豊浦の豊かな自然に囲まれて

豊浦を活動の舞台に移しての青空教室・アウトドアアクティビティも2年目に入りました。2シーズン目を向かえ、この学校の周辺の自然環境がいかに恵まれているかを改めて実感しています。

春一番の6・7年生の授業では、学校裏の町営スキー場から小花井山に登ります。スキー場奥の急斜面を上がり、トドマツの横に立つ鐘を目指します。マイペースでゆっくりと登る子もいれば、我先に鐘を鳴らそうと目を見張る勢いで駆け上がって行く子もいます。鐘のある所は、学校や豊浦の町を一望できる絶好の場所(ぜひ一度汗を流しつつ上がってみることをお勧めします)。ひとしきりトドマツの木登りにトライし、途中皆で集めたアサツキを茹でて味わいました。ほんのりとした甘さに皆舌鼓を打っていました。

この日は事前に下見した際、スキー場斜面にエゾシカのオスの立派な角を見つけました。こんな学校のすぐ近くにもエゾシカは来て、角を落としていったのです。そのままの状態にしておき、子どもたちが見つけるのを期待しました。登りでは誰も見つけなかったので、尻滑りで下り始める前に「スキー場下までの間にいい宝物が落ちているよ」とヒントを与えました。「なになに?」「どこ?」皆、下りながら一所懸命に探します。いくつかのヒントを重ね、ついに「あった!」。ある男の子が見つけると皆駆け寄り、シカの角に驚いていました。そして口々に「たまごかと思ってた」。折りしもその日は、低学年がイースターエッグエッグハンティングに行った日。「宝物」と聞いて綺麗な色の卵を期待する、まだまだかわいい6・7年生でした。思わぬ宝物を拾うイースターピクニックとなりました(角は同行していただいた宮原フミヒコ先生の美術の教材にしてもらいました)。

6・7年生は5月に、高速道路高架下からベンベ川の左股を数週続けて遡りました。昨年右股を上った時は、沢の中を濡れながら歩くという展開に、途中で音を上げた彼ら。入渓前から皆マダニ対策に雨具でばっちり身を包み、いざGO!ブツブツ文句も意外な程少なく、状況を受け入れていました(この一年間で順応性がついたのか、覚悟することを憶えたのか)。出だしこそ堰堤(えんてい)が続いて興ざめですが、すぐに綺麗な沢となり、所によっては岩盤質となって水がサラサラと流れるちょっとした見所もあります。そして、沢沿いには、ユキザサやアマドコロ、普段は嫌われ者でも茹でれば美味しいイラクサのほか、ギョウジャニンニクまであり、山菜がたくさん。沢歩きが目的地まで着くと、沢で自由時間。友達何人かで道具も使わず手で小魚を追い込み、見事捕獲したグループもいました。「先生、どれ食べれるの?」と山菜に興味深々の子も。皆で山菜集めをして、これまた持参した携帯コンロで茹でて春を味わいました。特に茹でたギョウジャニンニクに少し醤油をかけたお浸しでは、「うまー、うまー!」と獲物に群がるピラニアのようにザルに手が次々と伸び、瞬く間になくなりました。

学校から歩いて山に入って沢歩きを楽しみ、その中で山菜を採り、味わって学校に戻る。それが午後の2コマの授業時間内でできる場所にある。このことは、いずみの学校がいかに恵まれた自然環境にあるかを物語る一つの例だと思います。もちろん、来年以降も山の幸を授業で味わえるよう、大切に程ほどに採っていくこと、そしてその恵みに感謝することも同時に学んでいかなくてはなりませんが。身の周りにある自然と楽しく、時には汗をかきながら触れ合い、恵みを与えてくれる自然を大切に思う、そんなことをこの地で深めていければと思います。暑さが増していくこれから、次は子どもたちの大好きな紺碧の海が待っています。

青空教室・アウトドアアクティビティ専科 勝部武志

※この投稿はいずみの学校オフィシャルサイトに2009年6月に掲載されたものを再掲載したものです。