祖父母世代に理解を求める

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固定概念はそう簡単には変わりません。

先日、父母及び義父母にホームスクールの説明をしました。

前々から濁してきたというか、はっきり説明してこなかったのですが、まぁ隠すことでもないので、ちゃんと。

で、思ったことは、

ホームスクーリングを他人に説明するのは家族であっても難しい。ただ、家族は真剣に話せばわかる。

ということです。もちろんどういった家庭かはそれぞれ違うと思いますが、後ろめたい気持ちとか、めんどくさい気持ちがあるのであればたぶんホームスクーリングとか七面倒くさいことはこの先きっとできないと思いました。

馬鹿にするつもりは全くなく、昭和の頭ではやはり理解はできても、この新しいスタイルの学習方法にすぐに肯定的にはなれない、というのがおそらく正解。

なので反応はもちろん否定的(というか懐疑的)

「社会性は?」「普通に行かせれば?」「親のエゴでは?」

そういった反応は普通です。

で、どうするかというと僕はこうしました。

  1. 「愛する子のために英才教育をしたい」と伝えた。
  2. 「学校の教育はどうしても信用ならない」と伝えた。
  3. 「カリキュラム(日々の運用の見通し)を伝えた」
  4. 財政的な安定を伝えた。
  5. 「困ったときは助けてくれ」と伝えた。

「愛する子のために英才教育をしたい」

これは、正直なところ本意ではありません。別に英才教育とかエリート教育なんかくそくらえです。でも、一番わかりやすいですし、私たちホームスクーラーが言っている「個性を伸ばそう」「のびのびとありのままに」とかいうのは、客観的に見たら変わった教育方法なんだと思います。なので、

「子どもたちの才能をみつけ、伸ばす」という意味では「英才教育」としてくくってしまった方がずっとわかりやすい。この表現だったら、「なるほど…、でどうやるの?」と少しだけ聞く姿勢ができると思います。

「不登校」という単語はネガティブなイメージが強いので使いません。

「学校は信用ならない」

僕自身も小学校の時から学校には懐疑的で、だから留学をしました。ただ、そういったバックグラウンドがなくても、今のニュースを見ていれば学校が子どもを守る態度を示していないのは一目瞭然。

たとえば横浜市で原発被災者がかつあげにあっていたのに、「いじめじゃない」とか言っている。

そういったニュースはみんな知っていますし、正直なところ学校への信用という意味では祖父母世代もあまりないというのが現実ではないでしょうか?

みんな「いくものだから」学校に通っていたわけで、別に先生が素晴らしいからとか思って公立校に通わせている人は少数だと思います。

なので、「大卒の24歳かそこいらの人が”先生先生”と言われながら、30人1クラスという環境下で波風を立てないように言われたことをやっているところだよ?」と伝えましょう。

このご時世に30人1クラスなんていう教育をしている先進国は日本くらいなもので、そんな中で今社会で大事にされている「個性」とか「創造性」が育つわけがないということをしっかり伝えていきましょう。

ちなみに、もちろんいい先生はいます。僕はたくさんのいい教員の方を知っています。でも、そういった先生にわが子が巡り合える可能性は神のみぞしりますし、どんなに良い先生にとっても結局うちの子はOne of Them(大勢の内の一人)でしかないというのは変わらない事実です。

教員がどうというわけではなく、学校という制度そのものが「産業化」しているということなんですね。

「カリキュラムを伝える」

これはもしかしたらとっても大切なことかもしれません。

多くの祖父母世代は、「学校に行かない」という事実だけを聞くと飛び上がってしまいます。その理由は学校に行かないで何をやるのかがわからないから。そこにある価値を想像できないからです。

絶対に伝えたほうがいいものの例として…

  • 時間割は子どもと一緒に作り、規則正しく運用する。(ただし、無理はせず子どもと合意の上で進める。)
  • 子どもは一人にならない。放置されないこと。
  • 俗にいう引きこもりではなく、色々な現実の場所へ積極的に足を運ぶ。
  • 社会性やほかの子どもとのコミュニケーションは習い事(我が家はボーイスカウト、空手、公文式)や地域の活動、そして当然のごとく放課後の公園や学校の広場に行って養う。
  • 学校の教科書や学習指導要領を軸に教える。
  • 学校の先生(担任)や校長先生と定期的に話し合いをし、建設的に学びについての連携をとる。
  • (ちょっと例外的ですが、モンテッソーリやインターナショナルスクールなどと扱いはほぼ同じということ。)

とにかく、懐疑的ではありつつも学校を権威と思っている世代には「学校」に反発しているわけではなく、あくまでも自分たちの信じる教育を子どもに受けさせたいということを伝えるといいと思います。

「財政的な安定を伝える。」

これも家族ならではの心配事ですよね。「ホームスクールって、親の仕事はどうするんだ!」と言われるのは当然です。

まず、お金の心配は大丈夫なんだということを伝えましょう。

我が家は毎月14万の住宅ローンのほか各種生活費で最低でも30万はランニングコストとしてかかっています。

こういった財政面をホームスクール中でもちゃんとカバーできるることを伝えましょう。ここ、「あんたらどうやってるの?」ということを詳しく知りたい方いればレスポンスください。反応ありましたら詳しく書きます。

「困ったときは助けてくれ」と頼ること。

「かえって逆効果なんじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、やはり家族です。自分たちのホームスクールをやる意義、熱意を伝え、それが本当に子どものためを思ってやっているということなら祖父母世代はきっとわかってくれるでしょう。

そしてもう一歩、「我々はチームなんだ。だからこの子のために協力してほしい。」ということを伝えましょう。

本当に頼るかどうかは、度合いによって違いますが、「ホームスクールは素晴らしいから、一緒に協力して成功させてほしい。」ということは伝えたほうが精神的にも前向きになれるのだと思います。

我が家は具体的には、毎週金曜日の夜におばあちゃんちに泊まり、次の日に公文に連れて行ってもらいます。そのお金は祖父母世代が出してくれることになりました。

いっしょに教育に携わってもらう。第三者(的な)視点をもって子どもに接してもらうことは子どもにとっても良い効果があると思っています。ありがたい限りです。

金土と預かってもらえればその時間、親は必至に働けますしね!

いかがでしたでしょうか?

ホームスクーリングをやるうえで家族は一番の障害にもなりえます。

しかしキチンとコミュニケーションをとることで一番の味方にもなってくれます。

家族が納得できないなら、この先のホームスクールはかなり過酷なものになるでしょう。この一大事業はまさに家族プロジェクト。協力は必須です。

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