あらゆるプロセスや方法論は「型」であり、成功を保証するものではない。

Masato Ishigaki
Masato Ishigaki
Published in
3 min readJun 23, 2020

あらゆる方法論やプロセスは、決して”成功”を保証するものではありません。ある種「型」であり、このプロセスや方法論さえ守っていれば、事業は必ず成長する、組織が成長するといった銀の弾丸ではありません。

プロセスや方法論は、手段であり目的ではありません。
「型」を何も考えずに組織へ導入すると思考停止になり導入自体が目的となりがちです。
例えば、開発手法ひとつ取っても「アジャイル開発を導入したからうまくいくはずだ」「アジャイル開発ではこうなっているから組織もこうなるべきだ」といった具合にです。

「走る」という動作ひとつ取っても、型があります。型というのは、作用でありフォームであり基礎です。
左右の足を交互に前に出し地面を蹴るという型が「走る」という目的を達成するのに必要な手段と捉えていきます。その中でもっと早く走りたいという部分をどう作り出していくかについて各々が考えた流儀や手法といった型があるわけです。こうした筋肉の使い方をした方が良い。足をもっと高くあげたほうが良いなど方法論は多岐に渡りますが、そういった方法論を何も考えずに一般的に良いとされている型だけを適用するのではなく、自分の体や骨格にあった「早く走れる方法の型」を取り入れていかなければいけません。そのためには、方法論の背景を知る必要がありますし「なぜそのやり方で早く走れるのか」という本質的な部分を理解していかなければ目的を達成できません。

実際にはあらゆる型を組織に適用して、組織文化とマージ(併合)すると必ず差分が出てきます。型に当てはまらない例外とも言えます。その差分を組織としてどう馴染ませていくかが肝なわけですが、よく例外が出てくると「この方法論ではダメだ」「私たちの組織には合わなかった」という結論に陥ります。

一方、「型」というものは提唱者の思想を肉付けする形で、世の中にわかりやすく適用できるようにパッケージ化されたものです。そのパッケージ化された部分(いわゆる方法論を満たす手段やツール)のみを理解していると、時代の変化や組織の変化とともに必ずどこかでズレていきます。
しかし、作られた背景や思想の部分を理解していれば、提唱者の肉付け部分(パッケージの部分)を独自にアップデートしていく形で、組織に順応されて、新たな組織文化を更新していけるのではないかと考えています。

「型」を手法として捉えるのではなく、それが作られた思想や本質から理解することが大事です。
いかに目の前にある不確実性に順応しながら進んでいくためには、闇雲に手当たり次第進むのではなく、こうした先人たちが提唱した「型」を学び、それを私たちは組織へと落とし込んでいきます。そして、そこから出た差分をうまく溶け込ませていきながら、組織文化をアップデートしていきます。

1つのやり方としては、パッケージ化されたものを使わずに説明できるかがあります。

例えばスクラムをチームメンバーに理解してもらうときにスクラムの用語を一切使わずに、「なぜそれが必要なのか」「どうやって問題を解決するのが良いか」を言えるかは大事な要素です。

以上です

Photo by Maarten van den Heuvel on Unsplash

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Masato Ishigak / DMM.com LLC / Division Maneger / Engineering Maneger