ホームスクールは正解か

「ホームスクールには興味があるけれど、それが正しい選択なのはかわからない。」

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ホームスクールを始めるご家庭は、不安でいっぱいなことと思います。

どうしても「普通は…周りは…」という考えが頭をよぎる。なぜでしょうね。私ももちろんその一人です。

何が不安か?と言われれば何も不安じゃない。

そうなんです。

感覚としては、これから知らない土地へ長期の留学に行くような、そんなフワフワ感を感じに似ています。

海外のホームスクーリング情報サイトにホームスクーリングの良いところが書かれていましたので、解釈を交えながら日訳してみました。

「やっぱりホームスクールでよかったのかも」と思えるようなものでしたのでシェアします。

(翻訳元・参考)
http://www.home-school.com/Articles/getting-started-in-homeschooling-the-first-ten-steps.php

ホームスクールにはメリットがたくさん。

もし、ホームスクールが合わなかったら?
どこから始めたらいいの?

そう思っているなら、今この記事を読んでいるのは正解。大丈夫です。

うちの子にとってホームスクールは正しい選択か?

端的に言って、「Yes」です。

(あなたにそれなりの覚悟があって、子育てに積極的、かつ並の学力があり、精神疾患の診断をされたことがないのであれば、です。)

ホームスクーリングには、ものすごい学歴もお金も必要ありません。アメリカのリサーチによれば、高卒の親でも、高学歴(しかも教育学専攻)の親と変わらずにホームスクールを実践しているそうです。

また、子ども一人当たり年20万円程度のホームスクールカリキュラムを受けた子と、年60万円の教育を受けた子が同等の学力を得ることができた、という調べもあります。

知られざるホームスクールのメリット

ホームスクールは学力にポジティブな影響を及ぼし、社会的、精神的にも多くのメリットがあると言われ、ホームスクールで育った子どもの学力やIQは同学年(公立私立問わず)よりも高くなることも珍しくありません。

ここからは、それ以外のあまり知られていないメリットです。

(1)安全性

ホームスクールを心配する人たちはほぼ100%、「社会性はどうするの?」と聞きます。

確かに学校など、子どもたちがたくさんいる集団に属していればある程度の社会性は身につくかもしれません。ただ、この集団に変化が起きていて、「社会性」を身につける環境が崩壊してきています。

アメリカで、「ホームスクールをしている」というと、「まぁ、気持ちはわかるわ。学校も物騒になったものね」という返答をする人が昔より増えてきたそうです。

日本はアメリカほど物騒ではありませんが、向こうの家庭では「だれが銃やナイフを持ち歩いているのか」を考えなくてすむホームスクールは安全であると考えられているようです。

日本にも一向になくならない、「いじめ」という危険があります。

ある記事にはこう書かれています。

10代のアメリカ人の内、6割が1日に1回以上いじめを目撃したことがあると証言している。(日本ではもっと多いでしょう)また、アンケートによればいじめは国際社会におけるテロのようなもので、子どもたちがもっとも恐れているものであり、もちろん勉強にも大きな影響を与える。学校への部外者の侵入や、本当のテロよりも、廊下や教室内での心無い一言のほうが子どもたちにとっては恐怖である。

社会性は安全のもとでしか生まれません。

もちろんすべての学校が危険なわけではありませんが、家は100%安全であるといえます。
余計な心配をせずに、必要なことを学べる環境は何よりも優先すべきものだと思います。

(2)アルコールや喫煙、ドラッグへの露出が少ない

(日本ではドラッグはあまりないですが学生の飲酒、喫煙は日常的な問題となっています。)ほとんどの子どもたちは、家ではこういったことをしないでしょう。

アメリカの高校生500万人―全体の31%―が月に1回以上「飲酒」を体験しています。また、15才で飲酒を始めた子どもは、法令に定められている年齢(21才くらい)で飲酒を始めた人に比べ、約4倍の確率でアルコール依存症になるという成果もあります。

飲酒や喫煙の原因は、「悪友の存在」や「大人の管理不行き届き」が多く、そのほとんどは残念ながら学校がプラットフォームとなっています。

ホームスクールでは簡単にこの環境設定を変えることができます。

(3)精神的なメリット

心理的ないじめは身体的ないじめよりも悪質です。賢い子、またそうでない子だけでなく、周りから何かが「違う」と判断された時点で、攻撃の対象になることは簡単に想像することができます。

いじめられることはもちろん嫌ですが、我が子がいじめに関与するような環境も嫌ですね。

子どもたちは学ぶためにまず「安全」を感じていなければなりません。これは、教育の基本中の基本。

単純に心理的なプレッシャーや、集団であるが故に起こる暗黙の集団の圧力を取り除くことが必要な学びを進めていくことになるのは言うまでもありません。

先生の質問に応えられるなら手をあげていい。「めだちたがり」とか「いいこぶってる」とかの心無い一言は、関与しないのが一番だと思います。

(4)リタリンフリー(発達障害という概念が存在しない)

最近の学校は子どもにレッテルを張ることが大好きです。いろいろな物にたいする興味や反応が多い子には「ADD, ADHD」などのレッテルが付きます。

実際に、体脂肪率が低い人は(固い椅子に長時間座っているとお尻が痛くなるから)ADHDと診断されやすい傾向があるといった研究データもあるくらいですから、その真意は定かではありません。

ただ、一度でも「専門機関」から「ADHDですね」などと診断をされてしまうと、普通の親は「治療をしなきゃ」と思います。その結果として健康状態に全く異常がない子どもに、リタリン、アデラル、プロザックなどの精神薬を投与することになります。

ホームスクールでは、子どもたちは柔らかいソファーに座って勉強することができますし、ラグの上に寝っ転がってやってもいいわけです。
エネルギーが有り余っているなら、落ち着くまで好きなだけ走り回って来ればいいといえる環境があります。

本来それで良いはずです。これを冷静に見ると、学校がいかに集団の子どもを動かすために効率化された機関であるかがわかります。学校は子どもの都合では作られてはいません。大人の都合です。

ホームスクールに取り組む親は、その子にあった方法を見つけます。自分の子どもです。ずっと見ていれば、どうしたらいいのかわかるものです。

目に見えない「障害」を振り上げて子どもを傷つけるよりも前にやるべきことがあります。

その子にとっての「普通の行動」を見つけることが重要です。

そして万が一どうしようもなくなっても、頼る先は精神科医でも発達障害を直すための本でもありません。

行く先はすでにホームスクールを実践している人です。ベテランの方だったら、必ず回答を持っているはずです。

(5)性的圧力を取り除く

10代の妊娠について研究を行っている団体によれば、12才~14才の実に81%が「セックスの体験を急いでいる」と回答しています。

最近は「いかにおしゃれでセクシーに見せるか」といった概念がより低学年の子どもたちにまで浸透しています。(日本でもお化粧している小学生を見ることが増えた気がします)

社会、文化的な変化や、学校での異性との交流で「みんなやっているから」といった集団意識が生まれ、いつしかそれが「正解」となってしまう。仮にカソリック系の学校だからと言って、安全とは言えなくなってきている現状がります。

ホームスクールでは、子どもの成長に合わせて性について学ぶことができます。(親が、しっかりと教えることは大切で、今の日本では親が性について話すことがタブーのように扱われているから、変な興味を生んでしまうのではないかとすら思います。)

こういった、モラルの教育の質はホームスクールのほうが学校教育よりも数段手厚くできるでしょう。

(6)家族の絆が高まる

当然ですが、ホームスクールでは家族の関係が強まります。(そしてこれは、今の日本で最も大切なことではないかと思います。)

子どもたちは親の注意のもとで育ち、親は子どものことを本当によく知ることができます。

いつ気分を害し、いつ笑うのか。何が得意で、何が苦手なのか。
だれかに預けていたら絶対にわからないこともありますね。

また、ホームスクールで一緒に育った兄弟はより親切で、お互いに助け合う気持ちがある大人になるとも言われています。

(7)現実世界へのよりよい準備ができる

現代の学校は多くの方にとっては「あたりまえ」にうつるかもしれません。今まではそれしか選択肢がなく、私たち大人もそういった環境で育ってきたから当然です。しかし、実際のところ学校というのはとても特殊な環境で、現実世界から見るとひどく不自然ですらあります。

現実世界では、常に15~35人の同じ年齢のグループで活動するなんてことはありえません。

学習机に座って何かをやるというのも、現実の世界ではほぼ無いといっていいでしょう。

現実の社会では、様々な異なる年齢層の人と何かを成し遂げようと動きます。ホームスクールは年齢が異なるグループです。その中で年長者(大人)がリードし、ボランティアや独自のプロジェクトなど、何かしら社会のためになるような活動を行います。いわば社会に出る練習を日常的にやっているのです。

ホームスクールには本来教育に必要なものが色々詰まっている。

何より、最も安全な場所で、最も信頼できる人と、自分のペースで好きなことができるなら、これに勝るものはありません。

ホームスクール、いいですよ。

もしすでに実践されている方がいらっしゃったら情報交換をしましょう!

また、興味はあるけどご自身でホームスクールはできない!という方はルミオハナの「まなびスペース」にご連絡ください。きっと何かお手伝いができます。

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