「学校に行かない」という選択

「ぼく自由になりたい!!」と言って、学校をやめると決めた三男。

火曜日に、家にやってきた担任から「学校おいでよ。イヤだったら運動会の練習しなくていいから。算数もしなくていいよ。」と甘い言葉をささやかれました。

私が「自分の言葉で伝えてごらん」と後押しすると、三男は「わかったよ、明日から行くから!」と先生に約束してしまいました。あれ?辞めるんじゃなかったの?お母さん、てっきりもう行かないと思っていました。

自分で言ってしまったということもあり、かなりイヤイヤですが翌日は国語の時間だけ登校。その際、私も教室で見学させてもらいました。本人は、退屈で退屈で仕方ない様子。まったく授業に身が入っていません。それが水曜日でした。

木曜日、5・6校時が図工。大好きな粘土とのことだったので、給食と図工だけ登校しました。金曜日は大好きな図書の時間に合わせて中休みから給食まで登校。

そして土曜日、運動会です。お遊戯がイヤだけど、かけっこは出たいと言うので、それに合わせて登校。正門で先生が待っていてくれて、かけっこだけ楽しく参加しました。

日曜はゆっくり過ごし、月曜日は振り替え休日。改めて「ぼくもう学校辞めたい。明日から行かない。」と言います。

翌日火曜日は、図工があるので朝から登校し、給食を食べたところで早退しました。水曜日の今日はお休みしています。明日は楽しみな授業があるので行くと言っています。

本人が行きたいところだけ参加しています。もし、この調子で学校が許してくれるのなら万々歳です。はてさてどうなりますことやら。

学校には、本人の気持ちに任せるということを伝えてあります。すごく嫌がるようなら「無理して登校させたくない」と話しました。今までの経験上、どうやら「3日以上病気以外の理由で続けて休む」と、学校側には大事件のようです。

年間の「病気以外の欠席日数が30日以上」になると、「不登校」の扱いになります。「行きたくない」と学校を休まれるよりは、1時間でもいいから登校してほしいというのが先生方の本音。

私の考えは、「本人が行きたいと思うなら登校すればいいし、嫌だと言えば家で過ごせばいい」です。本当は学校に行きたくない三男が「先生の前に出たらつい、いい顔をしてしまった」というのも社会経験だと思っています。ですので、子どもの本音に配慮して、私の方から先生に伝えてあげるようなことはしません。(以前は先回りをしてしまっていたので反省。)

図工や図書など、本人が好きな授業の時は、学校が楽しい場所になるようです。休み時間にお友達と遊んだり、給食を完食して褒めてもらったりすることもいい経験だと思います。

私自身は小学校の頃、休み時間も図工もキライでした。学校は苦痛でしかありませんでした。それでも国語の時間の音読は好きでした。みんなの声が合わさり、物語の風景が頭に浮かんでいました。その頭の中の優しい景色を今でも覚えているくらいです。

一方、三男は音読が大の苦手。音読が始まると上の空。座っていることすらイヤになって、足をブラブラさせて注意を受けます。

子どもたちは、得意不得意、好き嫌い、それぞれの性格や資質によってそれぞれに個性があります。私は学校が嫌いでした。三男は、学校は嫌いじゃないけど、勉強が大嫌いとのことです。私の主人は、勉強は大嫌いだったし、とても落ち着きがなく、一人だけ机ごと廊下に出されるほどの問題児だったそうです。それなのに、学校が楽しくて楽しくて仕方なかったと言います。楽しかった記憶しかないと。

学校が楽しい子は、とても幸せだと思います。与えられた環境が合っていたということですよね。でも、合わなかった子にとって、学校は苦痛な時間が多くなります。

時代の流れとして「学校に行ってさえいれば将来安泰」という伝説は、とおの昔に終わりを告げています。教育業界はなかなか気づいてくれません。私たち親も「学校には行くものだ」という強い思い込みがあります。本当にそうでしょうか。私はそうは思いません。子どもが学校に合わないのなら、「学校に行かない」という選択肢もあり得るのです。

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