新卒採用と新卒一括採用の違いについてまとめてみた。

via pexels.com

来週のナビサイトグランドオープンを前にNewsPicksで就活特集がスタートしたり、毎年恒例の「就活祭り」が今年も賑わっております。

学生の就職活動というトピックでかくも賑わうのは、世界広しと言えども日本だけなのでは?というくらい老若男女問わず盛り上がれるテーマですよね。

新卒採用と新卒一括採用は何が違うのか?

この二つ、たった二文字違うだけなのですが、たった二文字違うことによって、実は決定的な違いがあります。

まず、新卒採用について。

新卒採用とは、読んで字のごとく「新たに学校を卒業する、社員としての就業経験を持たない人材を採用すること」です。

新卒採用では、多くの企業において、専門性やスキルによってジャッジをするのではなく、地頭力や人間性などほぼ100%ポテンシャルで採用をします。

それも、ヨーロッパのような「一部のエリート」(カードル)に限った話ではなく、日本中の大学生が等しくポテンシャルで、就業経験なしに就職できる機会が得られます。

これは極めて世界的に見て稀有な雇用慣行です。欧米では、アイビーリーグやグランゼコールのような一部のエリート大学を除き、大学卒業後、何の就業経験もなくポンと採用してもらえることはほとんどなく、大学在学中、或いは卒業後にインターンという名の「丁稚奉公」によってスキルを獲得してからでなければ、正社員として採用してもらうことはほとんど難しいです。

この「稀有な仕組み」によって、日本は世界で最も「若年層の就業率が高い」(若年層の失業率が低い)国となっているのです。

新卒採用についてはいろんな議論がありますが、ぼく個人としては「新卒採用は極めて優れた社会システムであり、セーフティネットである。したがって、廃止すべきではない。」という立場です。

一方、「新卒一括採用」は悪だと思う。

一方、「新卒一括採用」はどうか。そもそも「新卒採用」とは何が違うのか。

新卒一括採用(しんそついっかつさいよう)は、企業が卒業予定の学生(新卒者)を対象に年度毎に一括して求人し、在学中に採用試験を行って内定を出し、卒業後すぐに勤務させるという世界に類を見ない日本独特の雇用慣行である。

「年度毎に一括して求人する」という点がポイントですね。

これは、正直もう「機能不全」を起こしてしまっているように思えます。

特に酷かったのが2016新卒から始まった就活後ろ倒し。厳密に言えば「採用活動後ろ倒し」なのですが、これにより起こったのが「ハイエンド学生とそうでない学生、意識高い学生とそうでない学生の格差拡大」です。

http://now-or-never.jp/?p=2027

良い悪いではなく、意識高い学生は入学直後からベンチャー企業へのインターンをはじめるなど、動き始めています。

しかし、そうではない学生にとってはナビサイトオープンイコール就活のスタートなんです。僕らの時代(2011年新卒)はナビサイトオープンは大学3年の10/1でした。それが12/1になり、3/1になったと。

ほかのあらゆる人間活動と同じく、就職活動の成否は「投入した時間の総量(努力)」と「能力」の掛け算によって決まります。

ハイエンド学生は就職活動の開始が遅くとも、能力で何とかカバーできてしまうのですが、それ以外の学生にとっては「時間が必要」なのです。

そしてその「就活生の格差」を生んだのが、就活後ろ倒しだったのだと。

そもそも、採用活動の開始時期を経団連が決めてること自体、もう限界なのだと思います。

ファーストリテイリングやワークスアプリケーションズは随分前から通年採用をはじめていますし、ベンチャーやスタートアップにおいても採用は完全に通年化してます。

もちろん、大学の卒業タイミング自体は「一括」(ほとんどが3月末)ですが、採用活動の開始を一括化する意味はもはやほとんど残されていない「惰性の産物」でしかありません。もしかすると、一括採用から通年採用になることで日本が世界に誇る新卒採用システムか瓦解してしまう、ということもありう

もう一つの「一括」採用とは?

僕が問題視しているのはむしろこちらなのですが、一括採用にはもう一つの意味合いがあります

それは「学生から人気を集めるプレミアム企業ほど、採用のほぼすべてを新卒採用のみで行っている」という意味での一括採用です。新卒採用オンリー企業ですね。

これによって何が起こるか。

例えば、とある学生Aさん。

Aさんは、とある大手総合商社と、急成長中のベンチャーの両方から内定が出ていて、悩んでいます。

本当に五分五分で悩んでいた中、とあるオトナに相談したところ。こんなアドバイスをされます。

ベンチャー企業は、転職でも入れるけど、超大手企業は新卒でしか入れない。だから、新卒では超大手企業に行った方がいいよ。

この人は、何を言っているのでしょうか。

学生Aさんがどんな持ち味、ビジョンを持っていて、どちらの方がより生き生きと働けそうか、という軸でアドバイスすべきなのに「新卒で入社できるのは大手企業」という謎のロジックでアドバイスしてしまっているのです。

さらに悪いことに、学生Aさんは「確かにその通りだな」と納得してしまい、ややモヤモヤしたものを抱えながら総合商社に入社を決めてしまうのです。

これは特殊な事例なんかではなく、日本中至る所で行われているアドバイスと意思決定なんです。

なぜこんなことになってしまうのでしょうか。その理由はシンプルで、学生から圧倒的な人気を誇る大手企業ほど、人材採用を新卒採用「のみ」で行っているケースが多く、「あの企業に入るのは新卒プレミアムを使うしかないんだ!」という思考を発生させてしまっているのですね。

つまり、日本の学生の間にはびこる「超大手志向」は、こうした「新卒オンリー採用」によって、超大手企業に入る間口が新卒に限定されてしまっていることによって起こっているのです。

これを解決するには一つしかありません。

そう、超大手企業が、もっともっと第二新卒採用を含めたキャリア採用を本格化すれば良いのです。

「憧れの大手企業には新卒でしか入れない」

ではなく

「ベンチャーで修業して経験を積んでからチャレンジするのもアリだよね」

となれば、もっともっと、日本中の優秀な学生たちの目は、大手企業からベンチャーに向くはずなんです。

好景気に伴う採用難のためか、これまでほとんど新卒採用のみだった超大手企業が第二新卒採用をはじめていますよね。

とてもいい流れだと思っています。こうした取り組みが、もっともっと広がるといいですね。

雇用の流動性を、もっともっと高め、マクロ・ミクロの視点から人材の最適配置を実現し、イキイキとはたらく人を増やすこと。それが僕の野望であり、悲願です。

これから社会に出んとする、すべての若者に幸あれ!


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