【妊娠日記③】妊娠5週目

妊娠発覚直後に1泊2日の取材旅行へ

Aya Satoh Hoshina (ほしなあや)
いろどり
6 min readAug 29, 2018

--

5月22日(火)に妊娠検査薬で陽性反応が出て、翌23日(水)に病院にて胎嚢(たいのう)確認。

そしてその2日後の25日(金)に、以前から予定されていた取材のため、長野県小諸市へ向けて出発しました。

小諸城の大手門。国の重要文化財に指定されています

朝ごはんのチョイスがなんかおかしい…

小諸へは、バスタ新宿から高速バスで向かったのですが、朝が早かったため、朝ごはんを車内でとることに。

バスタ新宿のコンビニに入り、通常なら真っ先に菓子パンコーナーへ向かうはずなのですが……。この日はなんだか食べたいと思わない。

普段なら朝イチでも余裕でいけるケーキや生クリームたっぷりのスイーツにも食指がまったく動かず。

代わりに目についたのは、鮭おにぎり。朝からしょっぱいものはあまり受け付けない体質なのに、なぜか塩気が効いたものが食べたくなったのです。

なんだこれ、私らしくない……。
あれ?もしかして、これってつわりの症状だったりするのかな?

なんて疑問をぼんやり抱きつつ、バスに乗り込み、小諸へと出発しました。

ランチは洋食レストランへ

3時間ほどで小諸に到着し、駅周辺を少し散策。

ちょうどランチの時間になったので、一緒に取材旅行に行っていた夫の ホシナカズキさんと「何食べよっか」相談を開始。

なんとなく洋食が食べたいという私の希望で、駅前の停車場ガーデンに入りました。

注文したのは、ミートソーススパゲティ
夫氏は、私がどちらにしようか最後まで悩んでいた野菜たっぷりカレーをオーダー(シェアして食べられるから、という理屈で。優しい……!)

結果は大正解。
いま振り返ってみると、
これこれ、こういうのが食べたかったの!
と、体全体が求めている、そんな不思議な感覚がありました。

後ほど詳しく書きますが、当時からすでにいわゆる偏食つわりがスタートしていたのだと思います。そしてこの取材旅行中に、そのことをどんどん実感することに……。

突如抗えない眠気に襲われ…

この取材旅行の主な目的は、旅館のサイトの多言語化とコンテンツの日英翻訳の打ち合わせでした。

後日、夫氏と運営しているお散歩と旅のウェブマガジン「STROLL」に書く予定ですが、ここ中棚荘は、作家・島崎藤村ゆかりの老舗旅館。

以前取材をされた方から、ご飯がおいしいと聞いており、楽しみにしていました。

でも、ご飯の前にまずは打ち合わせ。
その打ち合わせ中に、
未だかつてこんな酷い眠気に襲われたことってあったっけ?!
というくらい激しい睡魔に突如襲われました。

おそらく打ち合わせ開始から30分経ったか経っていないかというタイミングだったと思うのですが、とにかく目を開けていられない。
一生懸命見開いていても(正面から見ていた人は怖かっただろうな……)、次の瞬間なぜか閉じていることに気付く。
そして、船を漕いでいる自分に気づき、あわてて背筋を正す。

……というなんとも情けないループを繰り返しておりました。

しまいには、打ち合わせの相手が、私のバッグの中に隠してあった(と思っていたのは私だけで、実際は外から丸見えだった)マタニティマークに気付き、「お部屋でおやすみになってはいかがですか?」とさりげなく勧めてくださったので、平謝りしつつ部屋へ直行。

夕飯までの1時間ほど、横になって体を休めました。

中棚荘・平成館にあるお部屋「あさがお」。文机がある、落ち着く和室です

あと、もうひとつ、この旅行中に気付いたこと。
それは、やたら喉が乾くということです。

水やお茶をしっかり飲んでいたにもかかわらず、なんだか喉が潤されている実感がなく。
部屋で休んでいる間に、夫氏にお願いしてスポーツドリンクを買ってきてもらい、飲んでいました。

和食が受け付けにくくなってる…!

そんなこんなで夕食の時間になり、別棟のお食事処へ。
聞いていたとおり、お料理はどれもこれもとても美味しく、幸せな一時を過ごしました。

でも、ここでもやっぱり「あれ?」と感じることが。

お味噌汁を一口飲んだのですが、なぜか「美味しい!」とならないのです。
普段はお味噌汁が大好きなのに。
そして、このお宿のお味噌汁は絶対美味しいに決まっているのに(他のお料理が素晴らしかったので)。

あの時の感覚を書き表すのはなかなか至難の業なのですが、たぶん味がしないというふうに舌が感じていたのではないかと。
薄味すぎるとかではなく、味そのものが感じられないというか。

翌日の朝ごはんでも、似たような経験をしました。

ほうれん草のおひたしや切り干し大根、お漬物など、いわゆる和食の代表的なお料理を、どうも体が受け付けない

なかでも一番ショックを受けたのは、とろろ。
いつもなら大好物のとろろ麦ごはんなのに、この時は数口食べただけで、「もうダメ……」という感じになってしまい……。
さすがに軽く絶望感を覚えました(苦笑)

その一方で、りんごジュースはすごく美味しく感じられて、どんどんおかわりしたかった!
そして、そば茶甘酒も。
(いずれも厳密に言うと食べ物ではないw)

中棚荘の玄関前にあるテラスでいただいた甘酒(もちろん、ノンアルコール)

さすがにこの時点で、
ああ、つわりが始まったんだー
という確信めいたものがありましたが、じゃあ何を食べられるのかと聞かれるとまだはっきりとは答えられず。
なんとなく、これはダメ、これはいける、というような感じで過ごした2日間でした。

2日目のお昼に、小諸城址懐古園内で食べたお蕎麦。かいわれ大根の苦味に惹かれチョイス
2日目にまわった小諸城址懐古園。これまたつわりの影響か頭痛が酷かったのですが、ノスタルジーを感じる風景と綺麗な空気に癒やされ、リフレッシュできました

--

--

Aya Satoh Hoshina (ほしなあや)
いろどり

Japanese-English food/travel/lifestyle writer & translator. Lived 11 years in U.S., 5 years in Thailand. 海外居住歴16年の日英バイリンガル翻訳者/ライター。元記者/編集者。Loves 食/住/旅/写真/宝塚歌劇/猫