モチベーションをあげる環境

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普通の家庭教育ではもちろん、ホームスクーリングでは特に子どもとの教育面でのかかわりの時間が多くなってきます。

家庭学習において、上手に子どもの気分をあげられるかどうかは、ホームスクーリングの命運を分けるといっても過言ではありません。

今日は子どもたちとの接し方(主に学習時)において、気を付けたいことをまとめてみました。

環境

まず一番大切なのは環境ですね。

教育ができる環境が整っているかどうかで学びに対する意欲は変わります。子どもも、親も。

なので、部屋は常にきれいにしましょう。きれいにできないなら物を捨てる。できるだけシンプルに、今必要なものだけが絵の前にあれば子どもたちの集中力は自然と上がり、学習に対するモチベーションはきっと上がるでしょう。

うちは不要な家具を処理して大きなテーブルをIKEAでバーンと買いました。

ゴール設定

ゴール設定は必須。シンプルに、「いつまでに何をどれだけやる」ということを子どもも納得の上で作成します。

達成すべきものはより具体的な方がいいでしょう。何枚プリントをやる、とか何時までは集中してこれを終わらせる、などです。

子どもたちは自分たちのできること以上を目指し、無理な目標を設定することがありますのでその辺はうまく調整をしてあげましょう。

ポジティブな声掛け

とにかくこれに尽きるといっても過言ではありません。

「何でできないの?」「これをやらないと○○できないよ。」などと言いたくなる気持ちはすごーくわかりますが、こらえましょう。

「もう少し!」「○○終わればいっぱい遊べるね!」など声をかけてあげる。できたところを褒める。これは教育の基本です。

また、「できたらお菓子をあげるね。」「おもちゃを買おう」などの物理的なご褒美はなるべくあげないようにしましょう。これは巷では「賄賂」とよばれ、これを続けていると賄賂がないと動かない子になってしまうそうです。

褒める時のポイントですが、その子の「才能」をほめるのではなく「努力」をほめると粘り強い子になるそうです。

たとえば、「字がきれいだね」だけではなく「たくさん練習したから字がきれいになったんだね」と努力を評価する声掛けをしましょう。

お手本

なかなか忘れがちです。教育はまず環境ありきですが、環境だけでは伸びません。

土壌を整えて種を植えるだけでは花が咲かないのと同じ。きちんと水やりをしたり、肥料をあげたりしないといけないように、子どもたちにも助けがいります。

その大きな助けの一つが、「お手本」です。

大人が率先してやって見せること。そして楽しむこと。これは子どもに「僕もやってみたい!」という動機を与えます。

まず、親が楽しむ。すると自然に子どもたちも笑顔になれると思います。

町田リス園にて。パパも人懐っこいリスに大興奮。周りの子連れに引かれるテンションでした。

個性

せっかくマンツーマンでいるのだから、子どもの興味、個性をできる限りしり教育に当てはめていくのは最高に効果的です。

当然ですが好きなことなら子どもは意欲的に取り組みますし、予定以上のパフォーマンスを発揮します。

興味だけでなく、子どもの得意な分野、苦手な分野についてはいくら研究してもしすぎることはありません。

せっかくずっと一緒にいるのですから、子どもの顔をみて、目を見て沢山話すようにしましょう。その会話の中から子どもの個性を見つけアジャストしていくことでお互いにとって居心地のいい教育ができると思います。

工作にハマっている長男。急に思い立って「○○をつくる!」というので材料集めはパパ担当。写真はたこ焼き

理解

もし子どもたちを自宅で教えるのであれば、あなたはその単元を何も見ないでカバーできるくらい熟知している必要があります。

きちんと理解して、説明できるものを自信をもって説明しましょう。大人のプレゼンテーションでもそうですが、本当に響くことばの裏には「自信」があります。

飾らず、子どもと一緒に(そして子どもの3倍は)まなび、圧倒的な知識量をつけましょう。そうすれば自信もつき、それが子どもたちの理解につながります。

伝達

もし、あなたが子どもに何か望んでいるのだとすれば、それをきちんと子どもにわかる言葉で事前に伝えましょう。

毎朝おきたら、○○をしてほしい。2年生までに○○ができるようになってほしい。などです。

行き過ぎた要望はコントロールしなければいけませんが、ある種のポジティブストレス(いい形の刺激)は子どもの「認められたい」という動機につながり、やる気になります。

興味

興味の対象を幅広く伸ばすことは子どもたちの可能性を広げます。沢山の「リアルな」事象に触れ、体験をしましょう。

これはとても大事で、見る、聞くなどの受動的な力に比べて、触る、動く、感じる、といった体験を行うことが子どたちの限界値を引き上げるきっかけになります。

例えば、火や包丁を怖がらずに料理をさせてみる。大人が使う調理セットを使ってです。この時の子どもの目は真剣そのもので、必ずや何かを学んでいます。

教科書のページ数では計り知れない体験の積み重ねは、確実な「力」になります。

「豚肉はよく焼くんだよ?」「なんで?」「色が変わるね!」etc.. 沢山の学びが詰まっています。

仕事

「体験」と少し重なりますが、子どものモチベーションをもっとも高めるものの1つが子どもが家族の1メンバーとして責任を持って行う仕事です。

役割を担い、それに対しては責任を負うと同時に、達成したときには感謝される。

家族というコミュニティのメンバーとして存在価値を持つことでアイデンティティが養われ、他の学習への積極的な取り組み姿勢、リーダーシップに繋がります。

教育は農業

昨今はマニュアル本など頼った機械的な子育てが主流になっているようですが、私たちはそんなものに屈してはいけません。

教育とは農業である、というのはケン・ロビンソンがいうところですが、まさにその通りで、最高の知育玩具に最高の家庭教師、最高の勉強机に最高の教科書などがそろったとしても、子どもは勝手には育ちません。

毎日そばで見守り、水をやり、肥料をやり、晴れの時には一緒に喜び、嵐の時には守ってくれる人がいて初めて花が咲くのです。

農業家(教育者)のスキルを上げることは当然ながら、丁寧に土を耕し、成長を見守る姿勢を忘れないようにしたいと思います。

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