インフラデータチャレンジ(IDC2018)へようこそ!

〜IDC2018のデータ利用に関する基本的なルールについて〜

皆さん、「土木学会 インフラデータチャレンジ」(IDC2018)へようこそ。この取組は土木学会における取り組みとして、データ・ICTを賢く活用して、インフラ管理者や利用者が抱える課題を解決するアプリやアイデアを募集するもので、2019年1月26日までの応募期間を通じて、アプリ・アイデア・データの3つの応募部門で作品を募集しています

IDC2018では、インフラ管理者ほか関係者のご協力により、インフラの設計・施工・運営・維持管理等に関するデータや、インフラに関連する様々なデータを、コンテストの参加者に提供いたします。そこで、このMediumでは、これからコンテスト開催期間の2019年1月にかけて、IDC2018で利用可能な様々なデータの中から、膨大な全てのデータは紹介できないのですが、特徴的なデータの紹介やデータの基本的な使い方をご紹介することになりました。本Mediumの執筆は、IDC2018事務局、土木情報学委員会 インフラオープンデータ・ビッグデータ研究小委員会(小委員会)の担当委員、ならびにIDC2018のデータを既に活用頂いている外部の技術者・有識者の方にも数名ご執筆いただく予定です。

さて、第1回の記事は、IDC2018で応募される皆さんに提供されているデータを正しくお使いいただく上での基本的なルールについてご紹介します。いずれのデータも、基本的には、地理空間情報のデータポータルである「G空間情報センター」ならびにデータ提供パートナーのWebサイトを介して入手することができます。データ一覧は、IDC2018の「提供するインフラデータ」で随時更新されていますので、確認してください。

直接データの中身をご覧になりたい方は、次の方法でご覧ください。なお、データ提供パートナーがオープンデータ等としてIDC2018以外にも一般公開を行っているデータやWebサイトについては、下記のリンクから確認することができます。これらのデータは、IDC2018の応募に利用可能なものですが、各提供主体の利用規約のもとでお使いください。https://www.geospatial.jp/ckan/organization/jsce

IDC2018で一般的に利用可能なデータリスト(G空間情報センター)

なお、IDC2018で共通するデータの基本的な利用ルールについては、「土木学会インフラデータチャレンジ応募規約」(Webサイトの中段にある「規約への同意」をご覧ください)に記載されています。IDC2018では、オープンデータを始め、皆さんが、日頃から広く利用されているデータを用いて応募することに加えて、「限定公開データ」と呼ばれるカテゴリのデータがあります。

この限定公開データの中身をご覧になりたい方は、次の手順でご利用いただけます。(この手順を踏まないと、「参加申し込み後にアクセス可能になります」と書かれている提供データのリンクをクリックしても、次のメッセージが表示されます

指定のページにアクセスする権限がありません。インフラデータチャレンジで公開しているデータへのアクセスの場合
指定のデータは限定公開になっています。
インフラデータチャレンジページから規約への同意を行った上で、ログインを行うとダウンロードできるようになります。)
  1. IDC2018用のデータを提供する「G空間情報センター」のサイトで、ユーザーアカウントをお持ちでない方は、新規ユーザー登録でユーザーを作成する。
  2. ユーザー登録時に、入力されたメールアドレスに認証用のメールが送付されるため、それを確認いただき、「G空間情報センター」に最初の1度ログイン行うこと(1度もログインせずに3.以降の操作を行うとエラーになることがあります)
  3. IDC2018サイトの中段にある、「規約への同意」の下側にある、ユーザー名とメールアドレスに、G空間情報センターで登録した内容をそれぞれ入力し、「規約への同意」を押す。
  4. 手続き後、再度、G空間情報センターのサイトでログインした上で、インフラデータチャレンジの「提供するインフラデータ」から、【限定公開】◯◯データと書かれているデータのリンク先をクリックすると、G空間情報センターのWebサイト上で「プライベート」という表示と併せてデータを閲覧できる。
利用規約への同意画面
限定公開の表示例(首都高速道路提供、路線情報・交通量・PA情報・工事情報)

限定公開データの利用は、応募規約の第4条に記載されています。一般的な注意点としては、IDC2018(およびIDC2018が認定する他のコンテスト)に応募する目的にのみ利用可能なデータをお使いいただくことができます

したがって、データそのものを応募者の方が二次配布(アプリケーション上での表示や地図上への視覚化など元のデータを取り出せない形で作品課することは可能)したり、営利目的で利用することができないほか、IC2018の終了時(2019年4月)以降は、本データが使えなくなります。

また、第3項にはデータの加工についての取り扱いについて書かれています。例えば、

  • 3. 限定公開データを、元の意味を損なうような分解または修正をしないこと。
  • 4. 開発者は、応募作品で表示される限定公開データの内容が、実施主体から提供される限定公開データの内容を正確に反映するものとします。

とあることから、元のデータの意味合いが変わるような使い方は避けてください。なお、

  • 5. 開発者は、第三者の知的財産権等を侵害しないことを条件に、限定公開データを他のデータと組み合わせることができます。

とあることから、他のデータと組み合わせた分析や集計などを行い、作品に反映させることは可能です。

第4条(限定公開データの利用)1. 開発者は、本規約に同意することにより、次項以下に定める規定に従って、非独占的にインフラデータチャレンジ開発者サイトおよび限定公開データを利用して、応募作品を作成し、一般に公開して利用者に利用させること、本チャレンジに応募作品を提出すること、またはその両方ができます。ただし、開発者が、インフラデータチャレンジ開発者サイトおよび限定公開データを利用する目的が、本チャレンジおよび実施主体が認定する他のコンテストに応募すること以外にもあると本チャレンジの主催者が判断した場合、実施主体は、当該開発者がインフラデータチャレンジ開発者サイトおよび限定公開データを利用することを終了させることができるとともに、当該開発者に対して法的措置を講ずることができるものとします。2. 開発者は、限定公開データを用いる際に次の各号に従うものとします。      3. 1. 限定公開データを本規約に従って利用すること。
2. 限定公開データを、実施主体およびデータパートナーに不利益が生じたり、不評をもたらしたりするような方法で利用しないこと。
3. 限定公開データを、元の意味を損なうような分解または修正をしないこと。
4. 限定公開データの全部または一部を応募作品以外では表示しないこと。
5. 限定公開データの全部または一部が更新された場合は、応募作品の限定公開データを直ちに更新すること。
6. 限定公開データを用いる際に、実施主体およびデータパートナーの知的財産権等を侵害しないこと。
7.実施主体またはデータパートナーが、応募作品に対して何らかの保証、責任を負担することを意味する表示をしないこと。
4. 開発者は、応募作品で表示される限定公開データの内容が、実施主体から提供される限定公開データの内容を正確に反映するものとします。5. 開発者は、第三者の知的財産権等を侵害しないことを条件に、限定公開データを他のデータと組み合わせることができます。6. 実施主体は限定公開データのフォーマットを、いつでも変更できるものとします。ただし、これらのフォーマットを変更する場合には、開発者が登録時に申告したEmailアドレスへ、事前に通知します。7. 開発者は、本サービスを利用する際に、限定公開データの商標を利用することができます。8. 開発者は、営利目的で限定公開データを利用することはできません。

また、限定公開データを使ったアプリケーションを作成することを考えていらしゃる方は、第10条の「開発者の責任」の第5項にもご注意ください。

第10条(開発者の責任)・・・・・・5. 開発者は、実施主体が限定公開データの正確性、完全性について責任を負わないことを、利用者に対して通知するものとします。また、開発者は、 応募作品がアプリの場合は、当該応募作品の内容(表示される情報も含む)や操作に関する問い合わせ先を記載するものとします。これにより開発者は、自らが制作した応募作品の内容(表示される情報も含む)や操作に関する問い合わせが、直接、実施主体にいくことがないように最大限の努力をするものとします。

なお、限定利用データの中でも、データの特性上、特定利用ルールを定めているデータセットがあります。この条件が設定されているデータセットは、「自治体の橋梁点検データ(周南市提供)」、「3次元空間写真、MMS、衛星写真(パスコ提供)」、「デジタル道路地図データベース(日本デジタル道路地図協会提供)」が該当し、それぞれ、次のような利用規約になっています。もし、ご利用を検討されている方は、上記の利用規約と合わせてご確認ください。

第1条(周南市提供の橋梁点検データの利用条件の遵守)1. 周南市より提供される橋梁点検データを利用して応募作品を公表する際は、以下を条件とする。      
2. 1. 橋梁名、位置およびその健全性の評価が特定されないように利用・公開すること。
2. 提供データに含まれる部分的な写真は健全性を間接的に示すものであるため、公開の可否や方法については、周南市に確認をとること。
3. 資料「非公開箇所の明示資料」で示す黒塗りの項目は非公開とすること(非公開部分は、A橋やB社 等の推測・特定できない仮名を使うこと)
4. その他、判断に迷うような疑義のある事項については、開発者が周南市に確認すること。
第2条(株式会社パスコ提供のデータの利用条件の遵守)1. 株式会社パスコより提供される、3次元空間写真アーカイブデータ及びMMSアーカイブデータを利用する際には、応募作品に次のとおり著作権表示を行うこと。
2. (C) PASCO CORPORATION
3. 株式会社パスコより提供される、Pasco Satellite Imageを利用する際には、応募作品に次のとおり著作権表示を行うこと。
4. 2015年撮像データの場合 (C) Airbus DS/Spot Image (2015)
2016年撮像データの場合 (C) Airbus DS/Spot Image (2016)
2017年撮像データの場合 (C) Airbus DS/Spot Image (2017)
第3条(一般財団法人日本デジタル道路地図協会提供のデータの利用条件の遵守)1. 一般財団法人日本デジタル道路地図協会により提供されるデータを用いた二次的著作物の作成にあたっては、二次的著作物の見やすいところに次のとおり著作権表示を行うこと。
2. 「(C)2012 一般財団法人日本デジタル道路地図協会」もしくは、 「(C)2012~2018 一般財団法人日本デジタル道路地図協会」

以上のようにIDC2018では、応募にあたって利用可能なインフラに関わる国や地方公共団体、民間企業等の特別なデータも、多数お使いいただくことができますが、データの二次利用に関する制限やアプリ化する上での注意点がありますので、ぜひご確認の上ご利用ください。

本ブログは、半月〜1ヶ月ごとに更新する予定ですが、次回以降は、IDC2018で提供されるデータのカテゴリ「道路関連・鉄道・河川・港湾・空港・水道・工事・地形地質・防災」からそれぞれ1つの分野を取り上げ、データの特徴やどのような使い方ができそうかについて、紹介する予定です。インフラ分野に必ずしも慣れていない方でも、ぜひこれを期にデータを触って応募ください!

瀬戸寿一:IDC2018事務局&東京大学空間情報科学研究センター

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