元Google社員が創った、シリコンバレーでいま最も注目される学校「AltSchool」

最近、米テック界で話題のまったく学校っぽくない学校。その生徒たちの日常を写真から垣間見る。

文:Mary Jo Madda


AltSchool(オルトスクール)という、アメリカに「マイクロスクール」のネットワークを広げるスタートアップが、著名なベンチャーキャピタルと世間から注目を集めている

2013年に創業したAltSchoolは現在、サンフランシスコで4つの学校を運営しており、そのどれもがいわゆる「学校」とは違っている。全員が同じ算数の教科書で学ぶのではなく、同校の「個別プロジェクトベース学習」の一環として、AltSchoolの生徒たちはもっと少数のグループに分かれて、話し合い、たとえば電球を作るなどしている。クラスは学年や年齢で分かれているのではない。

AltSchoolの創業者(そして元Google社員)のMax Ventilla(マックス・ヴェンティラ)は、AltSchoolの生徒たちの日常が一般の公立学校の生徒たちとはまったく違うものであることを自覚している。

「次なる頂へと至る唯一の道は、現在の思考法から抜け出し、まったく新しい何かを試みることだ — — 25人の生徒を抱えているから、大変なことだけどね」と、彼はブログに書いている。

シリコンバレー発ということもあり、テクノロジーと資金は豊富にあるAltSchool。入学手続きや家族とのやり取り、学校用品の購入などには独自のテクノロジーが導入されている。教師たちは年10万ドル以上の稼ぎを得ていて、学費は年に2万ドルほどだ。金銭的支援制度もいくつかあるものの、高い学費のせいで生徒の経済階層は偏っている。

人気の秘密は何なのか? 自身の目でAltSchoolを覗いてみてほしい。

新鮮なのは、AltSchoolの言う「イノベーション」はテクノロジーだけでなく、個別に用意された小規模のコミュニティに向けた教育のことを指す点だ。上の写真では、AltSchoolの教師が生徒たちに花の育て方を教えている。

教室内では、各人の必要や習熟に応じた生徒の「プレイリスト」に基づく「学習者中心カリキュラム」が進められる。生徒たちのプレイリストは、生徒本人や彼・彼女たちの両親から情報を得ながら教師が作成する。

上の写真では、二つの窓のあいだにある装置に目がいくのではないだろうか。「AltVideo(オルトビデオ)」と呼ばれるもので、室内の様子を記録するため各教室に備え付けられている。その主な目的は「教育者たちが成功事例を研究し、身につけ、再現する手助け」をするためだという。教師たちは自らの能力を向上させるために、同僚たちの映像を見ることができるようだ。

プロジェクトベース学習では、課題提出時に生徒のiPadやChromebookを通して、生徒自らが撮ったプロジェクトの写真など、記録資料を送ることが多い。

厳密な学年分けはなく、生徒たちは1年生からそれ未満、2年生から5年生、6年生から8年生、などに分けられたコミュニティの一員となる — — そして、どの年でも周りの生徒と教え、教えられる関係が築ける。

教室内では、教師たちが独自のオンラインプラットフォームを使って年齢の違う生徒たちに個別の課題を出す。

AltSchoolの各クラスは上限25人。「マイクロスクール」であるため、体育館やカフェテリアはない。


AltSchoolでは、少なくとも週に一度、生徒たちを遠足や社会科見学に連れて行くことで、「学校」という物理的制限を取り払おうとしている。毎週、ウォルト・ディズニー・ファミリー・ミュージアムミッション・サイエンス・ワークショップなどに出かける。

生徒たちは一般的な科目以外も学ぶ。毎日「Social-emotional learning(社会性と情動の学習/SEL)」のアクティビティを行い、教師は友情や助け合いといったトピックを採り上げている。