教室で発達検査を受けて受診の必要性がないと言われた。

検査データの読み方ができない、発達障害の知識がない、家での様子など聞き入れない、病院に行くことをとめる必要性はないと思う。

適応教室と教育委員会が介入しても登校刺激、代償手段を不必要と言い、サングラス、イヤーマフなどが使えない。その都度学校に指導に入って効果を確認するようになった。

⑦教育機会確保法が施行されてから、何か変化を感じることはありましたか?

こちらが提示することで登校刺激が弱まりました。

周知している方、されてない方それぞれ問題を起こしたくないからという認識で、学校が合わない子に理解があるようには感じません。

⑧親族や周囲の反応について教えてください

学校に行かないでどうするの?と驚いていたが、育てるのは祖父母や親戚ではないので口ははさまない。

口を出すなら目一杯可愛がって学校で体験できないような素敵なことをさせてあげてくださいとお願いした。

夫は体調が悪いときも行くことを訴え、娘が気を失うことがあった。

学校はいつでも行ける、娘に医療が必要であること、学校に行かないといけないと思っているのは夫の考え。

みんなが言っているのはみんなの考え。学校に行かないと親がおかしいと思われる、どう思うか他人の自由、どう思われるか気にしているのは夫。

娘に何が必要か、娘がどうしたいか。大切なものはこれだけ。と文字で示した。(文字の方が理解されやすい)

仕事を休んで娘のことをみてもらい、今は体を休めなくてはいけないと理解した。

⑨この記事を学校の先生方が読むとして、学校に対して望むこと

心身を壊してまでやらなければにいことはない。

休息、医療の必要性も考えてほしい。子供も精神を病みます。虐待や入院するような事故に値すること。

私は学校が大好きでした。今でも担任に電話をするくらいです。今でも先生を囲んで食事会があります。

今の子供たちは学校が好きですか?

学校の役割はなんですか?

保護者から信頼されていますか?

先生は幸せですか?

志した子供の教育は学校でできていますか?

学校という場が合わない人がいる、会社が合わない人がいる。それは当然とは思えませんか?

昔は学校に行かないと学べないことも多く地域によって大人が文字の読み書きが分からない。学校で習う先生に教わる必要があったけれど今はどうなのでしょう?

(改めての話し合いでお母さん、お母さんと呼ぶのも違和感がありました)

⑩他のホームスクーラーと繋がるきっかけになったこと

SNSです。

⑪ホームスクールやオルタナティブ教育を応援・支援する団体に期待していることはありますか?

学校との交渉の方法。学び場、遊び場、仲間などの案内。

特性を持つ子もいるので読み書き計算の習得方法や極端に苦手とすることへの代償手段などセルフケアできるよう情報が必要と思われる。

例えばお金、性、カウンセリングなどの生活地盤になる学びも様々な考えがあることなど家庭やイベントなどで行い既存にできなかったことを行ってほしい。

⑫ホームスクールを始めてから参加してみて良かったイベントやワークショップ

イエラボ、ホームスクーラーとお出かけ、農作物の体験、キャンプ体験、工作、手芸、料理、絵、動物との触れ合い体験。

⑬普段の過ごし方を教えてください

体調によりますが週1でイベントやワークショップ、塾、習い事、適応教室。

2日か3日に一度休息で自由に過ごす。

例えば、半日は映画、買い物などの外出で残り半日ゲームや動画を楽しむ。

気圧の変化や体調でくずれたら全て活動停止して回復のための休息日とする。

*「ホームスクールらしい」という言葉を聞いて、何かイメージすることはありますか?

平日外出したり、夜にドライブしたり自由。

朝はゆっくりだったり、モーニングに行ったり。

感覚過敏があると静かな夜を好む、扁桃体の違いで独自の睡眠リズムを持つそう。なので彼女には必要な時間と考えている。

創作活動、料理などをとおしての算数、生活、国語などの学びを得る。時間もカリュキュラムも自分に合うように整えていること。

*お昼ご飯はどうしていますか?

娘とつく置き、ポリめし、テロ飯、まるごと冷凍弁当、レンジだけ調理、アニメ飯などを調べて作ってみたりします。

収穫してきた野菜などで調理をして知人招いて食事をする。外食する、購入する。

オヤツもあり面倒なので楽しく。

⑭お勧めのサイト・コラム・ブログ・本など

写真だけでわかる料理本など料理。

科学Youtubeまてりある

世界の給食、世界一寒いところなど検索して動画をみる。

学研キッズネット地球科学のせかい

食品会社でも食とサイエンスや原料についての説明などある。

ニッセイ得する家事?

NHKなどドキュメンタリーやfor Schoolカフェトーク(オンラインスクール)

ピンスターで工作をきめるなど

てくてく自然さんぽ

教科書協会

こかネット

1ミリってどのくらい、物の断面、赤ちゃんの大きさ、10000個など視覚を中心とした図鑑や絵本。

みる(動物はどんなふうにみえているか)コモリブママ声いこーよ1000円で遊べる公園などお出掛けサイトなど。

⑮お子さんの性格や好きなこと・自分を表現するツールがあれば教えてください。

絵をかく、写真をとる、物をつくることが好き。若者が聴くような音楽、動画をよくみる。マイクラが得意。

*親子の距離感はどんな感じですか?

母一緒にいる時間が長いので通訳のように相手の感じ方、彼女がしたいことなど話す。普段から一緒にいるので普通の親子より距離感がないかもしれません。

父は一緒にゲーム、絵をかいたり遊び手、聞き手のような存在です。

⑯学習について迷いやポリシー・お勧め教材などありますか?

人から教わる、習う機会在宅15分を基準に机上で何か取り組む。

⑰ホームスクールを始める前から今現在までの間で何か変わったこと

急がせない、結果をもとめない。

ルールは最低限で常にかわる(ルールとよべなくなるぐらい)

その日その時で自分のぺースで取り組む。

⑱ホームスクールがきっかけで出会った人々との交流の中で感じること・思うこと

チガイがあることを知っているから受け容れることができる。

自分で解決できる力が備わっている。

仕事を継続できない。

満足度が高い。

経済的な負担がかかる。

⑲ホームスクールに関することで、何か「あの時こうしていたら良かった」と思い返すようなことはありますか。

もっと早く行かない選択を後押ししてあげられたのではと悔やむ。

⑳他のホームスクーラーや世間に伝えたい・知ってほしいこと

好きなことをしながら必要な我慢はできるようになる。

子供でいられる時間は少ないからたくさん楽しいことを学ばせたい。それを学ぶ場所が学校では無かっただけ。

人それぞれ、よその家はよその家。あなたの子がホームスクールを望んだときそれはあなたの家の問題です。

どんなホームスクールをしていくのか。仲間はいます。作ることもできます。どこでどんな時間を過ごすのか。

自分で決めて自分で幸せを感じてほしい。

命は生かされた時間ではなく、生きた時間であってほしい。

今までは前例がなくても、いつだって最初は前例がない。なければ作れる、前例を作っていけるように今頑張っている人、これから参加される方、既存の道をすすむ人、違いはあるでしょうが学校以外を選んだ子たちは弱い子、甘えた子、かわいそうな子?なのか自分で感じてください。

母みやさんへの質問は以上です。

母みやさん、ありがとうございました!これから一緒に活動していけることを楽しみにしています。

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小田 恵
ホームスクールジャパン【公式】

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