アジア最大のシビックテックカンファレンスに行ってきた
10月5–7日に台北で開催されたg0v summit 2018に参加してきました。No Mapsのセッションや札幌ITひよこ会#2、Code for Japanの参加報告会でのわたしの発表内容を軸に、感想などをまとめたいとおもいます。
なおg0v summitってなにそれおいしいの?などの疑問は、このTAIWAN Todayの新聞記事とかまみさだ姐さんのブログなどを御覧ください。
日本からたくさんの参加者
去年台北で開催されたCivictTechFestには日本からの参加者は7名でした。その内容の充実さと行きやすさから、もっといろんな人が日本から参加できるといいなあ…とわたしは思っていました。近いし、航空券安いし、やってること面白いし、ご飯も美味しいし…。なので、周辺にも「コスト的に欧米に5人行くなら25人はいけまっせ!」と営業したりもしていました。
わたしの営業の成果はたぶん無かったのですが(笑)、いざ蓋をあけてみると今回は15人(ひょっとしたら17人くらい?)もの方が日本から参加されました。みなさんそれぞれの興味やマイプロジェクトに関連するテーマのセッションやワークショップに参加したり、他国の参加者にも積極的にコミュニケーションをとるなどして、多くのことを吸収や共有をされていました。日本ならではの地域密着型事例とかアレゲな行政文化との合意形成は世界的にも応用可能な話だとおもうので、こんどは日本からの発表も増えるとよいかもしれませんね。
また、今回は登壇者の音声をテキスト化し翻訳もしてくれる日本のアプリであるUDトークさんもイベントの支援をすることになり、新たな形でのコミットがあったことはよかったです。今回は英語のセッションだけでなく中国語のセッションもあり、どちらのスキルも乏しいわたしはややもすると何を話されているか全くわからなくなり寂しげな眼をした迷い猫になるかと思ったのですが、今回はリアルタイムで翻訳してくれるUDトークに何度も助けられました。このほかにも海外からの参加者や、ろうの方もすごく助かっていたようです。未来すごいぜ、UDトークの青木さんほんとGJです。UDトーク導入の経緯はこちらにあります。
次世代とOpen
今回日本の参加者には、若い世代の方も半分くらいいたのはとてもよかったです。でもふつうに参加しているのも何なので…と、インド帰りで現在Code for Americaのインターンをしている大西くんに飛び入りのライトニングトーク(5分プレゼン)のエントリーをすすめたところ、「あっハイ」とすぐ引き受けてくれました。
準備当初はちょっとナーバスになっていましたが(笑)、本番では例の「餅から米を作る」スライドなどをうまく活用したインド英語で会場を爆笑の渦に巻き込み、大喝采を浴びていました。この経験はとても大きな財産となったことでしょう。
また、イベント運営にかかわったg0vのメンバーはほとんどが若い学生でした。スタッフだけでなく発表者や司会や実行委員長を務める方も若い方がメインで、台湾におけるかれらの社会参加に対する関心の高さを去年同様にうかがえました(ただし、台北以外の地域や下の世代やへの伝播は今後の課題ということで、引き続きウォッチしていきたいところです)。
※もちろん日本が少ないとか劣っているというわけではなく、現状からさらに上乗せするためには、既存の関係コミュニティとの連携など、もうひと工夫・ふた工夫・さん工夫いるのだろうなということを痛感せずにはおれませんでした。
ふと感じたことは、彼らはとっくに”Open Native”なのかもしれないということでした。少し前に”Digital Native”なんて言葉が流行りましたが、彼らにとってデジタル化なんて朝起きてパンツはいて服を着るくらい当たり前のことのようで、いまではさらに”Open”のすてきなスニーカーを履いているようでした。
つまり彼らは、Openな材料から生み出した考えや成果をさっさとOpenに共有して、言葉や場所を飛び越すOpenなコミュニケーションをとり、これらをうまく組み合わせて社会にOpenなかたちでインストールしていくことをごくごく当たり前にこなしていました、まるで放課後に公園でバスケをするように。まだ日本ですぐこんなふうにいかないかもしれませんが、ひとつのお手本がここにはあったような気がします。
わたしは彼らよりもすばやく年をとり、たぶん先にいなくなってしまうでしょう(だって生き物ですし)。そんなわたしは彼らになにができるのだろうかということを考えながら、賑やかな終幕のスタッフ記念撮影を眺めていたのでした。
謝辞:台湾のNoahとLisaさんには今回の参加に対して多くのサポートをいただきました。
Noahは美味しいお店から何から細かい連絡を各方面にとってくれたり、Lisaにいたっては参加のアナウンスやSlackのコミュニケーションから現地のトラブルのサポートに奔走してくれて、本当にありがとうございました。感謝してもしきれないぐらいです。ありがとう、多謝你 Noah, Lisa.