「各駅旅客発着通過状況(首都交通圏)」データのご紹介

Akira Nishizawa
Sep 25, 2018 · 6 min read

この記事は,インフラデータチャレンジ(IDC2018)における作品応募に向けた 提供データの特徴や活用方法のヒントについて,実行委員等がリレー形式で紹介 するものです.募集要項等は,Webサイトをご覧ください
http://jsce-idc.jp/


今回はインフラデータチャレンジの提供データから鉄道関連データの「各駅旅客発着通過状況(首都交通圏)」データ(限定公開*)をご紹介します。

*限定公開データへのアクセスは,インフラデータチャレンジWebページにおいて利用規約の同意が事前に必要になります.

このデータは(財)運輸政策研究機構が毎年発行している「都市交通年報」に掲載されているものです。刊行物では首都交通圏、中京交通圏、京阪神交通圏のデータが掲載されていますが、今回は首都交通圏のデータが提供されています。
このデータには、各駅間の通過旅客数、方向別の乗降客数、乗換駅での各方面間の乗換客数が含まれており、他には見られないユニークなデータとなっています。
ただ、豊富な情報量を1枚の表で表現しておりちょっと見分かりにくいので、表の見方をご説明します。

表のサンプルで説明します。サンプルは京成電鉄の京成本線の谷津駅と京成津田沼駅周辺です。図1のように、京成津田沼駅には京成本線が通り、京成千葉線が分岐しています。また、他社線の新京成線の起点にもなっています。

まず、乗換線のない谷津駅から見てみましょう。図2と図3をご覧ください。下り方向をみると、aが船橋競馬場→谷津の旅客数、bが谷津からの乗車客数、cが谷津での下車客数、dが谷津→京成津田沼の旅客数です。d=a+b-cの式が成り立ちます。上り方向はeが京成津田沼→谷津の旅客数、fが谷津からの乗車客数、gが谷津での下車客数、hが谷津→船橋競馬場の旅客数です。

乗換駅はちょっと複雑です。図4と図5(下り)、図6(上り)をご覧ください。下り方向をみると、Eが谷津→京成津田沼の旅客数、Aが京成津田沼からの乗車客数、Bが京成津田沼での下車数、Oが京成津田沼→京成大久保の旅客数です。
乗換関係では、Gが新京成からの乗換客数、Hが新京成への乗換客数、Kが千葉線からの乗換客数、Lが千葉線への乗換客数です。ちょっと分かりにくですが、「下り」の「発」の欄は京成津田沼から乗車する客数を示しており、「駅名」欄の京成津田沼の欄(A)は当駅の外から乗車する数、新京成電鉄の欄(G)は新京成方面から来た数、千葉線の欄(K)は千葉線方面から来た数と理解すれば分かりやすいでしょう。路線間で直通運転している場合もGやKの欄に計上されています。実際、京成本線と千葉線を直通する電車もありますから、実際に乗換えが発生しているとは限りません。

サンプルの表は京成本線の表ですが、千葉線、新京成線の表もそれぞれあり、それぞれに京成津田沼駅の欄があります。
また、図4のように、乗換駅では上下に1行づつ空き行があり、乗換駅でない駅は連続した行に記載されています。
また、図4にはありませんが、この右に定期客が記載されています。定期客は基本的に上り・下りが同数なので、下り方面のみ記載されています。

次に留意事項です。詳細な集計方法が掲載されていないので推測ですが、一旦、改札外に出るタイプの乗換駅では、駅外からの乗車客と他線からの乗換客かの区別ができないので、乗換客数が0になっています。ただし、連絡乗車券(他社線を降車駅とする乗車券。例えば「下北沢→(小田急線)→新宿からJR線160円区間」の客数は計上されます。定期利用客は起点、終点が分かっているので乗換客数が計上されています。地下鉄(東京メトロ、都営地下鉄)とJR、他の私鉄との乗換え駅は、相互乗り入れをしている駅以外では、ほとんどが改札外乗換えになるので、定期外の乗換客数が計上されていないのは、ちょっと残念です。
また、一部の路線では自線のみの数値だけで他社線への乗換客は計上されていません。例えば、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)の欄には乗換え客数が記載されていませんが、相手側の東京メトロ千代田線、日比谷線、JR常磐線(北千住)、JR武蔵野線(南流山)、東武野田線(流山おおたかの森)の欄には記載されています。

このデータは首都交通圏ですが、データの範囲は次のとおりです(三浦半島から時計回り)。
・JR横須賀線全線(久里浜)、京急全線(浦賀、三崎口、新逗子)、江ノ島電鉄全線、JR東海道線平塚、小田急線愛甲石田、京王高尾線高尾山口、JR中央線高尾、JR青梅線全線(奥多摩)、西武秩父線西武秩父、JR八高線/東武越生線越生、東武東上線坂戸、JR高崎線吹上、東武伊勢崎線鷲宮、JR東北線/東武日光線栗橋、首都圏新都市鉄道全線(つくば)、関東鉄道常総線守谷、JR常磐線牛久、関東鉄道竜ヶ崎線全線(竜ヶ崎)、JR成田線久住/成田空港、京成東成田線全線(東成田)、JR総武線八街、千葉都市モノレール全線、JR外房線誉田、京成千原線全線(ちはら台)JR内房線浜野とこれらの内側の各路線です。

また、元データではこれらの各線のデータが1枚のエクセルシートに掲載されています。路線名や駅名は漢字名で表示されていますので、データ処理がしやすいように、路線名、駅名等のリストとコード番号を作成し、データ表にもコードを入れたエクセルファイルを作成しました。
http://home.csis.u-tokyo.ac.jp/~nishizawa/teikyo/ryokaku_tsuukaH21_addedListAndCode.xlsx
なお、刊行されている都市交通年報には、データCDが付いていますので、他の年次のデータを使うこともできます。

( 土木学会土木情報学委員会・インフラオープンデータ・ビックデータ研究小委員会:西沢明)

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土木学会インフラデータチャレンジ

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