桜の終わりと女の子の願い

図書館に行ったついでに近くのお城に寄ってきた。

お濠に浮かぶ桜の花びらたちを見て思う。浮かれてんじゃねーよ。春ののどかな空気に平和ボケしている自分への戒めの言葉である。

ちなみに私が行ってきた図書館は三階建て。一階と二階が閲覧スペースで三階が多目的室となっている。多目的室ではたまにイベントなども開催されており、この日もどこかの講師が何らかのテーマで講演をしていた。もちろん私には明日の仕事と同様に興味がない。

二階から三階に通じる階段の前には講演のポスターが掲示されていた。そこに現れた5歳ぐらいの女の子。この先には何があるのだろうと興味津々のご様子。いまにも階段を駆け上がっていきそうだ。近くにいたその女の子のおばあちゃんらしき人が女の子を諭す。「この上は講演やから行かれへんよ」

この言葉を聞いた女の子はますます目を輝かせて「公園? 行きたい行きたい」とおばあちゃんにせがんでいた。

その場が春ののどかな空気に包まれ、おばあちゃんの頬は桜色に染まった。