とあるニワトリと私の物語

とある民家の庭先でニワトリが飼われていた。偶然にも二羽だ。つまり、「庭には二羽、ニワトリがいた」ことになる。ちなみにそのニワトリは二羽とも茶色だった。いま思うと三羽だったかもしれない。

私は「かわいいなあ」と思いながらその民家を通り過ぎ、ふと目の前の道路に視線を移してみた。すると、少し先の路上で茶色い「何か」があるのが見えた。

「ま、まさか……」いやな予感がする。「あれは車に轢かれてしまったニワトリなのだろうか?」ミンチに挽かれるのもかわいそうだが、車に轢かれるのはもっとかわいそうだ。私は切なさを押し殺し、意を決して茶色い物体に近づいてみた。

マクドナルドの紙袋が捨てられていただけだった。

胸をなでおろすと同時に想像力が掻き立てられてきた。あの紙袋に入っていたものは何だったのだろうか?もしあの中身がチキンクリスプやチキンフィレオだったら、結局のところそれはチキン(ニワトリ)なわけで……。やはり切ない気持ちを隠さずにはいられない。

何だか無性に唐揚げが食べたくなってきた。