2019年9月 CEO Report

Akihiro Yamase
ICOVO
Published in
5 min readSep 3, 2019

プロジェクトの近況報告

2017年の年末にブロックチェーン業界に参入して、2018年1月に正式にICOプラットフォームプロジェクトICOVOをスタートしました。同年春には、スイス法人ICOVO AGを設立して、夏から冬にかけて自らもスイスでICOを実施いたしました。

クリプトの市場が2017年12月をピークに崩れ出し、回復することを期待しましたが、結果としては、2018年の年末は冷え切ってしまいました。結果として、クリプトの投資家は、誰もが含み損を抱え、新しいプロジェクトへの投資意欲は減退し、ICOVO自身のICOもソフトキャップに到達したものの、目標調達額の1/10といった結果でした。

ICOはとりあえず、成功しましたが、ICOプラットフォームのプロジェクトには2つの激しい逆風がありました。一つはクリプト市場低迷に伴う投資家心理の冷え込みです。2つ目は、詐欺が多いICOに対する批判と、それに伴う法的規制の締め付けです。

この2つによって、2019年1月からリストする良質なプロジェクトがほとんど無いという状況に陥りました。ICOプラットフォームをワークさせるための、プロダクトである、スマートコントラクトDAICOVO https://github.com/icovo とウォレットアプリICOVO App https://apps.apple.com/us/app/icovo/id1393849523 は完成したにも関わらず、肝心のプロジェクトが無くリストできないという状況です。

米国では、ICOの代わりに、STO(セキュリティトークンオファリング)が生まれICOからのシフトが鮮明な状況です。

このような環境の変化を踏まえICOVOとしては、プロジェクトの方針を少し拡大して、NFT(ノンファンジブルトークン)を使った資金調達やデジタルコンテンツの販売のプラットフォームを開始する事としました。

NFTのプロジェクトで一番有名なのが、猫のキャラクターを使ったDappsゲームCrypt Kittyです。第一弾のプロジェクトはICOVO自身がアイデアを出して企画しました。

ジーンアイドルです。https://gene-aidols.io/

Crypt Kittyを拡張したアイドル版のエンターテイメントです。写実的なアイドルをAIのGANの技術によって生成し、NFTでトークン化するといった仕組みです。

2019年4月には京都のAIスタートアップ、東京のゲーム会社とジョイントベンチャーを東京に設立し、6月にオープンベーター版をリリースし、7月には著名なAngel投資家からも出資をいただきました。順調にプロジェクトは進んでおります。

このプロジェクトは、イーサリアムだけでなく、ICOVO発行のトークンであるOVOを使ってプレイすることができるようになる予定です。2019年秋には正式版リリース予定です。

さらに、現在、企画段階の2つのプロジェクトを検討しております。1つは「メディア×ブロックチェーン」です。2018年夏から運営しているメディア、ブロックチェーンインサイトhttps://blockchain-insight.ch/ に有料記事を入れてインタビュイーにも収益が分配されるトークンエコノミーを実装する計画です。

なお、2019年9月現在、ブロックチェーンインサイトは、日本のブロックチェーンの経済団体BCCC https://bccc.global/ のオフィシャルメディアパートナーになっておりメディアとしては順調に成長しております。

2つ目は「音楽×ブロックチェーン」です。市場が著しく縮小している音楽業界に、ブロックチェーンを使った新しいモデルをインストールする試みです。具体的には、音楽レーベルが保有している原盤権を分割してファンに譲渡することによって、ファンにも経済的なインセンティブを与えてアーティスに対するロイヤリティを増加させるといったプロジェクトです。

音楽レーベル側としては、アルバム完成タイミングで、原盤権をまとまった金額で売却できるといったメリットがあり、ファンにとっても、いままで、消費者だけの立場だったのが、原盤権をもつことによって、アルバムの販売収益が還元させるといった経済的なインセンティブが働き、応援すればするほど、経済的なメリットが得られるという新しい世界が生まれる構図となります。

いずれのプロジェクトにも、OVOトークンが使えるようにする方向で検討しております。

現在OVOは、IDAXをはじめとした複数の取引所に上場しておりますが、取引ボリューム、価格ともに、残念ながら満足が得られる結果にはなっておりません。

IDAX : https://www.idax.pro/
VHCEx : https://www.vhcex.com
Bluebelt : https://www.bluebelt.asia/exchange/
bitONbay : https://www.bitonbay.com/trade
Hanbitco : https://www.hanbitco.com

最大の要因は、OVOのユースケースがまだ無いからであると認識しております。今年の秋からジーンアイドルを筆頭にOVOが使えるプロジェクトを続々と誕生させる計画です。結果として少しづつ、取引ボリューム、価格ともに改善してくると期待しております。

チーム一同、投資家の皆様のご期待に添えるよう努力しております。現状をご理解いただき、引き続きご支援ご鞭撻をいただけるようお願い申し上げます。

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