これからのコンテンツデザイン

出版とネット・デジタル配信を全体最適化する

香月登
HONTENTS
3 min readJan 17, 2017

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出版業界から電子書籍を通じてネット世界への拡張を実践してきたこの5年間、常に「この電子書籍の紙の本はないか?」との要望が一定の読者、もしくは購読希望者から寄せられてきました。

スマートフォンの普及により、今後そういった声は少なくなると考えていますが(実際に電子書籍の利用者は増加を続けていますが)、丹念にその声を拾っていくと、書店流通にとどまらない紙の出版物の需要が底堅くあることを再認識しました。

さらに、AmazonPODという電子出版の亜種とでもいうような出版手法が実現したこともあって、ここ1,2年はデジタルの範囲にこだわらない多様性のあるコンテンツ配信方法について考え実践してきました。

電子書籍から紙電子書籍を作るような出版(デジタルファーストやボーンデジタルなどと言われていますが)を繰り返すうちに、当然コンテンツの企画制作工程についても、どちらが費用対効果が高いのかなどといった紙とデジタルの二極対立ではなく、何をどのように作っていくことで、どうしたら効果的に読者の手に届くのか、その全体最適化ができないかと考えるようになりました。

出版企画を企画段階からネットと電子書籍と紙の出版物とを一方向だけでなく可逆的に制作配信、出版ができる、または選択的に実践ができる方法を獲得することによって、著者が対象の読者へコンテンツを届ける際に、多様な選択肢を提供することができ、読者もまた容易に欲しいコンテンツを手にすることができるようになると考えています。

このときに私たちは日頃コンテンツとどうのように接することになるのか。それはスマホなどのネット端末で接するデジタルコンテンツを起点として(文章にとどまらず音声や動画も含まれていくものと考えています)、それが紙の出版物へ転換したものや、予めの同時に制作されている状態が当たり前になっていると思います。流通形態も同時に変わっていくと考えますがその話はまた別の機会に。

タイトルに掲げたコンテンツデザインとは、ネット上のコンテンツをいかに読みやすく整えていくのかといった観点から、ウェブ業界で様々な研究と実践が進んでいる概念です。

そのコンテンツデザインとは何かについては、ネットで検索すると一番に表示される、ウェブデザイナーの長谷川さんの記事がわかりやすいと思うので興味がある方は参照してください。

今後、情報や知見の発信は、あくまでもネットを起点にしながらも、そのコンテンツをどのように制作、管理し読者へ届けていくのか、その先には紙の出版も見据えたコンテンツデザインの拡張が必要だと考えています。

HONTETNSでは、こういった新しい出版手法を「出版」の力で理念の整理発信や自社事業PRを実践したいと考えている中小企業経営者の方々に提供していこうと考えています。

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