ホームスクールの始め方(お仕事編)
ホームスクールの環境整備
連載ものとしてお送りしております、「ホームスクールの始め方」。今回は第2回。ホームスクールを始めるに当たって絶対にぶち当たる壁、仕事と家計についてお話ししていきます。
ホームスクールでは親が教える。仕事はどうする?
ホームスクールを真剣に検討し始めた僕たちも例外ではなく『どうやってホームスクールと生活するための仕事を両立するか』にはだいぶ頭を悩ませました。
ホームスクールはぜひやりたいけど、日中子どもと一緒にいる時間を作るためには仕事をどげんかせんといかん。
これは本当に日本でやるのは難しいことのように感じました。ただ、結論から言うと真摯にやれば『道は開ける』ということ。
やったこと①:会社に相談してみる。
まずは、これかなと思いとりあえず会社に相談をしてみました。
僕の中での最低ラインは、生活ができることと、社会保険に入ることだったので、その条件を保ったままでどういった働き方ができるかを上長&人事に相談をしてみました。
僕はずっと教育関係の仕事についているので、会社も子育てに関しては理解があり本当に助かりました。具体的にはホームスクールを行うことを「ホームスクールとは何か。なぜこの手段を選んだか」ということから説明しました。
そして、子どもの教育を行うことから会社の勤務が少なくなること(少なくとも午前中〜3時頃までは子どもと一緒のため)をお伝えしました。
我が家は妻が休日勤務。その為、平日2日がフリーとなります。つまり、私は平日3日間、日中会社で働くことができない形になります。
結論:正社員契約をやめ、非常勤契約になる。年平均で月120時間以上働くことで社会保険に入れていただく。
こうなりました。
簡単にいうとアルバイト契約。あえてかっこよく言うとフリーランス(笑)です。予め、働ける時間を会社に提出し働きます。
給与の支払いはもちろん時給制度。正職員向けの制度(私の場合は賞与、住居手当、扶養手当など)は受けられなくなりました。
時給についての取り決めは、上記の通り、とりあえず生活に必要な額から逆算して決めました。
給料の総額は下がったけど、私立の学費を払っていると思えば、家族との時間も増えて良いんじゃない?
というのが率直な感想です。リアルなメリットとデメリットを書いてみますね。
メリット:
- みなし残業がなくなった。働いた時間=給料になった。非常にわかりやすいですし、今はお金が発生しているとより強く意識するようになり、集中できるようになった。
- 雇用時間が2/3程度になった。当然ながら、家族との時間が断然増えます。
- 重要な会議などを除いて、インフルエンザや突発的な子どもの対応に躊躇しなくなった。時給なので、正職員だと頭を悩ませる「子どもの突発対応」にイライラしなくなりました。非常勤なので、有給を使い切ってしまった!とかいう概念がそもそもありません。
- 副業が可能になった。正職員じゃないので、仕事に関してはだいぶ自由になりました。(これは後述します。)
デメリット:
- 年収が下がった。具体的には100万くらい。(でも、100万しか変わらないなら安いかなとか思っている自分がいます。)
- 社会的なタイトルが「非常勤」。若干プライド的な部分が邪魔をする。(といいつつも、なれるものです。『フリーランス』って言っとけばなんとなくかっこよく聞こえますし、僕の場合は社会的信用があるときに家も車も買っているので、まぁいまさら気にする必要はないかなと。)
仕事の内容は今までと同じ。ただ、時間が柔軟になったと捉えています。
横道ですが、私は会社の英語担当的なポジションで対外窓口担当でもあります。また、教育プログラムのデザインや、プロマネ的な仕事もしているので、急にいなくなるわけにも行かず、お互いに歩み寄った結果になりました。
英語できてよかった〜。と言うのはもちろん、前職も含めて今まで頑張ってきてよかった〜。というのは本当に感じました。
最悪辞めて、IKEA港北の夜勤に応募しようかと覚悟しましたが、今のところなんとかなっていますね。
やったこと②:在宅勤務でできることを探す。
減った給料は「教育費」ととらえる!
とかいいつつも、実際に額面で生活費が減るのは心配ですよね。なので、自宅にいる時にできる仕事はないかな〜と在宅の仕事を探しました。
少なくとも通勤の時間を考えると、家にいる時間に何かできればいいなと思い、額面的には、減った100万を少しでも取り返せたら良いなという気持ちです。
幸い、このご時世、色々と在宅のフリーランスお仕事があります。
僕は、かねてから「いつかやりたいなー」と思っていた翻訳の仕事を探してみました。
初めはクラウドワークスとか、ランサーズとかで仕事を探していたのですが正直単価が異常に安い。まぁ、そういうものなので仕方がないと思うのですが、僕としては切実にほしい額のラインが決まっていますので、ちゃんとした翻訳業務斡旋会社に登録をしました。テストを受けたりして、すでに登録していただいた会社も幾つかあり、今後もっと増えてきちんとした収入源に育てていき、老後まで趣味のライフワークとして取り組めたら良いなと思っています。
やったこと③:自分の事業ルミオハナの立ち上げ
副業がOKになったことで、自分がずっと夢見ていた「日本に新しい教育機関をつくる」という目標を叶えるきっかけになりました。
活動自体は数年前に始めたものですが、正直事業自体は牛歩状態。どれもいろいろな考察につながってはいるものの、フルタイムで働いているがゆえに腰を据えて活動をすることが難しかった現状がありました。
しかし、自宅にいることが増えれば必然的に個人事業を始めることができる!と思い、立ち上げに踏み切りました。(自宅の一部を開放して「まなびスペース」を開講)
ここでは、詳しく述べませんが「家庭的教育を実践する、教育機関」というコンセプトで子どもたちへの居場所を提供し、アットホームな温かい環境で個性を伸ばす教育をしています。(将来はこちらを本業に出来ればと頑張っています!)
少しずつ通う子も増え始めており、本当に嬉しく思っています。
がっつり収入源として、ではなく、好きなことを広げていき、それがいずれ生活に直結することを夢見て日々歩んでいるというのが正直なところです。
飛び出してみたら、意外と大丈夫だった。
ということで、今回は仕事と家計について書いてきました。
まとめると、意外と何とかなるものということ。もちろんいろいろな人の理解や協力に助けられてはいるものの、「えいや!」で飛び出してみるとなんとでもなる。
具体的には、ホームスクールを始めるために非常勤となったことで、変なしがらみや制約もなくなり、仕事への姿勢がシンプルになりました。
また、副業の制限が解消されたため、収入源を幾つか持てるようになりました。これは、夢を持つ大人として、個人的には色々と「カチッと」合致した、大きな進歩になりました。
まだまだ会社に頼る部分は大きいものの(特に社会保険)やはり、複数の収入源を持ちながら生活を作っていくことは自分を高めることにもなります。
自分の1時間当たりの価値が明確に金額で見れるようになり、極端に単価が低い仕事は自信を持って断ることができるスタンスができました。自分の価値をいかに高めるか(時給をいかにあげるか)といった自己研鑽のきっかけとなるので楽しい。大人だって、みんなそれぞれやりたいことがあるから、自己肯定的にいえば、「あるべき姿に戻った」のかなとも思います。
「子どものため、だけじゃなくて、自分も含めて家族みんなにとって良い方法」があるんだなーと、初めて知りました。
ホームスクールで子どもとの時間も増え、好きなこともできる。こんなに最高なことって無いですよね。
翻訳という、ライフワークを始めることや、自分の事業を始めるきっかけにもなり、知らない分野への挑戦も始まりました。子どもと始めるホームスクールと自分自身の夢が同時に動き出したというのは事実です。
ホームスクール、良いかもしれません。
…パート3につづきます。