LMIコングロマリットから目が離せない!リンクアンドモチベーションの投資先まとめ
昨日、アカツキさんの東証マザーズ上場のニュースが話題になりました。
アカツキファンのひとりとしては嬉しい限りですが、株主構成を見ると、最近活躍が目立つあの企業の名前が。
上位株主としては代表取締役の塩田元規氏が39.92%(同氏の資産管理会社サンクピアが19.52%)、取締役の香田哲朗氏が19.52%(塩田氏と同じく同氏の資産管理会社Owl Ageが9.76%)を保有している。これにグロービス・キャピタル・パートナーズ(グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合無限責任組合員)が4.54%、リンクアンドモチベーションが4.03%、Globis Fund IV,L.P. が2.72%と続く。
そう、リンクアンドモチベーションです。
NewsPicksでのコメントを見ると、朝倉さんが「リンクアンドモチベーション社が出資なさっていますが、起業家から見ると実は最良のVCではないかと思っています」とコメントされており、やはりそうなのだなと。
インキュベーション事業部の麻野さんを筆頭に、アカツキ以外にも積極的に投資をされているようなので、軽くまとめてみました。
FiNC
また、ヘルスケア系スタートアップのFiNCにも出資されていますね。
従業員のモチベーションを切り口としたコンサルティングを行うリンクアンドモチベーションによる導入が既に決まっているそう。今後、1年目に100社、2年目には500社を目指して導入企業を増やしていく予定。これまでの個人に加えて企業へのサービス提供が実現することで、サービスリリース当初からの目標である「FiNCが10人に1人に使われる」社会が大きく近づくのではないでしょうか。
Schoo
今回の出資先ともさまざまな領域で連携できると考えている。リンクアンドモチベーションはパソコン教室の「アビバ」を傘下に持つ。そのため、「schooでExcelやWordの使い方を学んで、分からないところは全国のアビバ店舗へ直接いって個別サポートが受けられるといった形もありえる」(森氏)。
実際に、スクーでリンクアンドモチベーション執行役員の麻野さんが「組織に変革をもたらすマネジメント入門」という講義をされてますね。
ラクスル
ラクスルが昨年40億円もの資金調達を行った際の引受先にも入っていますね。
調達した総額は40億円で、引受先は既存株主のオプト、グローバル・ブレイン、WiL、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ANRI、電通デジタル・ホ ールディングス、GMO VenturePartnersの7社に加え、新規株主としてリンクアンドモチベーション、グリーベンチャーズ、 Global Catalyst Partners Japanの3社が加わる。
フロムスクラッチ
デジタルマーケティング領域で急成長中のフロムスクラッチにも出資しています。代表の安部さんはリンクアンドモチベーションのご出身ですね。なお、投資事業を行うインキュレーション事業責任者の麻野さんが社外取締役に就任されています。
LiB
女性に特化したキャリア支援を行うスタートアップLiBも、リンクアンドモチベーションから資金調達をしています。
リンクアンドモチベーションとクラウドワークスとは業務面でも提携。“次の時代のキャリア形成、企業の労働力の確保を支援する仕組み”として「キャリアパスポート構想」を掲げた。LiB代表取締役社長の松本洋介氏は「女性のすべてのキャリアや経験をインターネット上に集約させる試み」と説明する。
具体的には、個人ユーザーのフルタイムでのキャリア情報、リモートワークの就業経験や評価、将来設計情報、取得資格や学習履歴などをLiBz CAREERのレジュメに蓄積し、企業の人事担当者が見られるようにする。
3社の役割はこうだ。LiBは従来通り、個人ユーザーに向けて転職支援サービスを提供してキャリアカウンセリングを実施し、転職希望者のキャリアの選択肢を広げる。リンクアンドモチベーションは、組織診断や採用、研修、制度設計、人事コンサルテーションなどのサポートを企業に導入し、多様な女性が活躍できる組織作りを支援する。
ネオキャリア
同じく人材領域のネオキャリアにも出資しています。
ちなみに、ネオキャリアの専務取締役副社長はフロムスクラッチの出資者でもあり、監査役を務められています。
個人的に一番面白いと思っているのがこの座組みです。先日ネオキャリアさんからリリースされた「人事部を経営のセンターピンへ」のキャッチコピーが印象的な新サービス「jinjer」は、実はこの「リンクアンドモチベーションコングロマリット」によって生まれたものだと思ってます。
就転職・派遣・求人広告といった人材サービスを展開してきたネオキャリアが、新たに人事領域のデータを横断的にマネジメントできるプラットフォーム「jinjer (ジンジャー) 」の提供を開始した。
「jinjer」は、クラウドで人事領域のデータを横断的にマネジメントできるプラットフォーム。これまで人事に関するデータは「数値化」「可視化」されてこなかったが、「jinjer」はこの領域の課題解決に取り組む。
「Jinjer」は、ネオキャリア1社のみで提供するわけではない。採用・人事関連サービスを提供している他の事業会社とも連携を図る。リリースのタイミングでは、FiNCとフロムスクラッチの2社との業務提携を発表しており、今後提携先は増えていく予定だ。
そう、ネオキャリアからリリースされたものの、1社単独ではなく、FiNCやフロムスクラッチなど、「リンクアンドモチベーションコングロマリット」から生まれたものだと推察されます。
「jinjer」で中小ベンチャー企業の人事システムの領域を押さえに行きつつ、リンクアンドモチベーションの本業につなげていく、という狙いかと思いますが、リンクアンドモチベーションがjinjerと連動した施策をリリースするのも時間の問題かもしれません。いえ、既に数社の企業に対しては先行して提案しているかもしれませんね。
リンクアンドモチベーションの投資先一覧
リンクアンドモチベーションの投資先一覧は以下の公式サイトに書かれています。上述していない企業では、上場申請を取り下げたリッチメディアや、レクミーでおなじみのリーディングマーク、リノべる、PLAN-B、イノベーションなどがありますね。
リンクアンドモチベーション最大の介在価値は組織力向上
そういえば先日、グッドパッチの土屋CEOが赤裸々エピソードを綴った記事が話題になりましたが、そこでもリンクアンドモチベーションの存在感が光りました。
もっと早くに外部の協力者を入れるべきだったと少し後悔している。知識がないことに加え、事業を成長させるために採用スピードを落とすわけにもいかず、色んな事が後手にまわりどんどんスタックしていき、社員とのコミュニケーションもどんどん取れなくなり、不満の声がどんどん大きくなっていっているのは気付いていた。7月にリンクアンドモチベーションの近藤さんに出会って、相談に乗ってもらい仕事をお願いしてから、組織周りの事はどんどん進んでいったのだが、時既に遅しだった。
Goodpatchはリンクアンドモチベーションの直接の投資先ではありませんが、リンクアンドモチベーションの投資先であるFiNCと資本業務提携を行っているので、関係性があるのでしょう。
土屋さんのエントリーからも感じますし、リンクアンドモチベーションの出資のプレスリリースにも一貫して書かれている通り、投資を受ける側にとっての最大のメリットは、組織人事強化支援が受けられる点でしょう。
草創期から成長期にある中小・ベンチャー企業の組織人事課題には共通点が多く、また、組織人事課題がボトルネックとなり成長を阻害していることも少なくありません。当社のクライアントでも、好景気の中でさらに成長するために、組織人事強化が重要課題になっているクライアントが多く、当社に対してコンサルティングサービスだけではなく、直接的な支援を要望されるクライアントも増えてまいりました。
そのような背景からインキュベーション事業推進室を設置し、5~15%の出資を通じて投資先企業の価値向上をはかるサービスを開始いたしました。
筋の良いスタートアップほど、VC過多のいま、資本のみならず付加価値の高いVCを選べる立場にあるので、組織人事強化という強みを持ったリンクアンドモチベーションからの支援は喉から手が出るほど欲しいでしょうね。
リンクアンドモチベーションの動向に、今後も目が離せません。