命を救うために出来ること

消えた難民を見つけるために皆さんが手伝えることがあります。

By Ghost Boat

2016年5月25日、イタリア海軍はシチリア海峡で転覆したボートから500人近くの出稼ぎ労働者を救助した。(Italian Navy/Anadolu Agency/Getty Images)

地中海では今が夏です。輝く太陽は照り続け、海水は穏やかで暖かく、ホリデーを楽しむ何百万人もの行楽客はイタリアやギリシャ、スペインなどの美しい海岸でくつろいでいます。

ですが海峡を越えると様子は一変します。観光客にとって魅力的に映るこの時期の地中海の穏やかさは、人身売買を生業とする者たちにとっても魅力的です。そのためこの時期は1年のうちで最も人身売買が盛んに行われるのです。

地中海を渡るボロ船は毎年その数を増しており、それに合わせて沈没するなど悲劇的な結果に終わるものも増えています。国際移住機関によると、地中海を渡航しようとして先週だけで1,000人以上が亡くなっているそうです。困窮した難民や溺れた出稼ぎ労働者、危険に晒された赤ん坊の写真が何度も繰り返しニュースのなっているのは皆さんもご存知でしょう。

大局を見るに、私たちが直面している危機は極めて深刻なものに思えます。世界は見放され、変化を起こせないという無気力に支配されているかのようです。しかし、インパクトを起こす方法はあります。それも何千もの人々が起こせるのです。


4月中旬に、私たちは「ゴースト・ボート」と呼ばれる船と共に消えた243名を探す最新のそして最後の挑戦を始めました。私たちは当時のリビア海岸の衛星写真を集め、読者の皆さんに何か見つからないか一緒に精査してくれないかと呼び掛けました。

実はこのやり方は賭けでした。リビア領海の専門家が「デッド・ゾーン」と呼ぶ海域を調査していたのです。外国船舶やNGOのボートは航海を許されていませんでしたし、公にされるものは少ないため国際社会の注意を引かずに何でも恐ろしい事が起こり得ました。行方不明の人々に関する情報は絶望的なまでに少なかったのですが、恐ろしいほど多くの人命がかかっていたのです。リスクを負う価値はありました。

皆さんの圧倒的な力で成し遂げられたこと

今週末、ボランティアの皆さんの力で衛星写真の精査が終わりました。驚くことになんと75,000人以上の方々に参加頂いたのです。

ずっと私たちを支え続けてくれた方も他の何千人もの新たな参加者も一緒に200,000以上のデータポイントに入り、8,500平方キロメートル以上の海域を調べ尽くしました。これは私たちのパートナーであるDigitalGlobeが行った過去最大のキャンペーンの1つでしたし、その結果行方が分からなくなったボートの行方を確認する絶好の機会を得たのです。

皆さんのお力添えのおかげでDigitalGlobeのシステムは「ゴースト・ボート」が消えた時間帯に、可能性がありそうな2,000もの船影(らしきもの)を見つけました。これによって私たちは集まったデータのクラスターや衛星写真を詳しく調べ、必要があると判断すれば他の情報とクロスリファレンスにかけることが出来ます。私たちはこれらのデータの分析を進めていましたが、漸く公開出来るところまで来ました。皆さんも興味をお持ちでしたらご参加頂けます。

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地中海を渡ってリビアからヨーロッパへ向かう出稼ぎ労働者がトリポリ警察に拘束されている。(Mahmud Turkia/AFP/Getty Images)

このデータそのものは「ゴースト・ボート」のミステリーの答えとしては不十分です。しかし、一歩前進したことには間違いありません。信じられないほど多くの方々がこのキャンペーンに参加したことは、行方不明者の家族にとっても世界がまだ関心を持ってくれていると実感出来る出来事だったのです。私たちは全力で調査を進めています。DigitalGlobeからのデータ処理が進めば、何を見つけ、其れが何を意味するかお知らせします。

現在、地中海を渡ろうとする難民は危機的な問題となり、各国の政策立案者たちはそこから起きる悲劇に対処しようと必死です。ですが、私たち一般人でも状況は変えられるのです。それを今回少しでも示せたと考えています。

ありがとうございました。