読者コミュニティのファシリテーションとメディアの共創

小さいながら仕事としてメディアに関わる中で、課題として感じていることが大きく分けて2つあります。

ひとつは、運営側が専門性を持つことの難しさ。もうひとつが、即時性に対応することの難しさ。

現状、世界の事例の中でこの課題をうまくクリアしていると見られるのがオランダの『De Correspondent』です。

先日、創業者の2人が来日してあちこちでイベントに登壇していました。その模様をブログでも簡単にまとめています。

彼らは、広告を入れず、読者課金のみで運営している点も興味深いのですが、何より記事の作り方に特徴があります。

とにかくたくさんの記事を作るのではなく、プロセスを読者に共有し、情報を集めながら記事を作り上げていく。

記事を掲載する際にも、読者にコメントを促し、コメントでのコミュニケーションを通じてさらに発信する内容をブラッシュアップしていきます。

最近、DIGIDAYに『De Correspondent』共同創設者で発行者のエルンストヤン・ファウス氏の記事が掲載されていたので、詳しくはそちらをどうぞ。

『De Correspondent』では、情報や知識をうまく読者から提供してもらうファシリテーションやまとめあげていく編集力が記者に求められます。

日本ではオンラインサロンが少し似た役割を果たしていると考えられるのではとも考えられますが、『De Correspondent』はシステムをメディアに組み込み、特定の誰かではなくどの記者も同様のシステムの上で取材や執筆活動をしている点で異なります。

テクノロジーの影響もありますが、メディアは様々なジャンルを横断的にチェックする必要が生じており、なかなか専門性を深めていくことが難しい状態になってきています。

記者個人や編集部単体で専門性を持つのではなく、読者コミュニティから情報や知見をシェアしてもらうような動き方ができれば、こうした問題はクリアされるはず。

読者コミュニティの運営を行い、読者と共創していくような姿勢が、これからメディアには必要になってきそうです。