ソフトウェアの資産計上〜ソフトウェア仮勘定 編〜
の続き。今回は、ソフトウェア仮勘定を見ていく。
「ソフトウェア仮勘定」とは何か
減価償却はいわゆる、ソフトウェアができた状態が前提である。そこから定率法なりで償却が始まる。
一方、開発中のソフトウェア(無形固定資産)はどういった扱いにするべきか。それを解決するのが「ソフトウェア仮勘定」である。
開発中についても勘定科目を設定してコストをプールします。
例のごとく、ソフトウェア実務指針を見ていくと、B/Sでいう無形固定資産 -> ソフトウェアとは別掲で記載する必要があるとのこと。
(製品マスターの制作原価) 10.製品マスターについては、適正な原価計算によってその取得原価を算定する。製品マス
ターの制作原価は、制作仕掛品についてはソフトウェア仮勘定などの勘定科目により、ま た、完成品についてはソフトウェアなどの勘定科目によって、いずれも無形固定資産とし て計上する。なお、無形固定資産としての表示に当たっては製品マスターの制作仕掛品と 完成品を区分することなく一括してソフトウェアその他当該資産を示す名称を付した科目 で掲げることとするが、制作仕掛品に重要性がある場合にはこれを区分して表示すること が望ましい。
実際には,間接費の配賦など、最終的に作業完了しなければ正確な取得価額が算定されないことも多い。ある程度合理的に見積もられた金額を「ソフトウェア仮勘定」としてプールしておいて、資産振替の時点で正確な数値に洗替を行う方法もある(本勘定振替)。
ただ、ソフトウェア仮勘定の実態は、人件費のことが多い。
例えば、
- 22/01に社内の人件費削減のために利用するソフトウェアを外注した。合計の費用は100万だとする。まずは、40万を当座預金から払ったとする。
- 会計的には、「ソフトウェア仮勘定 : 400,000円 / 当座預金 400,000円」となる。
- 次に22/03に二回目の代金として30万を当座預金から払ったとする。
- 会計的には、「ソフトウェア仮勘定 : 300,000円 / 当座預金 300,000円」となる。残りは、30万(100万-30万–40万)となる。
- いよいよ、22/06には成果物が完成し、即日利用を開始した。
- ここで初めて、仮勘定から本勘定になる。
- 会計的には、「当座預金 300,000円」をとりあえず払い、「ソフトウェア仮勘定 : 700,000円」を消して、「ソフトウェア : 1,000,000円」という計上になる。
となる。
参考