独断と偏見による伊坂幸太郎の面白かった小説ランキング

Yuji Yamasaki
inet-lab
Published in
5 min readSep 25, 2019

最近何故か伊坂幸太郎の小説にはまっている

本当に何故かとしか言いようが無いが、それだけ魅力がある小説家なのかもしれない。

そこで

完全に私個人の独断と偏見で伊坂幸太郎の面白かった小説ランキングを書いていく。
全部は読んで無いので逐次更新していく予定。

1位:「ラッシュライフ」

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

伏線回収が凄い小説と聞いて読んだが、その噂に違わぬ凄さだった。
しかし個人的には伏線回収も勿論凄いのだが、終わり方が非常に良かったと思う。
最終的には誰もが頭をよぎる終わり方ではあるのだが、そこに少し伊坂幸太郎らしさが加わっており非常に感心した。
ただ登場人物が多すぎてごちゃごちゃしているのが玉に瑕。
あと犬が健気で可愛い。

2位:「死神の精度」

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

いわゆる伊坂幸太郎といったらこの作品。代名詞とも言える。
という様なハードルが完全に上がりきった状態でも読んでて非常に面白かった。
内容はある死神が主人公の小説の短編集なのだが、全体の伏線云々を放っておいても、それぞれが単独で凄まじさを見せつけてくる内容である。
伊坂幸太郎が小説家として世の中に認められている理由がわかる一冊。

3位:「砂漠」

仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡でできていた―。実業之日本社文庫限定の書き下ろしあとがき収録!明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。

正直世間的にはあんまり有名でない作品。ただどうやら伊坂幸太郎ファンの中では有名な作品の様である。
実際読んでみると、確かに伊坂幸太郎ファンが持ち上げるのもわかる内容で、私が読んだ伊坂幸太郎の小説の中では一番感動した作品かもしれない。
大学生の話ということもあって感情移入しやすかったのだが、一方で彼らの学生生活がキラキラしすぎていて自分を省みると少し悲しくなる。
あとがきで伊坂幸太郎が、「彼らの学生生活の方を楽しんでいる人が多い様で、本の中に仕込んだ一番大きなトリックがあまり注目してもらえなくて寂しい」というニュアンスのことを言っていたのが面白かった。

4位:「アヒルと鴨のコインロッカー」

ボブ・ディランはまだ鳴っているんだろうか?

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 清冽な余韻を残す傑作ミステリ。第25回吉川英治文学新人賞受賞。

受賞したことで有名なのだが、どちらかというと最後にもの凄いどんでん返しがあるという噂を聞いて読んだ作品。
噂の通り凄いどんでん返しがあった上に、伏線が散りばめられていて努力すれば気付ける様になっている所に伊坂幸太郎らしさを覚える。
ただ普通は無理だろとも思う。
あと毎回タイトルが話とあんまり関係無いのも伊坂幸太郎の感性なのだろう。

5位:「オーデュボンの祈り」

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?

伊坂幸太郎の処女作。にしてはえげつない世界観である。
カカシが喋って未来が見えるってなんのこっちゃ、と最初は違和感を覚えるものの、読者をのめり込ませる仕掛けがあちこちにあって読んだ後は違和感なんて無かったかのように思える。
思えば伊坂幸太郎が小説を書く際、基本的に「勧善懲悪」というテーマに沿った構成にするらしいが、それを体現している作品である。
あと本作品で言及されるリョコウバトの話は事実らしい。悲しい。

先にも書いたが、まだ伊坂幸太郎の小説を全て網羅しているわけでは無いのだが、(2019年9月25日現在)読んだ中ではこのランキングである。

ちなみに

「重力ピエロ」の話重すぎ。

最後に

伊坂幸太郎の小説を全て読んで自宅の本棚に並べるのが夢である。

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