マインドコントロールを身につける

甥っ子(6)が日本脳炎の予防接種を受けてきたときのこと。診察室に入るなり、「今日は絶対泣かへんからな!」と高らかに宣言し、その場にいた医者と看護師を笑わせたという。

おそらく緊張していたのだろう。不安もあったのだろう。しかし、大声をあげることによって己を鼓舞し、注射に対する緊張と不安と恐怖を一気に吹き飛ばしたのだ。じつにみごとなマインドコントロールである。将来は独自のマインドコントロール法でも編み出し、セミナーを開いてひともうけしてもらいたいものだ。

私も甥っ子を見習わなければならない。今後、緊張と不安と恐怖が一気に押し寄せてくる場面などでこのような行動をはたしてとれるだろうか?

たとえば将来、万が一、いや、億が一、自分に大切な人ができて思いを伝える場面がやってきたとしよう。緊張と不安と恐怖を払拭するため、相手に向かって思いを伝える前にまずは高らかに宣言をする。

「今日は絶対ばっちり決めるからな!」

そうやって士気を高め、己を奮い立たせてから相手に思いを伝える。はたしてそんなことができるだろうか?

問題なのはその宣言を聞いた相手が、一瞬にして私に対してミーアキャット並みの警戒心と、幸運を呼ぶブレスレット並みの不信感を抱き、私の胸に飛び込む前に最寄りの交番に飛び込んで行きかねないことだ。

やはりマインドコントロールは難しい。まずは目の前にゴキブリンが現れても動揺しないマインドコントロールを身につけることから始めたい。