SIPOC分析による開発プロセス分析について
■ SIPOC分析の概要について
SIPOC は、S(Suppliers)、I(Inputs)、P(Process)、O(Outputs)、C(Customers)の頭文字を並べたもので、テーブルの構成もこの順序で並んでいます。しかし実際にこのツールを使う際は、この順序ではなく、POCIS または COPIS の順序で考えていきます。
P(Process)
まず、P の欄から埋めていきます。P 欄を埋める際には、以下のような問いを考えていきます。
- 現在(または将来)のプロセスはどのようなものなのか
- そのプロセスの始まりは何か、いつ始まるのか
- そしてそのプロセスの終わりは何か、いつ終わるのか
- プロセスにはどのような中間ステップがあるのか
まず P 欄から始めることで、プロセスの最初と最後を定義することができ、プロジェクトの範囲(スコープ)が明確になります。
O(Outputs)
次に O 欄に進みます。プロセスが生成する成果(アウトプット)にはどのようなものがあるかを考えます。物理的な物もあれば、情報やサービスといったものもあります。それらは顧客の要求を満たすものでなくてはなりません。またアウトプットは、プロジェクトを評価する数値目標にもなるので、SMART ゴールを念頭に置きます。(SMART ゴール:具体的で、測定可能で、達成可能で、現実的で、時間的制約があるもの)
C(Customers)
アウトプットが決まったら、次は C 欄に進みます。それぞれの成果(アウトプット)の顧客は誰なのかについて考えます。またその顧客がアウトプットに期待するものは何なのかについて考えます。顧客は社内にもいますし、社外にもいます。プロセスが生成するアウトプットは、それら顧客の期待するものでなければなりません。もし顧客と期待するアウトプットが一致しなければ、O 欄に戻ることもあります。
I(Inputs)
プロセスが明確になり、そこからのアウトプットが分かれば、次はそれを生成するために何が必要なのか、プロセスへのインプットを考えます。またプロセスがそれぞれのインプットに期待するものは何なのかについても考えを深めていきます。
S(Suppliers)
最後に誰がそれぞれのインプットを与えてくれるのかについて考えます。顧客と同じように、インプットは社内からもありますし社外からもあります。
■ 観点 / 感想
開発プロセスについてはVSMなどの手法もあるが、SIPOC分析はリードタイム的な時間で見るのではなく、プロセスを行うにはどのようなステークホルダーがいるかや、各リソースを見れる点である。
また、開発プロセスを分析して問題点を発見するというよりかは、「業務の流れを覚える」といった観点での分析手法と思われる。例えば、このプロセスを行うためには
- どのようなステップが必要で
- 誰に対して承認を取ればいいか
がわかり、そこに対してムダを洗い出すことも可能となった印象です。