「標準的なバス情報フォーマット」による全国バスオープンデータの紹介

Masaki ITO
Dec 10, 2018 · 5 min read

この記事は,インフラデータチャレンジ(IDC2018)における作品応募に向けた 提供データの特徴や活用方法のヒントについて,実行委員等がリレー形式で紹介 するものです.募集要項等は,Webサイトをご覧ください
http://jsce-idc.jp/
また本記事に関連して,IDC2018では「GTFS-JP賞 指定課題」による特別賞もありますのでご関心ある方はぜひご応募ください!

「標準的なバス情報フォーマット」とは?

「標準的なバス情報フォーマット」とは、2017年3月に国土交通省が公開した路線バスデータのための標準フォーマットで、世界的に用いられているGTFSフォーマットと互換性があるデータ形式です。ZIPファイルの中にバス停一覧や路線情報、時刻や運賃などの情報がCSVファイルとして格納されています。

「標準的なバス情報フォーマット(GTFS)」の概要

このフォーマットで整備したデータを提供することでGoogle Mapsで検索可能になるなど、インバウンド向けも含めた公共交通の利用促進に繋がるため、国交省によるフォーマットの公開以降、全国でこのフォーマットによるオープンデータ整備が相次いでいます。富山、群馬、佐賀、沖縄では、県の事業として県内バス事業者のオープンデータ整備が始まっています。2018年8月現在の標準的なバス情報フォーマットによるオープンデータ整備状況を地図にしました。最新のデータ整備状況は旭川高専の嶋田鉄兵氏により一覧化されています。

一部の地域ではリアルタイムデータまで

岡山県内の一部事業者(宇野バス両備バス・岡電バス)や、佐賀市交通局に関しては、バスロケと呼ばれるGPSで取得したリアルタイムの位置情報が、GTFS Realtimeと呼ばれるフォーマットでオープンデータ公開されています。GTFS(標準的なバス情報フォーマット)による時刻表データと併せてリアルタイムデータを用いることで、その瞬間のバスの遅れなども知ることが出来ます。

データを利用する

データの利用はとても簡単です。上述の一覧ページのリンクをたどると、それぞれの組織のWebページからZIPファイルをダウンロード出来ます。ライセンスも、多くのデータがCC BY 4.0を採用しており、クレジットの表記にさえ気をつければ、商用利用も含めて自由にデータを改変して活用出来ます。

標準的なバス情報フォーマットのデータ仕様は、国土交通省から出ている文書にまとまっているほか、Googleによる「静的なGTFSの概要」というページにもまとまっています。これらの文書を参考にして、ZIPファイルに含まれるCSVファイルを読み解いてみてください。

データ整備が進んだ背景

「標準的なバス情報フォーマット」に基づいた公共交通オープンデータの整備が全国で盛んになったのには、データ提供を通じて路線バスの利用を促進したいバス事業者や自治体の思いがあります。内閣府が2016年に行った「公共交通に関する世論調査」によると、出張先・旅行先での公共交通機関の経路などを調べる場合「インターネット等の経路検索サービス」を用いる者の割合が56.6%と最も高くなっています。しかしながら、中小事業者やコミュニティバスが乗換案内で検索出来ない状態が、今も多くの地域で続いています。ナビタイムが全国バス会社カバー率100%を宣言(ただし5台以上のバスを保有する事業者)したり、ジョルダンも720社のバス事業者をサポート(2018年11月25日時点)するなど、乗換案内各社によるデータ整備が急速に進んでいますが、1,000を越えると言われるバス事業者数に追いついていないのが現状なのです。

現在、多くの交通事業者が乗換案内サービスへの掲載を目指してオープンデータ整備を積極的に進めています。国土交通省や県、市町村などもこの動きを応援していますし、フォーマットに対応したシステムを提供するIT事業者も増えてきました。また、フォーマットを策定した国交省の検討会メンバーを中心に「標準的なバス情報フォーマット広め隊」を名乗り、データ整備の支援や情報を提供を続けています。

さらに情報を得るために

GTFSは世界的に使われているフォーマットなので、英語による情報が充実しています。gtfs.org がポータルサイトとなっており、その中の Getting Started にはGTFSを利用したアプリケーションの例などが紹介されています。MediumのGTFSタグ付けされた記事も参考になるでしょう。

日本語の技術情報も徐々に登場しています。QiitaにはGTFSタグ付けされた3本の記事が掲載されています。私が執筆した「GTFSファイルをマージしてPostgreSQL+PostGISに投入する方法」は、データを利用する第一歩としてお勧めです。

日本語でデータ整備や技術的課題などについて議論するメーリングリストが開設されています。データに関わる様々な相談は、こちらのメーリングリストに問い合わせることが出来ます。

様々なアイディアでデータの可能性を引き出してください!

参考リンク

( 東京大学生産技術研究所・助教、「標準的なバス情報フォーマット広め隊」:伊藤昌毅)

infradatachallenge

土木学会インフラデータチャレンジ

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