What is 『LeSS (Large-Scale Scrum) 』

Masato Ishigaki
Masato Ishigaki
Published in
5 min readSep 27, 2018

Scrum開発において、エンタープライズな大規模な環境でスクラム開発をする際のフレームワーク(LeSS)について基礎的な部分を述べていきます。

概要をいうと1つのスクラムチームが仮に10人以上になってしまったときにどうするか。を解決するスクラムフレームワークです。

Principles Overview

まず、LeSSには10つの原則があります。

https://less.works/jp/less/principles/overview.html
  1. Large-Scale Scrumはスクラムである
    LeSSはScrumのフレームワークであるため基本的な部分はScrumの原理と同じです。原則原理から逸脱したりせずに”Scrum”といったものを大規模開発にどう当てはめるかを考えられているフレームワークです。また、複数チームのスクラムであり、複数スクラムチームではありません。
  2. 透明性
    『Doneの定義』の明確性、短いタイムボックス、協働、協働、共通の定義、職場から恐れをなくす。
  3. 少なくすることでもっと多く
    ムダなプロセスやロールを増やすのはなく本質的な部分(プロダクト)にフォーカスして成果を生む。
  4. プロダクト全体思考
    どんなにチームが増えても1つのプロダクトバックログ、1人のプロダクトオーナー、1つのインクリメント、1つのスプリントであること。
  5. 顧客中心
    顧客を中心に考え、何を考え、何を価値として何がムダだと思っているかにフォーカスする。顧客へのフィードバックを多く得るためにいかにサイクルを早く市場にプロダクトを出すかを考える。
  6. 完璧を目指しての継続的改善
    ROIが高い状態で、顧客を満足させ、環境を改善し、生活をよりよくする。これに向かって、各スプリントを謙虚に、そして根本的な改善を行う為の試行錯誤を行う。
  7. リーン思考
    リーン思考のフレームワークを取り入れよう。
  8. システム思考
    システム全体を俯瞰し理解する。局所的な視点ではなく全体を見て最適化していく。
  9. 経験的プロセス管理
    プロセスや組織デザインなど様々なことに固有せずに柔軟に適材適所で適応していく。
  10. 待ち行列理論
    いわゆるキュー理論を用いようといったことで、WIPの制限などでキューサイズを調整しながら同時並行でいろいろなことをしないようにする。

LeSS Framework

https://less.works/jp/less/framework/introduction.html

Role

1人のプロダクトオーナー、1つのプロダクトバックログ、2〜8チーム、1〜3チームのスクラムマスター、Developerはfeatureチームでありクロスファンクションです。

Artifacts

1つのプロダクトバックログで行うが、各チームの別々のスプリントバックログをもつ。

Events

基本的にスプリントは1つ。

スプリント計画は2つあり、1つ目は全チームの代表者が参加、2つ目はチームごとに行う。1つ目は疎結合な部分を埋める作業。2つ目はより近いチームでのコミュニケーションを行う。

スプリントレトロスペクティブも同様なメンバーで2回行います。

概要としては以上です。

LeSS Huge Framework

LeSSは2~8チーム用ですが、もう少しチームが多い場合には、『LeSS Huge』といった拡張版のフレームワークも用意されています。

LeSSの大きな違いとしては、プロダクオーナーがひとりでは管理できないので、『エリアプロダクトオーナー』を配置する点です。そのエリアのひとつがLeSSで回すようします。

詳しくは以下の公式ページをご覧ください。

https://less.works/jp/less/frameworx/introduction.html#LeSSHugeFramework

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Masato Ishigak / DMM.com LLC / Division Maneger / Engineering Maneger