子どもの練習についての話

フィットネスとライフスタイルについての記録

私は、幼稚園生の息子にキックボクシングのミット打ちをして教えている。一連のストーリーを以下にまとめておいたので、お暇な方は参照していただきたい。最近、私は自分のストーリーに過去の自分のストーリーを繋げるようにしている。同じ話を書く手間を省くためと、コンテンツのネットワーク化を自分でやっちまおうと考えたからだ。


そして、最近のトレーニングメニューはこんな感じでやっている。

  • 子どもと一緒に腕立て伏せ10回と腹筋10回を3セット行う
  • 子どもにキックミットとビックミットを使って強くて痛い攻撃をさせる
  • スピードボールでランダムに動くボールに的確に当てる練習をする
  • スティックミットで相手(私)のパンチを避ける練習をする
  • 私がオープンフィンガーグローブをつけて、息子とガチで何でもありの練習戦をする
  • 最後に、気をつけ、礼、「ありがとうございました」の練習を一緒にする
  • ついでに、カミさん(妻)のミット打ち、スピードボール、スティックミット打ちを行う。

以上の流れを完全に遊び感覚で行っている。体育会系のスパルタ方式はまだ行っていない。プロ選手にするわけではないので必要ないからである。全てをこなすと1時間以上かかっていると思う。今度、時間を計測してみよう。練習中はスポーツジムのように、ノリの良い音楽をかけたり、youtubeの動画を大きなテレビ画面に出して雰囲気を出している。

結果はどうだろうか。息子は腕立てはできるが腹筋が苦手だ。まだ、体幹が弱いのだろう。ミット打ちはとても強くて痛い攻撃ができるようになった。キックは難しいので、教えているのはローキックと膝蹴り、金的蹴りくらいである。

最近、導入したスピードボールには難儀している。動く相手を更にカウンターの形で当てるのは難しいのである。これは良い練習だ。子どものパンチではボールがまだあまり動かないので、私は自分で上のロープを回すことで、ボールをぐるぐると動かすことを思いついた。金がないので何事も臨機応変でやるスキルを身につけている。こうやって何とかするのである。

問題は、スティックミットだ。この話は最後にしよう。

練習の終わりは、私もオープンフィンガーグローブをつけて、布団というリングの上で息子とガチで何でもありの練習戦をする。何でもありとは、金的、肘打ち、頭突き、噛みつき、投げ技、寝技での上からのパウンディングなど、全てありということである。さすがに目潰しは止めるようにしている。「相手のお友達がお目目が見えなくなったら可哀想でしょ」と言って教えているが、相手が目潰しするかもしれないので、絶対にガードするように練習はしている。喉への打撃はまだ教えていない。息子が大きくなって、絞め技などを習得した頃に、こういう攻撃もあることを教えれば良いだろう。これをやったら窒息で死にますよ、という説明である。

息子も練習戦が一番好きなようで笑顔がまるで違う。なので、一連の練習をしなければ練習戦はしないというスタンスにしている。実際の様子は、私は、息子のパンチやキックはパリーで受け流し、隙あらば手や足を掴んで組み倒す。上からマウントポジションでパウンディングのフリをする。息子が攻撃で夢中になり顔面のガードが空いていたら、顔面に優しくパンチを打ってガードを意識させる。息子は自分より強い相手を倒すのは金的しかないのを習得したので、パンチやローキックをしながら隙を常に伺っている。私はそれをもちろん察知しているので、全てパリーして受け流す。しかし、何度もやっているとやはり、金的を食らうのである。結構、数打てば当たるのだ。幼稚園生の金的でも当たれば相当痛いのを報告しておく。最近は、金的が入ったら、次は金的なしで攻撃するよう指導している。技のレパートリーを増やすためだ。

私は技の基本動作を教えるが、正しい姿勢とか、コンボ攻撃などは今の所、一切教えていない。それを教えるとパターン攻撃しかできなくなるからだ。もちろん、パターン攻撃は重要である。しかし、今はまだ遊びなので、変な癖を付けても構わないので、自分でどんな攻撃をするかを考えさせるようにしている。練習戦で闘争本能を、膠着状態に成ったら「どうする?どうする?」と言って思考させ、臨機応変な柔軟性を身に付かせるのである。正しい姿勢やパターン攻撃などは、本人が望めば、専用のジムや道場へ通えば習得できるだろう。


それでは、話を戻してスティックミットの練習の話をしよう。スティックミットの利点は攻防ができることだが、今のところは、私のミット攻撃を息子が避ける練習として使っている。そして、息子は上手く避けられない。避ける練習をしていないのだから当然だ。息子は「面白くない」と正直に話す。確かに、面白くないだろう。しかし、これは必須であり、やるしかない。なので、私は3つの方法を考えて実践している。

一つ目は練習時間を短くすることだ。必須だからといって弱点である避ける練習を延々と繰り返しても、子どものモチベーションは下がるだけである。遊びといっても集中力は必要なので、飽きてきたら(集中力が下がったら)止めるようにしている。ただし、練習は毎回必ず行う。やらなければ、次の練習へ進めない状況を教える側は作るわけだ。

二つ目は、逆に息子にミットを持たせ、私が息子のミット攻撃を避ける練習をする。どうやるのか自分が模範を示すのである。実際に、私も避けるのが得意ではないので、これは良い練習になっている。そして、私は楽しんでやるので二人で笑いながら練習をする。その姿を見て息子も影響されれば良いと思う。

三つ目は、映画やyoutubeの格闘系の動画を見せて、実際に避けることがどれだけ大事なのかを自分の目で観察させることだ。上手い人は避けてからカウンターで相手を倒す。下手な人は避けられず倒される。当たり前なことを言葉で説明せず、見て覚えさせるのである。本当は、試合に出て自分が避けられず打ちのめされて負ければ実感できるのだろうが、その領域までは行っていないので、他人の試合を見て体験させるわけだ。


そんなわけで、避けるという行為が、攻撃するよりも難しいことが分かった。このことから、生物全般において、防御してから反撃をする生物というのは果たして存在するのだろうか、と私は考えるようになった。専門家ではないので、正解は分からないが、動物ならば捕食のために攻撃する、植物ならば自分が生き残るために小さい植物の日光を遮り、枯れさせ土に還らせることで自分の養分にする。白血球でも外敵が来たら攻撃をする。やられる方は、逃げる行為はできるが、避けまたは防御してからカウンターで攻撃することはあるのだろうか。そんな生物は見たこともない気がする。亀さんなら甲羅に閉じこもることで防御はできるかもしれないが、そこからどうやってカウンター攻撃に繋げるのかは私には分からない。

防御という言葉は、一般的には「守る」ことと理解されていると思うが、軍事的には、「防衛陣地において敵の攻撃を撃破する」ということである。つまり、防御も攻撃の手段の一つであり、戦いには攻撃しかないのである。

戦いは、もちろん、逃げることも大事だが、攻撃するならば、避けることと防御(ガード)することも大事である。それによって相手の隙ができ反撃できるからだ。そして、それが出来るのは格闘技や戦争という技術を発明した人間だけなのだと、改めて思う。子どものケンカによく見られる、両者による熊パンチの応酬は、本物の熊さんでないと本当の威力は出ないのである。

人間は今の所、本物の熊さんには勝てない。先日、熊に襲われて目潰しで撃退した強者の空手家のニュースがあったが、修羅場を生き残れるのはこういった人たちである。強くなるためには自分から望む鍛錬が必要だ。

今はまだ、遊びで十分だ。しかし、私はこっそりと闘争本能と勝つためにはどうしたら良いかという臨機応変な柔軟性のある思考を教え込む。小手先のテクニックや精神論ではない、実践に必要な原則である。これが教える技術である。