Mastering Retentionを読んだメモ

Masato Ishigaki
Masato Ishigaki
Published in
9 min readJul 20, 2021

北米で最も DL されたリテンション本の日本語訳があるので読んだメモです。

原文 : https://amplitude.com/mastering-retention

和訳

以下、読んだ部分の抜粋である。

© 2017 Amplitude, Inc. https://www.productanalyticsplaybook.com/ https://amplitude.com/ playbook@amplitude.com

https://info.amplitude.com/rs/138-CDN-550/images/Mastering%20Retention%20JapaneseEdition.pdf

また、以下からもいくつか抜粋する

https://growth-marketing.jp/knowledge/define-these-two-inputs-for-your-retention-rate-formula/

====

About Retention

  • リテンションを視覚化する良い方法は、N日のそれぞれのリテンションをプロットし、リテンショ ンカーブを作成することです。 下記は、あるアプリの 1月1日から 1月31日までのリテンション を加重平均で表したリテンショングラフになります。
  • グラフからは、このアプリの7日目のリテンションが、およそ 13%である事が読み取れます。1日目のリテンションを見ると、およそ 37%の ユーザーが戻ってきている事がわかります。
  • この数値は業界平均の 2倍以上の数値となっており、このアプリはリテンションが良いアプリで ある事がわかります。
  • リテンションの分析を始める時期はPMFより後とかではなく初期から始めるべき

「1:5の法則」「5:25の法則」

  • 「1:5の法則」とは、新規顧客を獲得するためにかかるコストは、既存顧客に再度購入をしてもらうためにかかるコストの5倍かかるという法則です。マーケティングに携わる方なら新規顧客獲得がどれほど難しいか、既存顧客の継続購入がどれほどありがたいか、体感されていると思います。
  • 一方、既存顧客の維持においては「5:25の法則」と呼ばれているものがあり、これは離脱率を5%改善すると最低でも25%の利益改善が見込めるとされているのです。
  • 引用 : https://growth-marketing.jp/knowledge/define-these-two-inputs-for-your-retention-rate-formula/

Chapter2. Your Critical Event & Product Usage Interval

~プロダクト利用のインターバル~

  • プロダクトには、例えばゲームのような「日」でリテンションを見るべきものとストリーミングサービスのような「週」でリテンションを見るべきなものがあるため、アプリのリテンションインターバルを理解する
  • また、リテンションについても「アプリ起動」というフックではなく、実際にユーザーがプロダク トを利用したかどうかを示す「クリティカルイベント」でリテンションを測定する事が重要にな ります。
Ex.
  • 基本的には、クリティカルイベントはプロダクト毎に1つである。もちろん複数も例外的にあり。
  • その場合には、クリティカルイベントを2回以上実行したユーザーをリテンションユーザーとして計測するのが良いとされている。
  • クリティカルイベントをきちんと設定しない例として例えば宅配サービスを考えてみます。
  • 宅配サービスは毎日利用されるというよりも、数週間に1度 の頻度で利用される場合が多いと考えられます。 この宅配サービスのリテンションを日単位で測定すると以下のようになりました。日単位でリテンションを測定すると 0日目の後、大幅にリテンションが下がり、それ以降リテン ションは低いままで推移しています。
  • なぜならば宅配サービスを毎日利用するユーザーが少ない 為、日単位でリテンションを確認してしまいますと、どうしても低い結果となってしまいます。 次に週単位(緑) でリテンションを調べた結果、リテンショングラフは以下のようになりました。 実際の宅配サービスの稼働状況を確認するのに、より有効な数値となっています。

Chapter3. The Retention Lifecycle Framework

〜リテンションライフサイクル〜

リテンションの測定方法については、3つある。

  1. N-Day retention
  2. Unbounded retention
  3. Bracket retention
  • 一般的なのは、N-Day retention(N日)である。新規ユーザーがプロダクトを初回に 利用した日を 0日目とし、N日後に戻ってきてプロダクトを使用したユーザー数の割合をパーセン トで示した数値となり、週ならN週、月ならN月リテンションとなる。よく7days RRや30days RRが集計期間としてはある。
  • 次にUnbounded retentionがある。主に毎日利用されるものではないプロダクトに適応していく。基準としては「その日以降に戻ってきたユーザー数」で計算します。N日リテンションは「その日に戻ってきたユーザー数」です。また、Unbounded retentionは特定の日以降を集計するので逆に使うとチャーンレート(離脱率)の分析にも使えます。
  • Bracket retentionは、特定の測定間隔を定めてリテンションを図る測定方法です。例えば、プロダクトによっては月の終わり(15~30日)と月の初め(1~15日)でリテンションに大きく差異があったり、特定期間のキャンペーン中のリテンションなど期間を区切って分析したいときに利用する概念

リテンションサイクルを語る上でユーザーのステータスは5つある

  • 新規ユーザー / 定着ユーザー / 復帰ユーザー / 休眠ユーザー / パワーユーザー
  • アクティブユーザーで絞ると、新規ユーザー / 定着ユーザー / 復帰ユーザーの3ステータス
  • 新規ユーザーのリテンション向上の観点でいえば、ここがダメだと復帰させるのに大変なため如何に早くマジックナンバー分析を行い、イベントと継続の因果関係を見つけることができるかが大事な部分になります。有名な事例としては、Twitterが「初日に5人以上フォローしたユーザーは継続率が高い」というマジックナンバーを発見し、初回登録時におすすめユーザーのレコメンド機能と5人以上のフォローを必須にした事例があります。https://engage-mate.jp/article/know-how/retention-analysis-03/
  • 定着ユーザーに関しては、既にプロダクトに魅力を感じてくれているので如何にそれを長く続けてもらうためにプロダクト改善を進めていくかが大事になってくる。
  • 復帰ユーザーについては、いわゆる休眠を掘り起こすという作業になります。きっかけは様々な施策によって復帰するかもしれませんが、休眠ユーザーが復帰ユーザーになったきっかけを分析する事は非常に重要です。どのキャンペー ン、プッシュ通知が有効だったのかを特定し効果を検証する事が重要になります。
  • また、リテンションライフサイクルにおける[新規 | 定着 | 復帰 | 休眠]のデータ母数をもとにビジュアライズすることも大事です。
  • 以下はその例ですが、アクティブ ユーザーをリテンション・ライフサイクルで分類すると、定着ユーザー(薄緑)の減少が確認され、 復帰ユーザー(青)も少ない事が確認されます。
  • このプロダクトのアクティブユー ザーは、新規ユーザー(緑)で支えられており、健全とは言いにくい事が言えます。 「リテンション・ライフサイクル」で分析すると、アクティブユーザー数だけでは気付く事が難 しかった課題を発見する事ができるようになります。

Creating your lifecycle cohorts

〜コホートでのライフサイクル〜

  • また、[新規 | 定着 | 復帰 | 休眠]についてコホートでの分析も有効
  • 各ユーザーのリテンションサイクルを時系列でコホートで並べることで、プロダクトでのリテンション比率がユーザー数を確認していくことでプロダクトのリテンション特性が見えてくる
  • 例えば、下図が結果だとすると定着ユーザーの比率が70%を超えているので、かなり健全なアプリなのかなと思います。これであればどんどん新規ユーザーを獲得する施策を実施しても定着する割合が大きくなることが予測できます。

Calculate your Pulse

〜パルス分析〜

  • プロダクトの成長を示す指針として「パルス」がある
  • パルス = 新規ユーザー + 復帰ユーザー / 休眠ユーザー
パルス > 1
定着ユーザーの数が増えプロダクトが成長している事を示す
パルス < 1
ユーザーの流入よりも流出が多い事を示す
  • パルス値 < 1 の場合 ユーザーの流入よりも流出が多い事を示しています。プロダクトの成長に課題がある事を示し ています。

以上。

あとは、Amplitudeのツールを使っての分析方法だったため割愛

--

--

Masato Ishigaki
Masato Ishigaki

Masato Ishigak / DMM.com LLC / Division Maneger / Engineering Maneger