データ駆動開発における「Data-Driven」と「Data-Informed」の違いと考察
「データ駆動開発」とは、プロダクトにおける様々な情報を集約し分析することでデータをもとに意思決定をしたり、効果予測などをする開発手法のことです。
「データ駆動開発」を語る中で「Data-Driven」という文脈とその同義語で存在する「Data-Informed」という文脈が存在します。
Data-Driven
Data-Drivenとは、和訳すると「データ駆動」となるので前述した「データ駆動開発」とほぼイコールになります。
巷では、「Data-Driven = データを中心とした意思決定」といった意味を持ち、マイナス的なイメージをするとデータを信用し、盲目的な意思決定をしがちといったイメージがあります。
Data-Informed
逆にData-Informedとは、「データを意思決定のひとつの情報」して扱っています。つまり、データをこうなっているから意思決定はこうなるといった盲目的な考え方ではなく、意思決定をする上でのひとつの情報でしかない。ほかの定性的なデータや右脳的なひらめきも重要なファクターとして考える。といった考え方です。
Ex.
例を以下のブログから引用させていただきます。
あなたが、ニュースパブリッシャーだと仮定してみましょう。あなたは新しいニュース記事のタイトルを考えていて、いくつか違うバージョンを用意してテストしてみました。クリックされやすいように大げさにしたタイトルのものがもっともたくさんクリックされたのがわかりました。
データ・ドリブン意思決定の例:クリック数が増加している。訪問数も増加。収入も増加。すごい!私達の重要な指標は全部上がっている。クリックされやすいように大げさにしたタイトルのものを正式にリリースしよう!
データ・インフォームドな意思決定の場合:全ての重要な指標が上がっているので、それはいいことだ。しかし、それらとは逆の動きをするはずの指標はどうなっているのだろう。バウンス率(サイトに来たけどすぐに閉じてしまう率)が上がっている。ということはあまりいいエクスペリエンスではないのでは。
データ・ドリブンな意思決定はデータが意思決定の中心で、主要な、もしくは唯一のインプットです。どのような施策を打てばいいのかデータのみに頼ってしまいます。
データ・インフォームドな意思決定は、様々なインプットがある中で、データは重要なインプットであるという位置づけです。ユーザーに対してあなたはどういった価値を提供しているのかを深く理解するためにデータを使うのです。