9月13日は「十五夜」。お月見の歴史と悲しいウサギ伝説とは?

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crevia_tac
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4 min readSep 12, 2019

秋の行事と言えば「十五夜」です。旧暦の8月15日を「十五夜」「中秋の名月」と呼びます。「中秋の名月」とは、秋の真ん中に出る満月の意。旧暦の8月は秋のちょうど真ん中のため、8月15日の夜に出る満月のことをそのように呼ぶようになったのです。

お月見の始まりはいつ?

「十五夜」の月見が始まったのは、なんと平安時代。中国から伝わり、貴族に広がりました。当時は月を眺めながらお酒を飲んだり、船の上で詩歌管弦(しいかかんげん)を楽しんでいたとのこと。庶民の間に十五夜が広がったのは、江戸時代に入ってからだと言われています。平安時代の貴族とは異なり、無事に稲を収穫できる感謝の意味が大きかったようです。

それぞれのお供え物の意味って?

お月見のお供え物にはそれぞれ意味があります。秋の七草のひとつ「ススキ」は、白くて稲穂に似ていることから、神様の依り代を表していて、魔除けになるそう。そのため、月見に供えたススキを玄関の軒先に飾ると、1年の無病息災になると言われています。

「月見団子」は、丸い団子を月に見立て、感謝の気持ちを示しました。また、ピラミッドのように団子を盛るのは、団子の先端が「霊界」に通じると考えられていたからです。

収穫されたばかりの里芋、栗、枝豆などを供えるのは、豊作への感謝を表しています。昔から芋類を供えるのは一般的で、「中秋の名月」は「芋名月」という異名を持っているんです。

お月見とウサギの関係とは?

小さい頃「月にはウサギがいて、お餅をついているんだよ」という話を聞いた人もいるでしょう。実は月にウサギがいるという話は、先人からの伝承なんです。これの元になったのは、インドの仏教説話「ジャータカ神話」だと言われています。

この神話には、サルとウサギ、キツネが登場します。彼らは仲良く暮らしていたのですが「前世で何か悪いことをしたから獣として生まれ変わってしまったのでは? だったら、善業をしよう」と思っていました。そんな彼らを知った神様が、お腹を空かせた老人の姿になり、彼らの良い行いを見るために目の前に現れました。

サルとキツネはそれぞれ老人のために食料を調達できたのですが、ウサギだけは何もできませんでした。そこでウサギは火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げようとしました。神様はウサギの優しさに涙を流し、ウサギを月に昇らせたんです。

少し悲しい話ですが、今夜は心優しいウサギに思いを馳せつつ、お月見を楽しむのもいいでしょう。

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crevia_tac

「TREND&CULTURE byCREVIA」エディターのNです。エディターとしては、まだまだですが、ひとつよろしくお願いします。