「失敗できる」を作り出すと開発組織は加速する

Masato Ishigaki
Masato Ishigaki
Published in
16 min readNov 30, 2019

--

この記事は「DMMグループ Advent Calendar 2019」も2日目の記事です。

事業の成長においても、エンジニアの成長においても「何も学習できなかった失敗」ほど、無駄なことはありません。
組織として、どのように「失敗するか」を考え、どうやって「失敗できる」環境を作り出せるかは、事業・エンジニア双方の成長において欠かすことはできません。実現のためには、事業戦略・アーキテクチャ・組織文化といった幅広い部分に適応する視野を持っていなければならず、さらにビジネスサイド、エンジニアサイドともに密に連携しなければいけません。

失敗許容性の担保は、事業成長に効果的

事業の成長(グロース)を思考のトップに失敗許容性を考えていきます。流れとしては以下の流れを踏んでいきます。

  1. 事業の可観測性を担保すると1ユーザーの行動まで可視化できるようにすることで事業のモデリング(構造化)ができるようになる。
  2. そうするとデータドリブンな開発ができるようになる。A/Bテストなどで細かいセグメントレイヤーに向けて、小さく作って小さくリリースできるようになり、失敗が許容されるようになる。
  3. アジャイルを適応できて、イテレーティブな改善を回せるようになる。
  4. 失敗が許容される組織文化を作ると学習する組織になっていく。

事業を成長させるにはより多くの失敗が必要です。それは事業を成功させることにおいて誰も正解を知らないからです。何が正解かわからないといった不確実性が高いものに対しての対応方法は、より多く失敗ができて、挑戦ができることです。さらに1回の挑戦の影響範囲を狭められることで挑戦・失敗のハードルを下げていくことが大事です。

1つずつ説明していきます。

1. 事業の可観測性を担保

少し理論的な話になってしまいますが、事業を構造化してモデリングしていくことで、KGI/KPIを可視化して最終的にはユニットエコノミクスで1ユーザー単位で可視化出来るようにします。これはシステム理論的に事業を捉えていくことがポイントで、可観測性を意識して事業を観測可能にしていくことが大事です。

システム理論とは、世の中のあらゆる存在を「システム」として捉えていきます。例えば、組織、国、生命など様々です。その法則性や構造をシステムとして定義することで理論的に説明可能にする理論です。ここでいう「システム」とは何かというと「相互に作用…

--

--

Masato Ishigaki
Masato Ishigaki

Masato Ishigak / DMM.com LLC / Division Maneger / Engineering Maneger