初めてのアドベントガーデン

自分の行くべき場所を探し求めている旅人がいました。いろいろな素晴らしい場所に、たどり着きましたが、その度に「ここではない」と感じ、旅を続けていました。ある日、迷宮のような暗い森に入り、進退窮まったときに天使が現れ旅人を導いてくれます。「あなたの行くべき場所にわたしがつれていってあげましょう。」と。進んだ先に光がありました。旅人が自分の来るべき場所はここだったのだと感じたとき流れ星が落ちてきます。旅人の手には、いつのまにか、ろうそくがありました。「この光と暖かさを他の人にも伝えよう。」と旅人は思い、ろうそくに火を灯すと歩き始めました。そして、次に来る人のために森の入り口にろうそくを置くと再び、旅人は歩み始めました。

アドベントガーデンの前日にこのお話を1年生から4年生の各クラスで担任が子ども達に話しました。(上記のものはおおまかなものです。)低い学年の子ども達に、より深く沁みこむことをねらって当日ではなく、前日に話すことを選びました。

アドベントガーデンの当日、1年生の子ども達は緊張した面持ちで廊下に並んでいました。「幼稚園でしたことがあるから大丈夫だよ先生。」と前日に言っていた子どもも、いつもとはずい分違って神妙な様子。緊張が高まりすぎて妙にはしゃぎすぎている子もいます。

挨拶の握手の後、歌を歌って時を待ちました。そして、挨拶してから私語が一切ない状態で入場。厳かな会場の様子に緊張が高まります。そこで、天使が登場。前日のお話の中の天使と同じように、自分たちがどうすればいいのかを身をもって示してくれています。その天使の動き、所作が素晴らしく、部屋の中は天使が作り出してくれた聖なるムードで満ち満ちていました。

最初に、りんごろうそくに火を灯したのは1年生。5人全員が導いてくれた天使の動き、そのままに行って帰ってきました。歩き始める前は、とても緊張していたでしょうが、りんごろうそくを受け取りスタートした時から、内に内にと入り込み、一歩一歩進むその姿、表情は、とても素晴らしく厳かで心震えるものがありました。

7歳の誕生日を迎える学年である1年生。神と人間をつなぐという「生まれてくる庭(アドベントガーデン)」を再度体験することは受肉の手助けとなります。目には見えない大いなる力を感じた夜でした。

学校という場所で学び始めて8ヶ月を迎えます。もう、そんなにたったの?と、先日私も子ども達も感じ、それぞれが驚きの言葉を出し不思議な気持ちになりました。もちろん、子ども達は時間や月日のとらえ方が十分ではありま
せんが。「楽しいことは早いんだよ。」というある子の言葉に皆の気持ちが一致しました。これから、いろいろな事があるのだろうなあ・・・と私自身は遠い目になりつつも、そのことを楽しんでいきたいなあと改めて思っています。

第一部で天使の役をしてくれたのは9年生です。去年まで私が受け持っていた生徒が現在受け持っているクラスの子どもを天使として導いてくれました。そして、会場に入るタイミングを知らせに来てくれた生徒も、退場後、りんごろうそくを教室に届けにきてくれたのも、9年生でした。後から後からじんわりと感慨深くこみ上げてくるものがあります。どうもありがとう。

石尾 紀子(一年生担任)

※この投稿はいずみの学校オフィシャルサイトに2008年12月に掲載されたものを再掲載したものです。