仮想通貨のエアドロップとバウンティについてひたすら調べてみた

Takemoto Tetsuro
iNeeza!
Published in
9 min readJun 18, 2018

昔、色々あってAirdropやBountyについてひたすら調べたことがあるので、それをざっくりまとめてあげようと思います。ご参考までにと思います。

後方で述べられている、なぜエアドロップ・バウンティが注目され始めたのかなどを注目して読んでいただければと思います。ンォフゥッ。

テーマ

  • エアドロップ、バウンティとは何か?
  • どう言ったものがあるのか?
  • どのくらい行われているのか?
  • なぜエアドロップを行うのか?
  • 終わりに。

エアドロップ、バウンティとは何か?

いきなり説明に入りますよ。エアドロップ、バウンティとは近年ブロックチェーンのプロジェクトで注目されるマーケティング手法の一つで、新規ユーザーを獲得するために不特定多数の潜在顧客に対しトークンを配る行為のことです。

たとえばTwitterのフォローやリツイート、ウォレットのインストールなどの条件を満たすとトークンが送付される、といった感じですね。ココココ

ちなみにここでは、AirdropとBountyを一括りにしていますが、もちろんそれぞれは違うものです。どちらも、トークンを配布するという点で同じなのですが、どれだけのことをしたか(タスクの大小)によって分けれられるものだと私の中では解釈しています。例えば、よくあるものとして、テレグラム登録というものがありますが、これはAirdropです。なぜならタスクが小さく、ほぼ無償で受け取るようなものだからです。一方、ロゴや宣伝動画を作ってくれたらトークンをあげるというものがありますが、これはBountyです。比較的大きめなタスクに対して報酬という意味合いでトークンを配布しているものに対してはBountyだと考えています。

だいたい100円から1000円ほどのトークンが配られることが多いですが、Bug huntingなんかでは数千万いっちゃうやつもあります。

エアドロップ、バウンティ案件。

今まで見てきた案件をざっとまとめて見ました。

  • 獲得資格のあるアドレスに対して勝手に送るもの。
  • Telegramグループ参加
  • プロジェクト事前登録
  • Twitter, Facebook Follow
  • 関連ツイート投稿・リツイート
  • 友達紹介(Refferal)
  • Signature Campaign (Bitcoin)
  • アンケート回答
  • 記事執筆
  • Bug発見Bounty
  • DApps作成ボーナス
  • コミュニティ・マネージャー募集
  • Meet up開催補助
  • 記事翻訳
  • ホワイトペーパー翻訳
  • ロゴ・コンテスト
  • 宣伝動画の作成

こんな感じですかね。下の方に行けば行くほどタスクがでかく貰えるトークンの数が多いものの順に並べています。

まず一番上の「アドレスに対して勝手に送るもの」についてですが、これは大規模にエアドロップを行なったことで知られるOmise GoやByteballで取られた形式です。それぞれETHとBTCを一定数以上保有するアドレスに対して配布しています。

ちなみにByteballは無料配布においてパイオニア的存在だと勝手に思っています。Byteballのfounderはユーザーベースを増やすことにもっとも高いプライオリティを置いていると語っており、98%のトークンをユーザーに分配すると宣言しています。そのため、宣伝動画を作成してくれた人に報酬を払うなどというユニークなBountyも行なっており、コミュニティの雰囲気もいいような気がします。

また、海外のプロジェクトではSignature Campaignというものが割と多くあります。Bitcoin talkというフォーラム・サイトでそのプロジェクトに対することを議論したり、良さを述べたりすることで、トークンをもらえる制度です。私、個人参加したことはありませんが、日本ではCOMSAがICOする際にもSignature Campaignを行なっていました。

どのくらい行われているのか。

結論先行で述べますが、76%のプロジェクトがAirdropないしはBountyを実施していることが、調査から分かりました。2018/05/01から約二週間の間に取引所に上場した50の新規プロジェクトのうち、テレグラム登録や友達紹介、記事執筆などを通して無料配布を行った団体は38あり、76%という数字が出ています。

それに加え、Airdrop alertというエアドロップ・バウンティのまとめサイトがあったり、twitterではトークンの無料配布に関するツイートを毎日見かけるなど、制度自体が浸透しつつあるという風に感じています。

なぜ仮想通貨の無料配布を行うのか?

エアドロップ、バウンティが普及した背景をざっと挙げて見ます。重要な点から書いていきます。

  • 流動性向上に有効的。

仮想通貨プロジェクトにおいて、『流動性の高さ』というのは成功の可否を決める非常に重要な指標です。仮想通貨の流動性を構成する一つの要素に保有者の数というものがありますが、Airdropは保有者数の向上に一役買います。そしてユーザーが受けっとた通貨を使用するまでに至れば、通貨の循環が起こり、流動性を生み出します。

  • 中央集権化を防ぐ。

トークン系プロジェクトでしばしば問題になるのはアロケーションの問題です。BitcoinやEthreumのようにPoWで行うものと違い、トークンは一度に全てを発行し、運営が保管するため、分配の不公平さが問題視されています。

近年、多くのプロジェクトが非中央集権性(DAO的な組織)を掲げていますが、それに近づくためには公平な分配が必要です。エアドロップ・バウンティを通して、できるだけトークンの保有者を分散することが求められています。

  • ユーザー体験を促す。(愛を深める)

仮想通貨系プロジェクトにおいて、コミュニティ構築がいかに重要かはいうまでもありません。Airdropを通して、トークンを無料配布することは、サービスの認知を高め、体験まで促すきっかけになります。その通貨の持つ魅力を伝える絶好の機会になります。

  • 仮想通貨、ICO関連広告の禁止。

FacebookやTwitter、Googleは詐欺ICOプロジェクトなどの被害が相次いだこともあり、仮想通貨関連の広告を載せることを禁止しています。そのため、新たなマーケティング手段の一つとして、普及しました。https://cointelegraph.com/news/facebook-google-and-twitter-ban-ads-but-do-their-founders-really-dislike-crypto

  • 仮想通貨の絶対数が増加。

金融庁の”仮想通貨取引についての現状報告”では、数百万種類の仮想通貨が存在すると発表されています。これはすなわち競合の多さを象徴した数字でもあり、それぞれのプロジェクトが1人でも多くユーザーを確保するために、様々な手を繰り広げています。

  • マーケティング・コストが抑えられる。

ガス代が高いとあれですが…

個人的には、エアドロップ・バウンティはバシバシやって行くべきだと思います。忘れがちですが、仮想通貨というのは、ブロックチェーン上に記録されたただの数字であって、それ自体に価値を持ちません。その通貨が流通し、人々が使うようになり、初めて価値が認められるものです。

そのため、まずはシンプルに多くの人に使ってもらうことを意識することが重要で、人々が使うようになれば自然に価値はついてくると思います。

なので、仮想通貨プロジェクトはケチらずにバシバシ無料配布していきましょう。

あ、それと余談ですが、中央集権化を防ぐにはもう一つ方法があります。ERC918というものがありまして、これはマイニング可能トークンです。

中央集権っぽさをなくして「公平に」配布したい別のコインを作るのではなく,Ethereum上に乗せるべき理由がある(51%攻撃をするためにはEthereumを51%攻撃する必要があって,草コインでも安心…とか?)という需要に刺さります。

↑非常に期待しています。

終わり。

長い記事にも関わらず読んでいただきありがとうございます。

関係ないですけど、王騎はかっこいいですよね。今はまさに仮想通貨戦国時代。王騎のように時代を象徴する人物になりたいです。

私自身、iNeezaという会社でブロックチェーンエンジニアとして、日々ブロックチェーン関連プロダクトの開発をしています。

専用ウォレットの開発や、スマートコントラクト開発に加え、自社プロダクトであるEconoMe Walletも開発中です。もし、一緒に働きたいであったり、ブロックチェーン関連の依頼がありましたら、info@ineeza.comまでご連絡ください。よろしくお願いします。

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